映画「アメイジング・スパイダーマン2」(3D)感想

ピーターは糸と一緒に不幸をばら撒いてる印象。大義も志もないチャラ男がたまたま手にした力でノリだけでヒーローをやって周囲が迷惑する話。
うーん・・何とも爽快感のない映画でした。
ピーターはどこまでも身勝手で自分の事しか考えていない。グウェンがオックスフォードの大事な試験があるのに、自分の悩みをぶつけるだけなど周りが見えていない。悩めるヒーローというのは今では珍しくないけれど、その悩みは社会の中の自分であるとか、正義や悪の概念についてとか、何かしら外的なものとの葛藤であったのに、ピーターにはそれが感じられないのですよね。何の信念もない、ただ流されて「ヒーローやってます」みたいな。話自体、起承転結が上手く機能していない。
映画で大切なのは脚本と役者だと再確認
「キャプテン・アメリカ ウインター・ソルジャー」を見たばかりなのもあるかも知れませんが、ヒーローの魅力は”中の人”の人間性にあると思うのですよね。正義を守る覚悟を持ってヒーローとなるスティーヴと、何の考えもないままにヒーローごっこをしているピーターとの差は大きすぎるのですよ。

悪役も宣伝ほどは出て来ないし、動機はほとんど逆恨み。
それも優柔不断なくせに思い込みが強いピーターの自業自得。なのでどうしても同情が出来ないし、悪役の方にも悪になる納得出来る理由がない。ハリーと会社についても突っ込みたい要素が一杯。クモの毒はパーカー親子にしか効かないとわざわざビデオで言わせているのに、毒を打ったハリーは回復、それもいきなりブスリと注射とは雑すぎる。ナチスを連想させる科学者と施設も大げさ過ぎて・・誰か止めなかったのかと。
子供の使い方も「アイアンマン2」の敵に対して掌を向けた少年をさりげなくフォローするスマートさもなく、美談にしたいがための語りが多すぎて。あの単細胞の敵がそれを待っているというのもテンポを悪くしていました。戦闘にはテンポが大切だと思うのですが。
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グウェンがまったく頭が良いように見えないのも辛い、辛かったというべきでしょうか。以前の映画では童顔のピーターに比べてオバサン過ぎるヒロイン、今度は知的という設定に似合わないヒロイン。どうもミスキャストが多いのは、ゴリ押しが多いのか。
何となくすべてにおいてチグハクな印象を受ける映画なのですよね。大げさな装置も生かしきれていない(特に地下鉄の実験室、ただビデオみて終わり?ピーターにあれを使いこなせる頭がないという設定なのか)口を出す人が多すぎて、統制が取れていないような。
3Dの映像は素晴らしい!!
色々と整理したら、もっと面白くなると思うのですよね。残念です。
エンロドールの途中で「X-MEN: フューチャー&パスト」の予告が流れます。その後のエンドロールの終わりには何もなし。急いでいる方にご参考までに。

The Amazing Spider-Man 2
監督 マーク・ウェブ
脚本 アレックス・カーツマン ロベルト・オーチー ジェフ・ピンクナー
原案 ジェームズ・ヴァンダービルト
製作 アヴィ・アラッド マシュー・トルマック
製作総指揮 アレックス・カーツマン ロベルト・オーチー
音楽 ハンス・ジマー
製作会社 マーベル・エンターテインメント
配給 コロンビア映画
ピーター・パーカー / スパイダーマン アンドリュー・ガーフィールド 前野智昭
グウェン・ステイシー エマ・ストーン 本名陽子
マックス・ディロン / エレクトロ ジェイミー・フォックス 中村獅童
ハリー・オズボーン / グリーン・ゴブリン デイン・デハーン 石田彰
ドナルド・メンケン コルム・フィオール 家中宏
フェリシア フェリシティ・ジョーンズ
アレクセイ・シツェビッチ / ライノ ポール・ジアマッティ 楠見尚己
メイ・パーカー サリー・フィールド 一龍斎春水
メアリー・パーカー エンベス・デイヴィッツ 吉田美保
リチャード・パーカー キャンベル・スコット てらそままさき
カフカ博士 マートン・チョーカシュ 梅津秀行
黒服の男 ルイス・キャンセルミ 鈴木幸二
幼いピーター マックス・チャールズ 関根航
アリステア・スマイス B・J・ノヴァク 花輪英司
謎の男 マイケル・マッシー 小島敏彦
ノーマン・オズボーン クリス・クーパー 小川真司
ジョージ・ステイシー デニス・リアリー 菅生隆之
卒業式の老人 スタン・リー(カメオ出演)

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