映画「ダークナイト ライジング」感想

光が強いほど影は濃くなり
希望があるほど絶望は深くなる
この映画が何故Risesなのか、観終わって納得。
最初から最後まで途切れる事のない緊張感、静かに忍び寄る終焉の足音。無駄にギャグで盛り上げる事はしない、過度に派手なアクションもない。身も心も傷ついたバットマンは素手で戦う。ベインとの一騎撃ちにギミックも秘密兵器も使わない。泥臭い戦いにブルースの深い絶望が見え隠れする。
ベインに占領されたゴッサムシティ
国は見守るだけ、孤立した街は無法地帯と化す

今回は徹頭徹尾バットマンの物語
若き警官ジョン・ブレイクの目線が加わる事で、更に明確に浮き彫りにされるバットマンの姿。地獄から外に逃れた子供が、ブルースを地獄の底に突き落とす。絶望の淵から這い上がろうともがくブルース。その間に彼自身がバットマンである意味が変わっていく。死に場所を探す為に戦うのではなく、生きる為に戦う男に。

暗い物語の中で、セリーナの華麗な姿が際立つ
(キャットウーマンが、段々とバットガールに見えて来る)
お馴染みの顔が作り出す安定感。アルフレッド、フォックス、ゴードン・・ファンには彼らの活躍がうれしい。バットマンに対する個々の思いも見所のひとつ。忠誠、友情、罪悪感。
まあ・・話は進んで認証をした時に黒幕のネタバレがw
テロリストの心情を理解出来ない私には、首謀者の気持ちが今ひとつ響かない。目的が父親の計画の完成、けれども命をかけてちっぽけな街ひとつ破壊するより、せっかく核爆弾があるのだから、そのままホワイトハウスにでも突っ込んだ方がテロの効率としては良いのではとか・・終盤にいきなり小者になってしまうベイン、結局彼も操り人形に過ぎず、用が終われば切り捨てられるのに、あそこまで忠誠を誓うのも良く分らない。他の部下も。深く考えずに、そういうものだと思っておくのが良さそうですけどね(^^;
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ロビン・・そこで来たかっ!wみたいな。
彼が二代目を名乗るのかと思っていたのに。将来的にはそうなるのかも知れませんが。引きこもっていたはずなのに、ミスター・ウェインは只のヒッキーではなかったというオチもいい。それもエンドロールの後で明かすのではなく、本編のラストでちゃんとまとめてあるのが好印象。
ぶっちゃけ、あんなに乱暴に核爆弾を扱っていいのかとか、指紋を盗まれた時点で指紋認証を停止すべきだとか、炎のバットマーク(やや苦しいよね、形が(^^;)の仕掛けをわざわざ作っている間にさっさと救出した方がとか、あれだけの情報検索が出来るのにアルフレッドはメイドの素性をきちんと調べないのかとか、よれよれだったゴードンがどうしていきなりしゃきっとして走り回っているのかとか、軟骨がなくなってギブスまでしていた足が・・等々、ツッコミ所は一杯ですが・・そんなものは些細な事、ぐいぐいと最後まで持って行ってしまう。

ラストのブルースの笑顔が素敵!!
彼の新しい人生を何よりも饒舌に物語っていました。
クリスチャン・ベールは適役でした。美男が良い具合に崩れた雰囲気が、人生に退屈している億万長者の”仮面”に似合っていたし、彼の歳の取り方がウェインの変遷と溶け合って、これ以上のブルース・ウェインはない気がしました。
アルフレッド、夢がかなって良かった(^o^)
ライトに貼り付けたコウモリさんのマーク、端っこがちょこっとはがれているも良かったです。おぼっちゃまの鷹揚さなのか、細かい事は気にしないのか、時間がなかったのか・・色々と考えてみるのも楽しいものです。
まだまだ語りたい事はありますが・・
私の今年1番のおすすめ映画かも☆
The Dark Knight Rises
監督 クリストファー・ノーラン
脚本 ジョナサン・ノーラン クリストファー・ノーラン
原案 デヴィッド・S・ゴイヤー クリストファー・ノーラン
原作 ボブ・ケイン
製作 クリストファー・ノーラン エマ・トーマス チャールズ・ローヴェン
音楽 ハンス・ジマー
製作会社 シンコピー・フィルムズ レジェンダリー・ピクチャーズ
配給 ワーナー・ブラザーズ
ブルース・ウェイン/バットマン クリスチャン・ベール 檀臣幸
ベイン トム・ハーディ 山路和弘
セリーナ・カイル/キャットウーマン アン・ハサウェイ 園崎未恵
アルフレッド・ペニーワース マイケル・ケイン 小川真司
ジェームズ・ゴードン ゲイリー・オールドマン 納谷六朗
ルーシャス・フォックス モーガン・フリーマン 池田勝
ジョン・ブレイク ジョゼフ・ゴードン=レヴィット 土田大
ミランダ・テイト マリオン・コティヤール 五十嵐麗
ピーター・フォーリー副本部長 マシュー・モディーン 根本泰彦
レオニド・パヴェル博士 アーロン・アバウトボール ふくまつ進紗
ジョン・ダゲット ベン・メンデルソーン 清水明彦
フィリップ・ストライバー バーン・ゴーマン 青山穣
アンソニー・ガルシア市長 ネスター・カーボネル 上田燿司
ヘンリー・デュカード/ラーズ・アル・グール リーアム・ニーソン 佐々木勝彦
Dr.ジョナサン・クレイン/スケアクロウ キリアン・マーフィ 遊佐浩二



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