(新)刑事のまなざし 第1話 感想

風変わりな刑事物。椎名桔平が好演。
公式HPよりあらすじ
夏目信人(椎名桔平)はある事件をきっかけに少年鑑別所の法務技官から転身して4か月、新人刑事として東池袋署刑事課強行犯係に勤務している。夏目と組むのはベテラン刑事の福森誠一(松重豊)と、年齢は若いが刑事としては夏目の先輩にあたる安達涼子(小野ゆり子)だ。東池袋署管内では放火と思われる3件の不審火が発生していたが、そんなある夜、4件目の放火が発生。アパートが焼け、男性が死亡した。死亡したのは佐藤英明(山中聡)。看護師の前田恵子(森口瑤子)の内縁の夫で、恵子の息子・裕馬(野村周平)と共に暮らしていたが、裕馬の反対で二人は結婚できずにいたという。しかし、亡くなった英明は金銭問題や暴力で恵子と裕馬を苦しめていた、との聞き込み情報を得た福森と安達は、恵子が勤める病院へと向かった。その同じ頃、夏目は、ゲームセンターでひたすらクレーンゲームを続ける裕馬の姿を見つめていた。程なく、福森たちに合流した夏目は、入院患者の安岡(竜雷太)から、恵子の事件当夜のアリバイを確認する。続いて、息子のアリバイを確認するために裕馬を訪ねる夏目だが…。
異色の経歴で刑事になった男。
型通りの捜査では見えない真実を見つけ出す、そのまなざし。
派手であざとい演出の刑事モノが多い中、人の心を軸に事件を解決していく。
配役もなかなか良いです。
くせの強い役者さんに”いつも”のを要求していない。
役者の色よりも役柄の色を重視する。
反発する年下で先輩の女性刑事安達、夏目の事情を知っているらしく上司との間の緩衝材となる福森、捜査一課のエリートで何故か夏目にこだわる長峰、煙たくは思っても、対外的には夏目をかばう上司の菊池。
職場での人間関係も、良くある関係。
妙な作りこみや小細工はして来ない。それがリアリティを感じさせる。
すべては嘘なのだ、ドラマは。
その中でより現実味を視聴者に感じさせる、それが出来たら勝ち。

事件の鍵となるのはオムライス
身勝手な男(ストーカー等こういう役が多いですね)との痴話喧嘩の果ての殺人かと思いきや、自分を縛り付けていたものから開放されたかったのが本音。それも夏目との会話の中で自分の気持ちを整理していく中で、初めて気づいたような。
少年鑑別所の法務技官という前歴を生かすような少年との交流もいい。
ラストに10年目覚めないままの娘と妻が登場する。父親としての言葉を父のいない少年に送る。それは本当は父として娘に伝えたい言葉。ややあざとさはあるが、素直に受け止める少年の様子が、それを帳消しにしてくれる。やはり役者はドラマの重要な要素。ゴリ押しさんのオンパレードではこうはいかない。
海外ドラマの方が面白くて、国産のドラマはあまり見たいと思わない昨今だけれど、これは見ても良いかなと思い始めている。
STAFF
原作 薬丸岳「刑事のまなざし」(講談社文庫刊)
脚本 岩下悠子 大石哲也
制作 那須田淳
チーフプロデューサー 橋本孝(ドリマックス・テレビジョン)
プロデューサー 佐野亜裕美 佐藤敦司(ドリマックス・テレビジョン)
演出 鈴木浩介 竹村謙太郎 吉田健 川嶋龍太郎
製作著作 TB
S制作協力 ドリマックス・テレビジョン
CAST
夏目 信人 椎名 桔平
菊池 大雅 要 潤
安達 涼子 小野 ゆり子
夏目 美奈代 吉田 羊
夏目 絵美 山田 杏奈
瀬戸 公平 中林 大樹
西 晴彦 吉家 章人
草野 楓 藤本 泉
田辺 久美子 板谷 由夏
長峰 亘 北村 有起哉
福森 誠一 松重 豊

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