fc2ブログ

映画「インターステラー」感想

☆もるがん☆

インターステラー

アーサー・C・クラークの未発表の小説が発見され、それをクリストファー・ノーランが映画化したと言われても驚かないレベルのSF映画。

壮大な計画は秘密裏に行われ、誰の手も届かない場所で、人間の未熟さや自己中心的な身勝手さや裏切りから頓挫しそうになる。だが主人公は何らかの方法を見つけ(或いは導かれて)人々は救われる。

古本屋で買った水色の背表紙のハヤカワ文庫にありそうな物語。悪い意味ではない。SFの古典的なセオリーを守りながら、新しい話に仕上げてある。モノリスを思わせるロボット、戦争の消えた未来、農夫がエンジニアよりも重要とされる時代、衰退していく科学技術と人類、瀕死の地球。宇宙船の内部が未来風のタッチパネルではなく、無骨なスイッチが並んでいるのがいい。長期間の航海にはアナログの方が信頼性がおける。それは人間も同じ事、ベテランの宇宙飛行士が必要とされる。

そして地球を救うという大義と、父と娘の絆が対比される。人はあまりにも大きな理由に共感するのは難しい。身近に理解出来るものがあってこそ感情移入出来る。それもセオリー。

はやぶさ2が打ち上げられる。

アポロ計画の停滞、物珍しさは失せ、宇宙への夢は飽きられた。足元を見るのに忙しい社会の中で、誰もが空を見上げる事など忘れてしまった。それでもあの空の向こうにある希望を捨てずにいた人々がいた。はやぶさの奇跡が、再び宇宙の広さを思い起こさせた。月に人類が到達した(映画の中では嘘だとされている。人々の思想を統制するために)頃に比べれば、ささやかなものではあろうが。

密かに継承され継続された技術が地球を救う。根本にそれがありながら、幽霊のエピソードが挟まれている。そこがSFなのだ。科学が万能と傲慢になるのではなく、科学では解決しかねる事象もあると。その曖昧な部分に物語が大きく発展する種がある。

数々の古典名作のSF小説をもう一度読み返したくなる映画。

Empire [UK] November 2014 (単号)

Interstellar

STAFF
監督 クリストファー・ノーラン
脚本 クリストファー・ノーラン ジョナサン・ノーラン
製作 エマ・トーマス  クリストファー・ノーラン リンダ・オブスト
製作総指揮 ジェイク・マイヤーズ  ジョーダン・ゴールドバーグ キップ・ソーン
音楽 ハンス・ジマー
撮影 ホイテ・ヴァン・ホイテマ
配給 パラマウント映画 ワーナー・ブラザーズ

CAST
クーパー マシュー・マコノヒー(小原雅人)
アメリア・ブランド アン・ハサウェイ(園崎未恵)
ロミリー  デヴィッド・ジャーシー(山岸治雄)
ドイル ウェス・ベントリー(小松史法)
TARSの声 ビル・アーウィン(多田野曜平)
CASEの声 ジョシュ・スチュワート(丸山壮史)
マン博士 マット・デイモン(土田大)

マーフィー(マーフ) ジェシカ・チャステイン(岡寛恵)
マーフ(幼少期) マッケンジー・フォイ(諸星すみれ)
マーフ(老年期) エレン・バースティン(沢田敏子)
ブランド教授 マイケル・ケイン(有本欽隆)
トム ケイシー・アフレック(加瀬康之)
トム(幼少期) ティモシー・シャラメ(上村祐翔)
ドナルド ジョン・リスゴー(福田信昭)
ロイス リーア・ケアンズ(鶏冠井美智子)
ゲティ トファー・グレイス(松本忍)
校長 デヴィッド・オイェロウォ(水内清光)
ウィリアムズ ウィリアム・ディヴェイン(小島敏彦)
管理者 エリス・ガベル(北田理道)
ハンリー先生 コレット・ウォルフ(合田絵利)


マシュー・マコノヒーがいい。宇宙飛行士の顔をしている。
マット・デイモンが何かやらかしそうな顔してるなと思ったらやらかしました。

星野之宣の漫画が読みたくなりました。
相対性理論が使われるのもノスタルジックな印象を強めているような。

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ
fc2が不調の際はお手数ですがTB用ミラーブログをご利用下さい
Posted by☆もるがん☆

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply

Trackbacks 22

Click to send a trackback(FC2 User)
この記事へのトラックバック
  •  劇場鑑賞「インターステラー」
  • 約束は、必ず守る… 詳細レビューはφ(.. ) http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201411220000/ 【楽天ブックスならいつでも送料無料】「インターステラー」オリジナル・サウンドトラック [ ハ...価格:2,592円(税込、送料込)
  • 2014.11.29 (Sat) 16:31 | 日々“是”精進! ver.F
この記事へのトラックバック
  •  インターステラー
  • 評価:★★★★☆【4.5点】(F)(F) アッと驚くサプライズ!!!まさかの大物俳優が(笑)
  • 2014.11.29 (Sat) 16:47 | 映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜
この記事へのトラックバック
  •  『インターステラー』 スピルバーグ版とのラストの違い
  •  【ネタバレ注意】  運動の第3法則: 前へ進むためには何かを後へ置いていかなければならない。  ラザロ計画――それはクリストファー・ノーラン監督の傑作『インターステラー』で描かれるプロジェクトの名前だ。そのネーミングには、複数の意味が込められているに違いない。  そんなにSFが好きなのか!  私は、地球からの脱出を図る計画の名がラザロ(Lazarus missions)...
  • 2014.11.29 (Sat) 17:34 | 映画のブログ
この記事へのトラックバック
  •  『インターステラー』 2014年11月21日 ワーナー試写室
  • 『インターステラー』 を試写会で鑑賞しました。 この映画は凄い!  緊張感を持続しながら見てしまう映画であった 【ストーリー】  近未来、地球規模の食糧難と環境変化によって人類の滅亡のカウントダウンが進んでいた。そんな状況で、あるミッションの遂行者に元エンジニアの男が大抜てきされる。そのミッションとは、宇宙で新たに発見された未開地へ旅立つというものだった。地球に残さねばならない家族と人類...
  • 2014.11.29 (Sat) 18:36 | 気ままな映画生活(適当なコメントですが、よければどうぞ!)
この記事へのトラックバック
  •  インターステラー / Interstellar
  • 『ダークナイト』『インセプション』のクリストファー・ノーラン監督の作品。 なるほど、そう来ましたか。一見、人類存亡の危機にあたり、人類が生き延びることが出来る惑星探査に行く・・・と言う話ですが、物語はそう簡単には行きません。って言うか、そう言う話なのか...
  • 2014.11.29 (Sat) 18:38 | 勝手に映画評
この記事へのトラックバック
  •  インターステラー  監督/クリストファー・ノーラン
  • 【出演】  マシュー・マコノヒー  アン・ハサウェイ  ジェシカ・チャステイン 【ストーリー】 近未来、地球規模の食糧難と環境変化によって人類の滅亡のカウントダウンが進んでいた。そんな状況で、あるミッションの遂行者に元エンジニアの男が大抜てきされる。そのミ...
  • 2014.11.29 (Sat) 20:15 | 西京極 紫の館
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  映画「インターステラー」@ワーナーブラザース試写室
  •  私は公開前日の「ハードワーカー」さん主催の試写会に招かれた。客席は通路に設置された補助席まで満席の大混雑だ。映画上映後には杉山すぴ豊(アメコミ系映画ライター)、原カントくん(博報堂ケトル)、恩納力(AOLニュース/ハードワーカーズ編集長)3氏による楽しいトークショーが行われた。
  • 2014.11.29 (Sat) 23:01 | 新・辛口映画館
この記事へのトラックバック
  •  インターステラー
  • インターステラー@ワーナーブラザース映画試写室
  • 2014.11.29 (Sat) 23:47 | あーうぃ だにぇっと
この記事へのトラックバック
  •  映画「インターステラー(字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし
  • 映画 『インターステラー(字幕版)』 (公式)を本日、劇場にて鑑賞。採点は ★★★★ ☆ (5点満点で4点)。100点満点なら90点にします。 ざっくりストーリー 近未来、地球規模の食糧難と環境変化で地球の寿命が終わろうとしていた。元エンジニアでパイロットのクーパー(マシュー・マコノヒー)は、人類存亡の危機を救うため、宇宙で新た...
  • 2014.11.30 (Sun) 02:07 | ディレクターの目線blog@FC2
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  [映画『インターステラー』を観た(寸評)]
  • ☆・・・私はノーラン監督を、あんまし高く評価していなかったのですが、 これは「十年に一本の傑作」でした。 ハードSFでありながら、愛の物語であり、一大エンターテイメントだった。 この作品を見る者は、 自分の今まで見て心を動かされた作品群・・・、その包...
  • 2014.11.30 (Sun) 10:11 | 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  インターステラー ★★★★
  • 『ダークナイト』シリーズや『インセプション』などのクリストファー・ノーラン監督が放つSFドラマ。食糧不足や環境の変化によって人類滅亡が迫る中、それを回避するミッションに挑む男の姿を見つめていく。主演を務める『ダラス・バイヤーズクラブ』などのマシュー・マコ...
  • 2014.11.30 (Sun) 14:04 | パピとママ映画のblog
この記事へのトラックバック
  •  インターステラー
  • 近未来の地球。 環境は加速度的に悪化し、植物の激減と食糧難で人類滅亡の時は確実なものとして迫っていた。 居住可能な新たな惑星を求め、元テストパイロットで農夫のクーパー(マシュー・マコノヒー)、生物学者のアメリア(アン・ハサウェイ)らは、宇宙の彼方へと過酷なミッションに挑むことになる。 クーパーは、息子トムと残って欲しいと泣きじゃくる娘マーフィー(マッケンジー・フォイ)に、必ず帰って...
  • 2014.11.30 (Sun) 15:45 | 心のままに映画の風景
この記事へのトラックバック
  •  インターステラー
  • 【INTERSTELLAR】 2014/11/22公開 アメリカ 169分監督:クリストファー・ノーラン出演:マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、エレン・バースティン、マイケル・ケイン、マッケンジー・フォイ、ティモシー・シャラメ、ジョン・リスゴー、デヴ...
  • 2014.11.30 (Sun) 22:58 | ★yukarinの映画鑑賞ぷらす日記★
この記事へのトラックバック
  •  インターステラー
  • 近未来の地球。 植物が疫病に侵されて食糧供給が打撃を受け、社会は文明から遠ざかっていた。 元テスト・パイロットでエンジニアだった中年男クーパーは、今はトウモロコシを育てる農夫。 しかし、地球の寿命が尽きかけていることを知らされたクーパーは、パイロットに復帰することに。 その任務は、人類の移住先を見つけることだった…。 SFアクション・アドベンチャー。
  • 2014.12.03 (Wed) 12:30 | 象のロケット
この記事へのトラックバック
  •  「インターステラー」みた。
  • 地球環境の変化から食糧難となり人類滅亡が迫った近未来を舞台に、家族とはじめとした人類の未来を守るため、外宇宙へと旅立った元宇宙飛行士でエンジニアだった男(父親)を描いた作品。宇宙移民モノは数あれど、ク
  • 2014.12.04 (Thu) 08:01 | たいむのひとりごと
この記事へのトラックバック
  •  インターステラー
  • 映画館で観ました。予告の印象よりはるかに面白いですね。観終った後、暫く興奮冷めやりませんでした。宇宙に親子の絆か〜と思ってたんですが、そんな甘いもんじゃありませんでした。宇宙空間体験と未知の惑星での出来事もド迫力に手に汗握ったけど、人間ドラマに涙してし...
  • 2014.12.04 (Thu) 22:24 | はるみのひとり言
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  インターステラー/INTERSTELLAR
  •  「ダークナイト」3部作、「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督最新作 インターステラーとは、惑星間移動を意味する。 著名な理論物理学者キップ・ソーンの理論を基に、宇宙のワームホー ルを利用して惑星間を旅する人類の限界を超越した冒険を描く...
  • 2014.12.29 (Mon) 23:31 | 我想一個人映画美的女人blog