映画「ウォルト・ディズニーの約束」(BD)感想
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実に良い映画でした☆
邦画は宣伝の都合上、ディズニーを全面に押し出したタイトルになってしまったけれど、原題の「Saving Mr. Banks」で、当たり前ですが映画の主題のすべてが語られているのですよね。
「メリー・ポピンズ」の映画も原作も大好きな私
公開時に見逃してしまい、残念に思っていた映画
かの名作映画「メリー・ポピンズ」が出来るまでのディズニー側と原作者のトラヴァース夫人との抗争劇。現代のイケメンや美少女に人気声優あてとけば馬鹿が飛びつくだろう的なアニメの作り方に抵抗する原作者の心情もかくやと思わせる内容。それと並行してトラヴァース夫人の子供時代が語られ、メリー・ポピンズの成立の背景や、登場人物を「家族」と呼ぶ夫人の心情が描かれていきます。
酒浸りで無能で夢ばかり見ている父親
彼のおかげで、ギンティ(後にトラヴァース夫人と判明)を筆頭に乳飲み子を含めた3人の子供達を抱えて、快適な町の暮らしから一転、田舎の不自由な牧場生活をする破目になる妻。引越しの時も車も頼まず、ギンティとお気楽に歌いながら歩いていく(トラヴァース夫人が下らないと切り捨てたミュージカルのように)夫。赤ん坊を抱いて荷物を持って懸命に後を追う妻。夫はそんな妻の苦労を見ようともしない。疲れ果てた妻は自殺に追い込まれる。
職場でも失敗ばかり。とうとう酒で身体を壊し、それでも反省もなく娘に酒を持って来させるダメ人間のトラヴァーズ・ゴフ。演じるコリン・ファレルが実に良い。吹き替えは特徴ある声ですぐにわかる津田健次郎さん。冷静沈着な役が多い印象があるのでこういう役は珍しい。
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でも、どんなダメ人間でも、娘にとっては大好きなお父さん
メリー・ポピンズがやたら明るいだけの歌って踊る人物に成り下がってしまうのを阻止するのと同時に、父がモデルのバンクス氏が冷酷な人間と描かれるのを拒否する夫人。
ウンザリしながらも素敵な音楽を次々に生み出すシャーマン兄弟。
メリー・ポピンズの名曲の数々も映画を彩ります。
頑なな夫人も、運転手のラルフとのやりとりや、シャーマン兄弟の音楽の素晴らしさに心を開いていくのですが・・・

ウォルトを完全な善人には描いていないのも面白い。抜け目なく商売っ気もたっぷり。夫人の意志を尊重するそぶりで契約をとりつけたのに、お金のために大切な”ネズミ”を売らねばならなかった経験を持つウォルトは夫人の心情に共感も覚えつつも、結局は”商品”として成功させるために、夫人の大嫌いなアニメ入りのミュージカルにしてしまう。そして完成した映画を見せたら面倒な事になりそうだと、夫人を完成披露に呼ばなかったり。逆にウォルトの人間味が出て好感が持てたのですが、良くディズニー側がOKしたなと。トム・ハンクスがなりきってます。そのままミッキーと手をつないで銅像になっても違和感がない位です。
救いのある終わり方です。誰を救うのかは・・それが原題の意味なのですよ。文句を言いながらも映画を見ながら涙を流す夫人を見ていると、こちらも泣けて来ましたよ。人生の終わりに幸せがあるなら、辛かった過去も許せるようになれるのかも知れないと。

昔のミッキー、ぬいぐるみもディズニーランドも、ちょっとレトロな雰囲気
TDR大好きの私にはたまりません!!完成披露会の慣れない雰囲気に戸惑うトラヴァース夫人にさりげなく腕を貸してエスコートするミッキーがいいんですよ、また(´∀`)撮影はアナハイムで行われたらしいのですが、今のミッキーではないのですよね。昔のデザインのミッキーなのが芸が細かいななどと思ったり。ホテルの部屋に歓迎のしるしに大量に置かれたディズニーのキャラクターのぬいぐるみを「私がいくつだと思っているの!」と怒り心頭にクローゼットに押し込めた夫人が、寂しい時に巨大なミッキーのぬいぐるみを思わず抱きしめてしまうのを「うんうん、わかるよ」と思ったり、そんな楽しみもある映画でした。
さあ、気分が盛り上がった所で、来週は舞浜に行って来ますよ( *~∇~)ノ

Saving Mr. Banks
監督 ジョン・リー・ハンコック
脚本 ケリー・マーセル(英語版)スー・スミス
製作 アリソン・オーウェン(英語版)イアン・コリー フィリップ・ステュアー
製作総指揮 クリスティーン・ランガン トロイ・ラム アンドリュー・メイソン ポール・トライビッツ
製作会社 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ BBCフィルムズ エッセンシャル・メディア(英語版) Ruby Films Hopscotch Features
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ
P.L.トラヴァース エマ・トンプソン 塩田朋子
ウォルト・ディズニー トム・ハンクス 安原義人
ラルフ ポール・ジアマッティ 石住昭彦 リムジン運転手
トラヴァース・ゴフ コリン・ファレル 津田健次郎
リチャード・シャーマン ジェイソン・シュワルツマン 小森創介 作詞家
ロバート・シャーマン B・J・ノヴァク 下崎紘史 作曲家 リチャードの兄
ドン・ダグラディ ブラッドリー・ウィットフォード 根本泰彦 脚本家
マーガレット・ゴフ ルース・ウィルソン 高橋理恵子 トラヴァースの母親
ドリー メラニー・パクソン ウォルトの秘書
ギンティ(ヘレン・ゴフ) アニー・ローズ・バックリー大室佳奈 トラヴァースの幼少期
ジュリー・アンドリュース ヴィクトリア・サマー メリー・ポピンズ役の女優
ディック・ヴァン・ダイク クリストファー・カイアー バート役の俳優
トミー キャシー・ベイカー 社長室長
エリーおばさん レイチェル・グリフィス 相沢恵子 マーガレットの姉
リリアン・ディズニー デンドリー・テイラー ウォルトの妻
秘書のドリーのむっちり目の体型と白雪姫を思わせる衣装も良い感じでした!

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