映画「ファンタスティック・ビーストと 魔法使いの旅(IMAX・3D)」感想

魔法世界への楽しい旅へ・・
ホグワーツで教科書として使われていた「幻の動物とその生息地」の作者ニュート・スキャマンダーの物語。時代はハリーの時代の70年前、舞台は英国からアメリカへ。
ハリポタの世界を更にスタイリッシュにブラッシュアップした映画。ホグワーツの子供中心だった時よりも、私には見やすかったかな。何よりも役者がみんな達者。それだけでもストレスなく物語に溶け込めるというもの。エディ・レッドメイン、アカデミー主演男優賞は伊達ではなかった。ケンブリッジ大卒、ウィリアム王子と同級生だった経歴は、魔法動物学者という役柄でも生かされていたかも。
1920年代のNY。魔法使いの存在は隠されていた。魔法生物の飼育は勿論禁止。そこにニュートが魔法生物をある目的のために持ち込み、それが逃げ出した事から事件に・・古きNYの街並み、これまでとは違い、古いとは言え、現実の街での物語の展開が楽しい。大人の魔法使いがいかに魔法を使いこなしているかも見られる。
ニュートは単なる変人ではなく、魔法生物への限りない愛情を持っている。鞄を手放さないのは、未来から来たネコ型ロボットのポケットの中の如き、鞄の中の広大な空間に、彼が救い出した魔法生物達がいるから。研究対象ではあるけれど、彼らの命への敬意を忘れない。そして大切に守っている。
あのお馴染みの旋律が聴こえて来るのが、今までのハリポタと地続きなのだなと感じさせてくれる。
原作者のJ・K・ローリングの脚本は、複雑にし過ぎないのがいい。ニュートと魔法生物の追っかけっこをジェイコブを交えてユーモラスに描き、あくまでも魔法生物が中心で、闇の魔法使いや人間(英国ではマグル、米国ではノー・マジ)との確執はあっさりとしている。この部分は今後のシリーズで描かれるのだろうけれど。まずはニュートというダンブルドアが惚れ込んだ人物がどういう人物なのかを丁寧に描き、後に妻となるティナとの出会いを描き、彼が生涯をかける魔法生物を描いていく。
特に魔法生物は3Dありきの作りになっているので、ぜひ3Dでご鑑賞を!
手の届きそうな所で跳ね回る愛らしい彼らの姿、良いですよ!!
ティナとクイニーは、黒髪と金髪でわかるように、堅物で地味な姉と美人で陽気な妹。人物はどれも分かりやすい。ノー・マジのジェイコブとクイニーのロマンスもベタだけれど良い雰囲気でまとまっている。魔法に関する記憶を消されたジェイコブ、なのに作るパンは様々な魔法生物の形、それが評判になって店は大繁盛。こういうエピソードも洒落てる。
気負いもなく、ただただスクリーンに魅入っていられる幸せ。ファンタジーの映像化としても物語としても理想的な出来。正直、ハリポタ本編より映画としては好きかも。
クリーデンスのエズラ・ミラーも好演。虐待され続けた彼が得た自由と裏切りの果ての悲劇。エズラ・ミラーが抑圧され続けたクリーデンスを不気味な存在感を持って演じています。グレイブスのコリン・ファレルは、登場した途端にうさん臭さ全開、これも良かったですね。
ラストに一瞬しか登場しないジョニデ、でも吹き替えが平田広明さんなのがうれしい。3部作だか5部作らしいので、これから活躍してくれるのかな。
そういえば・・・将来的には、ニュートの孫とルーナが結婚するのですよね。
Fantastic Beasts and Where to Find Them
STAFF
監督 デヴィッド・イェーツ
脚本 J・K・ローリング
原作 J・K・ローリング
製作 J・K・ローリング デヴィッド・ハイマン スティーヴ・クローヴス ライオネル・ウィグラム
製作総指揮 ティム・ルイス ニール・ブレア リック・セナ
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード
撮影 フィリップ・ルースロ
美術 スチュアート・クレイグ
衣装 コリーン・アトウッド
編集 マーク・デイ
製作会社 ヘイデイ・フィルムズ ワーナー・ブラザース
CAST
ニュート・スキャマンダー エディ・レッドメイン 宮野真守
ポーペンティナ(ティナ)・ゴールドスタイン キャサリン・ウォーターストン 伊藤静
クイニー・ゴールドスタイン アリソン・スド 遠藤綾
ジェイコブ・コワルスキー ダン・フォグラー 間宮康弘
パーシバル・グレイブス コリン・ファレル 津田健次郎
メアリー・ルー・ベアボーン サマンサ・モートン 佐々木優子
クリーデンス・ベアボーン エズラ・ミラー 武藤正史
セラフィーナ・ピッカリー カルメン・イジョゴ 深見梨加
ヘンリー・ショー・シニア ジョン・ヴォイト 堀勝之祐
ゲラート・グリンデルバルド ジョニー・デップ 平田広明

fc2が不調の際はお手数ですがTB用ミラーブログをご利用下さい
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ミント
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