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帰ってきた二次元に愛をこめて☆

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映画「はやぶさ 遥かなる帰還」感想

はやぶさ 遥かなる帰還

NECの基盤が映る。

物語はそこから始まる。

乱立したはやぶさの映画の中で、おそらくこれが一番「皆が見たかった部分」を形にした映画ではないだろうか。偉業の影での人々の葛藤。人間の物語。渡辺謙演じる川口教授をモデルにした山口教授を軸に、宇宙研と周囲の人々を描く。

はやぶさ/HAYABUSA [DVD]

はやぶさの名を騙った、まったく関係ないヲタ女の成長物語「はやぶさ/HAYABUSA」に比べるべくもない、正当な映画。

のぞみの運用を断念(この”のぞみ”を絶たれた所からの出発が良い暗喩)、打ち上げの管制室のボロボロの椅子に軽蔑の目を向けるNASAのアメリカ人、「NASAの1/10の予算」である事をやんわりと説明する広報担当の丸山教授(ここで某党のパフォーマンスを思い出して苦笑した)。計画の責任者である山口教授とそれを支える丸山教授の図式も、観客に無理なく伝わる。

抑えた演出がいい。様々な激論も淡々と描かれていく。その方が返って印象が深くなる。女の子の使い方も上手いなと感じた。中村ゆりは、場面が地味になり過ぎず暗くなり過ぎずの調整役として、良い使われ方をしている。適度に可愛くて、適度に女の子で、適度に癒しとなって。

個性的な俳優が多いのもいい。
群像劇の場合、顔の見分けがつく事は重要だ。


町工場の老社長と孫。試作品を作った老社長、試作品に目を輝かす孫。文系志望が大半という今時の男の子が現実に機械に興味を示すかはともかく、諦めていた”技術の伝承”の芽を見出した老社長の人生も軌道修正されるのだ。「順繰りだ!」との彼の叫びは、本体は燃え尽きてもカプセルを残したはやぶさにオーバーラップされる。

”のぞみ”は消えても、まだ希望はある。

それが繰り返し語られる。(言葉でという意味ではない)

エンドロールでは、実際の糸川博士のペンシルロケットの実験、当時の日本の姿、宇宙研の様子、町工場の作業などの写真が次々に流れていく。傷だらけのはやぶさが偉業をなしとげたように、満身創痍の日本にも希望はあると・・

CGもなかなか。

タンポポ [DVD]

TVを点けると「妄想捜査~桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」が、丁度伊丹十三の「タンポポ」のパロディをやっていた。ラーメンのみならず食を描いたあの名作の主人公のゴローは山崎努、彼の助手が渡辺謙だったのを思い出してみたり・・

あの映画の時から山崎努と渡辺謙の二人が経て来た歳月は、奇しくもサンプルリターン計画と同じ位の長さ。そう思うと、飛不動の境内に並んで座って語らう二人の姿に、更に感慨が深まる。

はやぶさの奇跡の受け取り方が人それぞれであるように、映画を観る者の感動も人それぞれに異なるとしても、感動は感動。それで良いじゃないですか。少なくとも、観客席にいる私達は。

小惑星探査機 はやぶさの大冒険

監督 瀧本智行
脚本 西岡琢也
原作 山根一眞『小惑星探査機 はやぶさの大冒険』
音楽 辻井伸行
撮影 阪本善尚
配給 東映

山口駿一郎 渡辺謙
藤中仁志 江口洋介
井上真理 夏川結衣
鎌田悦也 小澤征悦
松本夏子 中村ゆり
森内安夫 吉岡秀隆
大下治夫 石橋蓮司
丸川靖信 藤竜也
東出博 山崎努


このブログの過去のはやぶさ関連の記事です☆↓

「JAXA相模原キャンパス特別公開」見学記その1
「JAXA相模原キャンパス特別公開」見学記その2
「JAXA相模原キャンパス特別公開」見学記その3

週刊トロ・ステーション 第38回 第1章「はやぶさ 宇宙へ」
週刊トロ・ステーション 第38回 第2章「イトカワへの旅路」
週刊トロ・ステーション 第38回 第3章「遙かなる故郷へ」
週刊トロ・ステーション 第38回 最終章「はやぶさの帰還」前編
週刊トロ・ステーション 第38回 最終章「はやぶさの帰還」後編

このトロステは、数多く作られたはやぶさ関連の番組の中でも秀逸の出来だと思います☆解りやすくて楽しくてほろりとさせて・・BGMのショパンの「別れの曲」がまた泣かせてくれるのですよ(ノ∀`)

ピアノといえば・・

はやぶさ 遥かなる帰還 オリジナル・サウンドトラック

盲目のピアニスト辻井伸行さんの手掛けた音楽も素敵でした。サントラ買おうかな☆

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Category - 映画・配信・DVD・BD

2 Comments

加藤礼次朗です  

そういえばラーメンウェスタン『タンポポ』も、山崎努、渡辺謙コンビでしたね。すっかり忘れてました。『はやぶさ 遥かなる帰還』コミック版もよろしくお願いいたします。

2012/02/24 (Fri) 05:01 | REPLY |   

もるがん  

>加藤礼次朗さま
いらっしゃいませ☆
丁度BSプレミアで伊丹十三と宮本信子の特集が放送されていました。良い映画でしたよね。コミック版をお描きなのですね。探してみますね。
実相寺監督の舞台の衣装デザインもされたのですね。観てみたかったです。生前にお会いした時、撮影される時に大事なものとして「光、そして影」とおっしゃったのが印象に残っています。
お立ち寄りいただき、ありがとうございました。

2012/02/24 (Fri) 09:47 | REPLY |   

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