シネマ歌舞伎「鷺娘/日高川入相花王」感想
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今や映像でしか見る事の出来ない玉三郎の世界。『日高川入相花王』人形浄瑠璃を歌舞伎舞踊化した「道成寺物」の作品で、人形振りでみせる趣向となっています。恋する安珍を追って日高川の渡し場にたどり着く清姫ですが、船頭は川を渡してくれません。 安珍への嫉妬と恨みの激情を燃やす清姫はついにー。清姫:坂東玉三郎人形遣い:尾上菊之助船頭:市川九團次人形振りが面白い。ちょっとカクカクとした動きの表現が、何故か清姫の...
大正ロマン×百段階段 ~文豪が誘うノスタルジックの世界~
ホテル雅叙園東京の百段階段で開催中のイベント百段階段は1935年(昭和10年)に建てられた木造建築。ホテル雅叙園東京の一部となっています。99段の階段廊下の途中に7つの部屋があります。それぞれに職人や芸術家が趣向を凝らした部屋です。今回はそこに文豪の名作のイメージに飾り付けられています。文豪の名作に現代の人気イラストレーターがイラストを添えるコラボレーション・シリーズ『乙女の本棚』(立東舎)とのコラボ企画...
【動画配信】帰ってきたマイ・ブラザー 感想
人は知らない間に他の誰かの生きる為の糧になっているかも知れない。かつて大ヒット曲を放ちながら、あっという間に表舞台から姿を消した兄弟グループ“ブラザー4”の物語。今は別々の道を歩む4兄弟(水谷×段田×高橋×堤)だったが、なぜか令和の現代に、その存在が再び脚光を浴びることに‼ついに再結成の日を迎えるのだが…。果たして、4兄弟は往年の歌声と絆を取り戻せるのか?!疎遠になっていた4人兄弟。40年前の歌がSNSでバズったの...
桜神宮と八重桜
桜新町は八重桜が満開でした。桜新町はソメイヨシノより八重桜が多いようです。さくらまつりは終わったものの、まだまだ綺麗な八重桜。桜神宮の期間限定の御朱印 大祭桜神宮の期間限定の御朱印 八重桜 ほんのり桜色の紙に描かれています。スターバックスで、スターバックスコーラフラペチーノ。様々なスパイス(シナモン・クローブ・コリアンダー)の風味とライム風味を組み合わせたオリジナルコーラとエスプレッソショットの香...
【動画配信】巌流島 感想
関ケ原の戦いの後、落ち延びた若者たちがいた。彼らは村の長に乞われ、野武士たちから村を守るが、その後は用済みとして役人に売られてしまう。逃げ延びた若者たちは、それぞれの道に進む。その中に、宮本武蔵と佐々木小次郎がいた。二人の出会いと別れ、その後の人生、そして剣の高みに達した二人だからこその絆。友情と単純に呼んで良いものかと迷うほどの。武蔵を慕うものもいれば、小次郎を裏切るものもいる。最後に残るのは剣...
歌舞伎座 鳳凰祭四月大歌舞伎 新・陰陽師
歌舞伎座新開場十周年記念「鳳凰祭四月大歌舞伎」昼の部は「新・陰陽師」夢枕獏「陰陽師 滝夜叉姫」の歌舞伎化だという。筋立ては良く知る平将門の乱。そこに征伐に向かう俵藤太、将門の妹滝夜叉姫、怪しき興世王、暗躍する道満、その渦中に晴明と博雅の姿がある。演ずるはスーパー歌舞伎IIでもお馴染みの面々。若手の活躍も嬉しい。有限な陰陽師の世界を求めて来た向きには、違和感を覚えるかも知れないが。原作に沿いながらも、...
長谷川町子記念館
桜新町の駅からサザエさん通りを抜けて長谷川町子記念館へ。長谷川町子美術館のお向かいにあります。現在の企画展示。こちらでは漫画のみではなく、長谷川町子先生の並々ならぬ画力が伝わる作品が並んでいました。動物を慈しむまなざしを感じさせる絵の数々。常設展示の入り口ではサザエさんたちが出迎えてくれます。昭和30年代の生活を再現したコーナー。ちゃぶ台や足踏みミシン、火鉢などが並んでいました。デジタルでサザエさん...
CP+2023 CAMERA&PHOTO IMAGING SHOW
パシフィコ横浜で開催されたカメラと写真のワールドプレミアショー、CP+へ行って来ました。会場でぱっと目についたのはこれ。皆さんカメラを構えて撮影。カメラ本体、レンズ、フィルター、アクセサリーなどの展示の他にもこうやって撮影の楽しみも味わえるのです。踊るバレリーナを撮影する催しもありました。会場内で目立つのは、ソニーさん、キャノンさん、ニコンさん、パナソニックさんなどのブース。最新機種に触れられるコー...
第16回朝日杯将棋オープン戦 準決勝・決勝 観戦
有楽町朝日ホールにて開催された公開対局へ行って来ました。対局会場と大盤解説会場との二つがありましたが、今回は対局会場に参加。会場の入口でチケットホルダーを受け取ります。ずっと首にかけておかねばなりません。12階の対局会場、11階の大盤解説会場のどちらの会場の参加者か識別出来るようにです。抽選番号は最後の抽選会で使われます。ステージで準決勝の2対局を同時に行った後、大盤解説会場に移動して解説者と共に感想...
劇団☆新感線「薔薇とサムライ2~海賊女王の帰還」感想
2022年劇団☆新感線42周年秋興行 新感線RX『薔薇とサムライ2~海賊女王の帰還』アンヌ・デ・アルワイダの魅力に酔いしれる!!!これは私の新感線の観劇体験の中でも、3本に指に入る舞台でした。ありがちだった中だるみはなく、それぞれの国や立場に視点を切り替えての進行具合が手際良い。舞台の背後のスクリーンで背景も説明も歌詞も全部まかなっています。すべての歌ではないものの、歌詞が出るのはありがたいですね。吟遊旅団...
シネマ歌舞伎「廓文章 吉田屋」感想
上方と江戸の粋、その両方を体現する仁左衛門に酔う放蕩の末に、勘当された藤屋の若旦那伊左衛門は、恋人の夕霧が病に伏せっていると聞き、 落ちぶれた身も省みず大坂新町の吉田屋へやって来ます。 主人喜左衛門夫婦の好意で夕霧には会えたものの、伊左衛門は嫉妬のあまり、すねてつらく当たり二人は痴話喧嘩を始める始末。 ようやく仲直りをした二人のもとに届けられる知らせは...冒頭に仁左衛門と玉三郎のインタビュー映像あり。...
シネマ歌舞伎「桜姫東文章 下の巻」感想
仁左衛門、玉三郎 36年ぶりの奇跡の舞台僧であった清玄は、桜姫の不義の相手として濡れ衣を着せられ、寺を追われてしまう。かつて愛した稚児の少年・白菊丸の生まれ変わりである桜姫への執念を抱き続ける清玄は、今は病み衰え、弟子だった残月と桜姫に仕えていた長浦のいる庵室に身を寄せている。しかし、残月と長浦は、金欲しさに清玄を殺すと、墓穴掘りとなった権助に後始末を依頼。そんななか、女郎とし て売りに出された桜姫が...
シネマ歌舞伎「桜姫東文章 上の巻」感想
仁左衛門、玉三郎 36年ぶりの奇跡の舞台僧清玄は、稚児の白菊丸と道ならぬ恋の果て心中を図るが、一人生き残ってしまう。17年後、高僧となった清玄は桜姫と出会う。彼女は白菊丸の生まれ変わりなのか。一方、家宝の巻物「都鳥」を盗まれ御家没落のため出家を心に決めた桜姫には秘密があった。かつて暗闇の中で自分を犯した男の子どもを秘かに産み落とし、今でも一夜の甘美な思い出として、その肌が忘れられずにいた。ある日、腕に...
長谷川町子美術館・記念館
「サザエさん」の長谷川町子先生がお住まいだった桜新町に、長谷川町子美術館とその隣に2020年に開館した長谷川町子記念館。足を延ばして行って来ました。長谷川町子美術館でチケットを購入、そのチケットで記念館の方も入館可能です。まずは美術館の方から。現在は「あさひが丘大運動会」。サザエさん一家の活躍のアニメとアニメ中に使用された原作との比較など、なかなか面白かったです。お馴染みのカツオくんのお友達もいました...
シネマ歌舞伎「熊谷陣屋」感想
諸行無常の物語、初代吉右衛門の当たり役を当代の吉右衛門が演ずる。熊谷直実は一の谷の合戦で平敦盛を討ち取り、陣屋に戻ってくる。直実は妻の相模と敦盛の母・藤の方に敦盛討死の様子を語り、敦盛の首の検分に備える。やがて主君の源義経が現れ、直実は首を差し出すが、その首は何と直実の息子・小次郎の首。直実は敦盛を救うため、同じ年齢のわが子を身替りにしたのである。直実は悲しみをこらえ、驚き取り乱す相模と藤の方を制...
劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎『狐晴明九尾狩』ライブビューイング
2021年劇団☆新感線41周年興行秋公演 いのうえ歌舞伎 『狐晴明九尾狩(きつねせいめいきゅうびがり)』ライブビューイング<昼公演>観て来ました。この国を支配せんと大陸からやって来た九尾の狐。その野望を阻止せんとする晴明。互いに策を弄し、裏の裏まで読む知恵比べ。宮中の貴族達は欲望のままに裏切り裏切られ、都のあやかしもまた争いの嵐に巻き込まれていく。乱れに乱れた世に終止符を打つ鍵となったのは、兄弟の如く育て...
シネマ歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒」感想
籠釣瓶花街酔醒(かごつるべ さとのえいざめ)は、花魁と客の惚れた腫れたの物語かと思いきや、籠釣瓶と呼ばれる妖刀村正にまつわる話。このシネマ歌舞伎となった舞台は、長い芝居のダイジェストであるので、ラストでいきなり刀が現れ、あまりにも唐突と思わないではないけれど、妖刀うんぬんは抜きにして、自分に恥をかかせた女を成敗した話と思えば辻褄はあうのです。州佐野の絹商人、佐野次郎左衛門と下男の治六は、江戸で商い...
新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」感想
これは観に行かれずにいた舞台シネマ歌舞伎での上映も期間が短くて鑑賞かなわず。TVでの放映は嬉しい事です。口上でナウシカの物語の概要を説明。アニメではなく原作の全7巻の舞台化である事を語ります。これは良い趣向。メーヴェなどの表現は賛否はあろうかとは思います。王蟲の精のようなものとか、服が青くなるシーンも。何よりも歌舞伎に見慣れない人には、ナウシカの姿が許せない不細工と映ってしまう、踊りや長台詞が退屈と...
シネマ歌舞伎「三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち」感想
「月光露針路日本 風雲児たち(つきあかりめざすふるさと ふううんじたち)」原作はみなもと太郎の「風雲児たち」。オープニングはみなもと先生原画のアニメ。難破してロシアに流れ着いた伊勢の漁師達が絶望と苦難の末に日本に帰国するまでの実話を元にした物語。歌舞伎とはいえ現代劇要素が多い。三谷幸喜だけに古畑任三郎のパロディも入っていました。猿之助さん凄い。片足を失いロシアに残される事が分かった時、不自由な身体で...
「スーパー歌舞伎II 新版オグリ」鑑賞
先代の「ヤマトタケル」が、初めてのスーパー歌舞伎との出会い。その時に感じたものと同じ何かを舞台の端々に感じた。舞台も照明も仕掛けも進化したというのに。それが継承というものなのかも知れない。今回は中村隼人さんのオグリの初日。「ワンピース」のサンジ、「NARUTO」のサスケと来て堂々の主役。舞台映えするのは、萬屋錦之助を大叔父に持つだけではない。やはり生来の器量に自信の裏打ちがなされたのだろう。家柄も良く文...