名探偵ポワロ ヘラクレスの難業 The Labours of Hercules 感想

エルキュールとはヘラクレスのフランス語読み
小男のポワロが強靭な大男の名を持つというクリスティーの皮肉
公式HPよりあらすじ
ポワロは冷酷な国際的窃盗犯マラスコーを捕まえるおとり捜査に参加。だが計画は失敗し、若い娘が餌食になる。3か月後、自責の念に駆られ仕事復帰できずにいたポワロは、偶然出会った青年の消えた恋人を見つける約束をする。彼女は有名バレリーナのメイドで、主人の療養でスイスに連れていかれたという。ポワロが向かったアルプス山中のホテルでは、なんとマラスコーを捕まえる国際的な捜査網が敷かれていた。
次々に盗まれるヘラクレスの難業を描いた絵画が盗まれる事件。マラスコーをおびき寄せるためのに開かれた華やかなパーティ。マラスコーに出し抜かれたポワロ。絵画は盗まれ、女性が殺害された。
自信を失ったポワロは無為の日々を過ごしていた。そんな時、運転手ウィリアムズから恋人のニータの失踪を告白される。彼女は高名なバレリーナのカトリーナ・サムシェンカのメイドだった。ポワロは自分の誇りを取り戻すために、ニータを
見つけるとウィリアムズに約束する。

手がかりを追ってスイスへ向かうポワロ
何とそこはマラスコー逮捕のために敷かれたICPCの大掛かりな捜査網のど真ん中だった!!顔見知りのレメントイ警視はポワロに協力を求める。思わぬ成り行きに当惑するポワロ。
山頂のホテルへ向かうケーブルカーで「二重の手がかり」に登場したロサコフ伯爵夫人とすれ違う。伯爵夫人はホテルに戻って来る。娘のアリス・カニンガムと共に。アリスは探偵だという。

スイスの絶景のホテルが舞台
隠し子騒動のスキャンダルで逃げて来たハロルド・ウェアリング、バレリーナのカトリーナ・サムシェンカ、バレリーナの主治医のルッツ、怪しげなクレイトン夫婦、虐待される妻エルシー、エルシーの母。ケーブルカーが雪崩で不通、閉鎖的な空間で繰り広げられる群像劇。ポワロは、人々を観察しつつ、真相を追っていく。
下界と連絡がとれない事でドゥルエ警部は苛立ち、ポワロの部屋に忍び込んで指示を仰ごうとする。これしきの事で浮き足立つとは、何とも頼りない警部です。すでにマラスコーはホテルにいるとポワロは確信する。
殺人が起きる。エルシーが反撃して夫を殺してしまう。(何故か室内の灯りはつかない)エルシーの母ライスは遺体を窓から投げ捨てたと話す。ウェアリングはエルシーを助けるために従業員に口止めし、自分が犯人だとポワロにいう。

ポワロの灰色の脳細胞は騙されない。
ポワロはウェアリングのスキャンダルは嘘で、外務大臣の身代わりになったと看破、今回もウェアリングが身代わりになったのだと見破り、自身の名誉を回復するようにいうが。
ポワロが襲われた!!
ドゥルエ警部は偽者だった。偽者の警部はマラスコーを名乗って死んだ。彼はマラスコーの忠実なるしもべ。本物のドゥルエ警部は別にいた。
いつもながらの食堂に人を集めての謎解き。
奪われたヘラクレスを発見するエルキュール。ヴァン・ドリュイスの「ヒュドラ退治」、ヘラクレスの難業の一枚。ホテルの飾られた絵は盗品、上に別の絵を描いてあった。「酷い絵」ばかりだと評したロサコフ伯爵夫人の審美眼は本物だった。
事件の解決は、3ヶ月前の事件の解決でもああり
そして、ポワロと愛する人との決別でもあった。
純朴な青年ウィリアムズと恋人の再会がささやかなポワロの救い。
道具立ても役者も定番。閉鎖的な空間、訳ありの人々、そこで起きる事件、一同の前でのポワロの謎解き。セオリー通りに進む中、スイスの絶景がポワロの謎解きを引き立てる。

以前と同じ人ではないですよね?うーん・・ポワロの永遠の人ですよ?女優さん、もう少し品のある方が良かったです。吹き替えの声も、もっとノーブルさが欲しかったかな。傲慢うぬぼれアメリカ女役に多い声ですよね。

Agatha Christie's Poirot
原作:アガサ・クリスティー
製作:ブライアン・イーストマン他
製作総指揮:ニック・エリオット他
脚本:クライブ・エクストン、マイケル・ベイガー、アンソニー・ホロウィッツ他
監督:エドワード・ベネット、レニー・ライ他
音楽:クリストファー・ガニング
制作:カーニバル・フィルム、英LWT、グラナダ・プロダクション、米A&Eテレビジョンネットワーク、アガサクリスティーLtd.
エルキュール・ポワロ:デヴィッド・スーシェ 熊倉一雄
アーサー・ヘイスティングス大尉:ヒュー・フレイザー 富山敬→安原義人
ジェームス・ハロルド・ジャップ警部:フィリップ・ジャクソン 坂口芳貞
ミス・レモン:ポーリーン・モラン 翠準子
アリアドニ・オリヴァ夫人:ゾーイ・ワナメイカー 藤波京子→山本陽子

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