名探偵ポワロ 死者のあやまち Dead Man's Folly 感想

ブランド巡査部長が15年後に警部に出世してポワロの前に・・
公式HPよりあらすじ
推理作家オリヴァ夫人がかかわった余興の殺人推理ゲーム。しかしゲームのはずが、本当に殺人が起きてしまう。ポワロは旧友の推理作家オリヴァ夫人に呼び出され、田舎の豪邸ナス屋敷に到着する。1年前に屋敷を購入したスタッブス卿が翌日に祭りを開催することになっており、地元の人たちも招待されているという。祭りで行う殺人推理ゲームのシナリオを書いたオリヴァは、嫌な予感がするとポワロに告げる。ゲームで被害者を演じるのは地元の少女マーリーン。しかし祭り当日、オリヴァの不安が的中し、マーリーンが本当に殺されてしまう!

クリスティーらしい登場人物の多さ
地方の名家の没落と成金の台頭、古き英国の伝統と保守的で排他的な社会。今回も”外国人”として差別される場面に度々出くわすポワロですが、それが事件解決の重要な手がかりになっているのも、いつもの流れ。

オリヴァ夫人の定番の突飛な言動とファッション
夫人に翻弄されながらも、名家の屋敷の裏側にうごめく謎を追い続けるポワロ。それとなく種をまいて、犯人を追い詰めていく。一番怪しい人物が犯人ではないのもいつも通り。犯行の理由に見え隠れするのが大国の没落。それを”外国人”のポワロが暴いていく皮肉。
今回はその土地の名家の務めなのか、屋敷の広大な土地でお祭りが開かれるのが見物。これも「ノブレス・オブリージュ」の名残なのでしょうか。「貧乏人に税金を使われるのが気に食わない」と”自分達の国”を作ったアメリカ成金が持つ事はない矜持かも。
話はやや散漫ですが、そのような景色を楽しみつつ、息を切らして森をさ迷うポワロを愛でる回。

Agatha Christie's Poirot
原作:アガサ・クリスティー
製作:ブライアン・イーストマン他
製作総指揮:ニック・エリオット他
脚本:クライブ・エクストン、マイケル・ベイガー、アンソニー・ホロウィッツ他
監督:エドワード・ベネット、レニー・ライ他
音楽:クリストファー・ガニング
制作:カーニバル・フィルム、英LWT、グラナダ・プロダクション、米A&Eテレビジョンネットワーク、アガサクリスティーLtd.
エルキュール・ポワロ:デヴィッド・スーシェ 熊倉一雄
アーサー・ヘイスティングス大尉:ヒュー・フレイザー 富山敬→安原義人
ジェームス・ハロルド・ジャップ警部:フィリップ・ジャクソン 坂口芳貞
ミス・レモン:ポーリーン・モラン 翠準子
アリアドニ・オリヴァ夫人:ゾーイ・ワナメイカー 藤波京子→山本陽子

fc2が不調の際はお手数ですがTB用ミラーブログをご利用下さい