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映画「ラッシュ/プライドと友情」感想

☆もるがん☆

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F1好きにはたまらない映画!!

この地上を最速で駆け抜けた二人の物語

ニキが後に妻になる女性と出逢った時、「レーサーは、長髪でハンサムでセクシーで胸をはだけている」貴方は全然らしくないわね、という意味をこめた言葉を言われる。それこそがニキ・ラウダのニキ・ラウダたる所なのだ。才能と度胸とテクニックで走るのではなく、綿密なるセッティング、周到な作戦の上で、彼はレースに勝利する。

一方のジェームズ・ハントは、彼女の言葉を借りるならレーサーらしいレーサー、酒も女もパーティも好き。毎年4人は死ぬという、レーサーの安全など何も考えてない車体に乗り込み、生と死の隣り合わせの中で刹那の速さを追い求めるタイプ。

ロン・ハワード監督が描き出す二人・・実にいいんですよ、これが。

レースも普通の仕事と同じ、金融業界の一族の出らしいやり方(金と交渉術)でF1のシートを手に入れるニキ、オーナーが破産してチームは崩壊、酒に溺れたものの、身内の献身と友人の信頼と己の才能と技術を武器に売り込みのチャンスをつかむハント。

ニキ・ラウダ 1/2スケール ヘルメット フェラーリ 1976年

往年の名車(フォルムもカラーリングも美しい!)が並ぶサーキット、エグゾ-ストノート(フェラーリのV12のひと際高い音!)、砂塵もタイヤの焦げる匂いも土砂降りの雨の水滴すらも感じられるような映像。F1の黄金時代の熱気が伝わって来る。エンジンのピストンに呼応するかのように、高鳴る二人の心臓の音まで聞こえて来そうな。

感動的な実話を感動的に作るのは、本当は難しいと思うのですよ。だって結果はわかっているのだから。そこは「アポロ13」のロン・ハワード、F1という世界を丁寧に描きながら、巧みに観客を引っ張っていってくれるのです。

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「ソー」と連続で鑑賞したので二本連続になってしまったクリス・ヘムズワース、彼のハントが魅力的。自分でも人としてダメだと認めているのですよね、車の運転以外では。でもそう言い切る男の豪快さが出ていて。ダニエル・ブリュールもご本人がまだ存命の役を演じる大変さはあったと思います。彼の語りが物語の軸のひとつであり、確かに友達が少ないだろうなと思われる男の強烈な信念を好演。

ハントの妻(途中で離婚)のスージーは、「ドクター・ハウス」のバイセクシャル美女サーティーンのオリヴィア・ワイルド。ハウス先生のドラマ(終わってしまって残念!)が大好きな私は、応援してしまうのですよね、彼女をスクリーンで見かけると。どうも栗山千明を思い出すのも毎度の事なのですがwかたや貞淑なアレクサンドラのマレーネ・クナウス、お堅いイメージのドイツ・オーストリア系という事で、セクシーさは控えめです。あの有名な途中棄権の時、映画の中では彼女の顔がチラついて、ニキが車を止めてしまう流れになっていますが、実際はどうだったのでしょう。「守るべきものが出来たから、弱くなった」と結婚した時に苦悩したニキとしては。

そんな二組の夫婦の物語も映画に良い味を添えます。それがあるので、ニキが事故で顔に火傷を負った時、馬鹿マスコミ(どの時代にもいるものですね)が「そんな顔で夫婦生活は続けられるんですか?」と失礼な質問をして、ニキが憤然と立ち去った後、その記者をハントがこっそりと人気のない所に連れ込んでボコボコにするエピソードが生きて来る。言葉には出さないけれど、二人が互いに敬意とシンパシーを感じているのが解る場面です。

Hunt vs. Lauda: The Epic 1976 Formula 1 Season

雨の富士スピードウェイが決戦の場に

妻も元妻も元オーナーも二人を取り巻く人々がTVを食い入るように見つめる中、ハントが奇跡の追い上げで、ニキを逆転してチャンピオンになるのですが。

偶然なのか、ハントが仕組んだのか、飛行場で顔を合わせる二人が実にいい。同じ高みで争った者にしか解らない世界です。この時の二人の表情も実にいい。そして本物の当時のニキとハントの映像、現在のニキ・ラウダが・・・

とても満足度の高い映画

F1を知らなくても十分に面白い。知っていたらもっと面白い。当時のF1の空気の再限度もおそらくかなりのもの。

エンツォ・フェラーリの真実

そうそう、エンツォ・フェラーリが似てて、心の中で爆笑しましたw

セナvsプロスト―史上最速の”悪魔”は誰を愛したのか!? (SAN-EI MOOK)

マクラーレンのハント、フェラーリのラウダという図式が、後にマクラーレンのセナとフェラーリのプロストという二大天才の関係に二重写しになって感じられるのは、やはり私がリアルで見たのはその時代からだからでしょうか。カリスマ性のセナ、教授と呼ばれたプロストのキャラクターも、ハントとラウダを思わせて。

鈴鹿で見たセナとプロストの走り、鳥肌が立ちましたよ。

89年、チェッカーフラグを受けたはずのセナが失格が発表された時の場内のどよめき、今も忘れません。サーキットのみならず、世界中が、熱く大きくゆれた瞬間・・富士サーキットのあの日、土砂降りの中で観戦したファンもさぞかし・・その経験からも、当時二人がチャンピオンを争うレースの盛り上がりは凄かったろうなと思うのですよ。それを実に良く伝えてくれる映画です。

やっぱりレースは生で見たい!!

STAFF
監督 ロン・ハワード
脚本 ピーター・モーガン
音楽 ハンス・ジマー

CAST
クリス・ヘムズワース ジェームス・ハント (堂本光一)
ダニエル・ブリュール ニキ・ラウダ (堂本剛)
オリヴィア・ワイルド スージー・ミラー
アレクサンドラ・マリア・ララ マレーネ・クナウス
ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ クレイ・レガツォーニ
デヴィッド・コールダー ルイス・スタンリー
ナタリー・ドーマー ナース・ジェマ
スティーヴン・マンガン アラステア・コールドウェル
クリスチャン・マッケイ アレクサンダー・ヘスケス
アリスター・ペトリ スターリング・モス
ジュリアン・リンド=タット バブルス・ホースリー
コリン・スティントン テディ・メイヤー
ジェイミー・デ・コーシー ハーベイ・ポスルスウェイト
アウグスト・ダラーラ エンツォ・フェラーリ
シーン・エドワーズ  ガイ・エドワーズ
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Posted by☆もるがん☆

Comments 4

There are no comments yet.
風子  
TBありがとうございました

先日ニコ生でF1解説者の小倉茂徳さんが、映画を見た感想を反していたのですが、ハントと一緒に仕事をしたこともあって、クリス演じるハントの笑顔が、そっくせだったそうです。破天荒な性格で会社の人たちとかも、迷惑をかけられたりしていたけれど、彼の笑顔を見ると、許せちゃったそうです。周囲はハントなら仕方ないかと言う感じで、愛されキャラだったそうです。

ライバルだけど、互いを認めているふたりの様子がよかったです。

2014/02/04 (Tue) 09:41 | EDIT | REPLY |   
もるがん  
>風子さま

いらっしゃいませ☆

過去といってもまだすぐそこの物語、モデルとなった当人と面識があった人々が大勢いるわけで。実話のむずかしさはそこにもありますよね。でもこの映画は見ているうちに本当にクリスがハントに見えて来ました。勿論似ている人を選ぶというのはあるのでしょうが、それ以上にハントでありラウダであったように思います。

互いに悪態をつきながらも、認め合う二人だったのですよね。終盤の飛行場のシーンにそれが良く出ていたような。

2014/02/04 (Tue) 15:08 | EDIT | REPLY |   
ミント  

機会があれば観に行くつもりですが…
キンキキッズが吹き替え担当とか
演技は?
時間的に吹き替えを観る事になると思いますが

2014/02/23 (Sun) 14:43 | EDIT | REPLY |   
もるがん  
>ミントさま

いらっしゃいませ☆

私は字幕版だったのです。話題作りにタレントさんを使った場合の良し悪しは極端なので・・配役を見る限り後は全体的に職人さん級がなさっているようですね。

2014/02/23 (Sun) 20:43 | EDIT | REPLY |   

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