(終)黒執事 Book of Circus 第10話 その執事、遂行 感想

「みんな何かが足りなくて、このドブに捨てられた連中だった」
ウィルが淡々と読み上げるジョーカーの哀しい記憶、必死で生きて来た子供達
公式HPよりあらすじ
舞い上がる走馬灯劇場(シネマティックレコード)に映るのは悲しい過去だった。ケルヴィン邸にたどり着き、真実を知ったドールの悲鳴と刃がシエルに向けられる。 鞄からこぼれおちるキャンディー。全てが炎に包まれ、閉幕の時を迎える。
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やっと得られた幸福。生き延びる事が保証された途端、もっと欲しくなる。果てのない欲望。それはケルヴィンも同じ。ジョーカー達を犠牲にしても得たかったもの。慈善は偽善、それでも恩返しに手を血まみれにしたジョーカー。弟と妹達の痛みを自分ひとりで抱えて。
死神のお仕事は形式的。救うべき魂などないに等しい。それでも確認だけはしなければならない。炎に包まれたケルヴィンの屋敷、大量の死人(拉致された子供も含め)、押し付けられた仕事の量にウンザリのウィルをさらにうんざりさせるチャラ死神ノックス。
葬儀屋の意味ありげなつぶやき、忠告を無視したファントムハイヴ伯爵に。
Wチャールズもチラ見せでファンサービス
燃え盛る屋敷に呆然とするドール
セバスチャンがドールを殺す場面はあえて映さない
ひとり取り残されたスネーク。蛇はいても、暖かく自分を受け入れてくれた人々は、誰もいなくなってしまった。もうサーカスは彼の居場所ではない。寂しさにスネークは歩き出す。自分の居場所を探すために。
レンボーンワークハウスを尋ねるシエルとセバスチャン。「後始末までが仕事」というシエル、彼らが見たのは無人で朽ち果てた建物。孤児達はおそらくは先生の材料に・・ジョーカーの守るべきものはすでになかった。知らずにないものを必死で守っていた。

「これが人間なんだ」
笑うシエル、人間の本性を。醜い中身が詰まった身体、それが人間。だが人間は嘘をつき、誰かを傷つけても、彼方を目指そうとする。丘を越えた先にある幸せを掴もうとする。「だから人間は面白い」とセバスチャンは思う。
風に飛ばされたリボン、リボンの舞う青空にジョーカー達の幻が踊る。明るい笑顔、死神には取るに足らぬ人生しか生きられなかった彼らだが、そこにあった幸福は本物だった。たとえそれがどんなにささやかなものであったとしても。
作画も丁寧、声優も豪華、ファンサービス満点の演出
売れるとわかっているだけに、贅沢に作られたアニメ。それだけにファンの要求も高度な事は十分承知の上で。なかなか美味しくいただけました。ピエール・エルメのマカロンとルピシアのアッサム・カルカッタオークション(ナンジャタウンの「セバスチャン・ティールーム」で使用された紅茶)をお供に鑑賞。

CAST
セバスチャン・ミカエリス 小野大輔
シエル・ファントムハイヴ 坂本真綾
フィニアン 梶裕貴
メイリン 加藤英美里
バルドロイ 東地宏樹
タナカ 藤村俊二
エリザベス・ミッドフォード 田村ゆかり
劉 遊佐浩二
藍猫 矢作紗友里
ドルイット子爵 鈴木達央
フレッド・アバーライン、エドワード・アバーライン 菅沼久義
葬儀屋(アンダーテイカー) 諏訪部順一
グレル・サトクリフ 福山潤
ウィリアム・T・スピアーズ 杉山紀彰
ロナルド・ノックス KENN
ソーマ・アスマン・カダール 立花慎之介
アグニ 安元洋貴
アンジェラ・ブラン 矢島晶子
アッシュ・ランダース 日野聡
アロイス・トランシー 水樹奈々
クロード・フォースタス 櫻井孝宏
ハンナ・アナフェローズ 平野綾
ジョーカー 宮野真守
ドール 高垣彩陽
ビースト 甲斐田裕子
ダガー 岡本信彦
スネーク 寺島拓篤
ピーター 秦勇気
ウェンディ 新谷真弓
先生 三上哲
チャールズ・グレイ 木村良平
チャールズ・フィップス 前野智昭

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