映画「真夏の方程式」感想

あまりにも印象的で哀しい、とある少年の夏休み
子供嫌いの湯川先生と恭平少年の交流が微笑ましい。列車内の出会い、緑岩荘での再会、子供が近寄るとじんましんが出る湯川先生だけれど、何故か恭平には痒くならない。それで湯川先生は恭平に興味を持ったのかも知れない。少年に「理科は嫌い」といわれて、いきなりやる気を出す湯川先生が、実に面白い。
美しい玻璃ヶ浦。200m先の海の中を見たいといった少年の願いをかなえるべく、湯川先生の作ったペットボトルロケット。真夏の太陽の下、輝く海、何度も繰り返す実験。真面目な顔の下にわくわくする心が透けてみえる湯川先生が可愛い。恭平も同じ気持ちを共有している。実験は楽しい、繰り返しの中でどんどんと目的に近くなる、何かを達成する喜び。
こんな素敵な自由研究、私もしてみたかったな(ノ∀`)
事件よりも・・きらめく海上と海中の映像美を味わい、湯川先生と少年の交流、クールに見えて事件に関わった人々の人生を深く思いやる湯川先生の行動を観る映画。

ひとつの嘘が多くの人を不幸にした。
ひとりの悪人が何人もの人間を犯罪者にしてしまった。
二期のドラマはあまりにも酷かったので映画にも危惧を感じたが、どうしてどうして、なかなか面白かった。オカルトちゃんもドラマでこういう使われ方をしていれば良かったのに。しかし化粧が濃すぎるね、もっとカジュアルな方が可愛いと思う。
約30年前に始まった因果を巡る物語。平凡な生活が突然崩れてしまう・・環境保護と企業の儲け主義、地元の対立なども織り交ぜている。あざとさはあるが社会性の方面は表面的で訴えるものは感じられない。このTV局らしい。
恭平少年は湯川先生に出会って良かった。そうでなければ、自分が知らない内に殺人の手助けをしてしまった事実に気付いた時、その苦悩を誰にも分かち合う事が出来ずに壊れてしまったかも知れない。迎えに来た父親があまり息子に関心がない様子だった事を思えばなおさら。
自由研究用にと湯川先生がくれた資料を眺めている恭平少年の顔は、もう理科嫌いではなかった。彼は未来の湯川先生なのかも知れないと思わせる絵作りがいいね。子役が一番上手いのはお約束とはいえw

監督 西谷弘
脚本 福田靖
原作 東野圭吾(「真夏の方程式」)
音楽 菅野祐悟、福山雅治
製作会社 FILM
配給 東宝
湯川学 福山雅治
岸谷美砂 吉高由里子
草薙俊平 北村一輝
川畑成実 杏
川畑重治 前田吟
川畑節子 風吹ジュン
仙波英俊 白竜
塚原正次 塩見三省
柄崎恭平 山﨑光
三宅伸子 西田尚美
柄崎敬一 田中哲司
多々良管理官 永島敏行
塚原早苗 根岸季衣
中川雅人 神保悟志
鵜飼継男 綾田俊樹
本編の前に、邦画の予告編が何本か流れたが・・あまりの酷さにうんざりした。演技以前の連中ばかり、広がりを感じないアングル、原作レイプ。良い映画を作ろうなどとは微塵も考えてない。だから邦画は好きになれないんだ。

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