箱根ラリック美術館~オリエント急行でお茶を~

箱根の仙石原にある箱根ラリック美術館。瀟洒な建物と庭園が素敵な所です。冬枯れの庭を降ったばかりの雪が白く染めていますが、それはそれで風情あるたたずまいです。

箱根ラリック美術館に保管されているオリエント急行のサロンカー
今では予約制のティールームとして使われています。1回に20名、当日でも空席があれば利用可能です。メニューは一種類、ケーキとお茶のセットのみ。美術館に入ってすぐの受付で予約、時間の少し前までに入り口へ行き待機。

予約券です。1時間毎、1回の乗車時間は約45分。

コート・ダジュール号
フジTV30周年の時に日本横断した車両のひとつ。その後、欧州から再び日本へ。


お茶の時間を待っている間に車両が運ばれる様子を大型ディスプレイで鑑賞出来ます。乙女峠を越える様子が興味深い。車窓から見える富士山が美しかったです。

まだまだ寒い箱根。雪がチラついていました。ストーブが幾つも、毛布も。


何故、ラリック美術館にオリエント急行が?内装のデザインを請け負ったのがルネ・ラリックだったのです。美しいガラスの男女が車内を飾ります。

通路側の席はシェードが下ろされています。

ラリックウィンターライトレビュー
建物の壁面に面した車窓は、現在は「ラリックウィンターライトレビュー」というイベントの仕様となっていました。冬景色をイメージした車窓は幻想的にライトアップされ、輝くラリックのガラス作品が並んでいます。冬空の凍れる星がそのまま形になったかのような鉢「エトワール」。光を受けて輝く花器「シリウス」と共に当時流行の芸術様式アール・デコの香りを漂わせ・・・
途中で係員の方が、この車両の由来やラリックの作品について説明してくれます。その話に耳を傾けながら、紅茶をいただくのも一興。欧州の景色は見えずとも、天井のラリックのランプの照らし出す車内には、昔日の優雅な面影が浮かび上がるかのよう。

「ル・トラン」のティーセット
季節ごとに変化します。今は桜のパウンドケーキ。口に入れた途端に桜の香りが広がります。甘いケーキにストレートの紅茶が合います。添えられているのは、生クリーム、桜とカシスのジャム。お好みで。生クリームでまろやかな優しさを味わうのも良し、カシスの酸味でさっぱりと引き締めていただくのも良し、薔薇と桜の香りの二重奏を楽しむのも良し・・ドリンクは、珈琲、紅茶、ハーブティーから選択。


砂糖やミルクピッチャーにもオリエント急行の紋章と文字が。

天井近くにあった取っ手のようなもの。係員の方に尋ねても良く分からないとの事。危険な時に引っ張るらしいのですが・・・


この列車の良い所は、揺れないので写真が撮りやすい所でしょうか(笑)
車内は現在は使われていないレストルーム、個室がひとつ。個室は家族連れが使用する事が多かったとか。そして広いサロンは途中で大小に区切られています。どうしてサロンが区切られているかは分からないそうです。内輪のパーティなどへも対応出来るようにだったのかも。

外へ出ると、柔らかいオルゴールの音色が送ってくれました。

今宵は「名探偵ポワロ」の「オリエント急行の殺人」の回でも見ましょうか。



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