クリミナル・マインド FBI行動分析課 season9 第19話 感想

被害者なのか、共犯者なのか。混乱した記憶の下に隠された真実。
第19話 記憶の稜線 The Edge of Winter
公式HPよりあらすじ
ある精神医療施設を訪れたモーガン。入院患者のダリアを連続殺人事件の証人として法廷に立たせるかどうかを判断する査定に来たのだ。医学生だったダリアは1年前にジョーという男性に誘拐監禁されて拷問を受け、殺される前に逃げ出したという過去を持っていた。BAUはジョーに強迫性障害の共犯者がいると推理していたが、なかなか特定できずにいた。記憶を取り戻したダリアは“コビー”という名を思い出すが……。
モーガンが証人の査定に赴く。
相手は監禁され辛くも逃げ延びたダリア。命は助かったものの、彼女は精神を病んでしまっていた。モーガンの誘導で当時の様子を思い出そうとするが・・・
ダリアはJJを拒否する。女性なら女性同士が良いだろうというわけでなく、別なジェンダー的な配慮もあるのかもしれないが、そこは事件に関わりがある金髪女性の存在がJJに重なるからという論法で描かれる。複雑なアメリカならでは事情があるのだろう。モーガンをメインに出来るし。
ストックホルム症候群という言葉が出る前に、この手のパターンとして被害者が加害者である場合が多いので、何となく冒頭で結末が見えてしまった。それでも捜査が進むに連れて深まる謎、増えていく矛盾、緊迫と残酷なシーンと、懸命にダリアの気持ちを解きほぐそうとするモーガンとの対比がいい。捜査チームとモーガンが異なる道をたどりながらひとつの答えに行き着く経緯、それがドラマの面白さ。
異常な犯罪者。拉致された被害者は生き延びるためにいいなりになるしかない。自分の意思を押し殺し、犯人の意のままになる奴隷となるしかない。そしてそんな自分を救うために、自分を正当化出来る道を求める。
愛し合っていたと彼女はいう。だが愛ではないと知っている。知っているが認めたくない。愛ならば何でも出来る、許される。彼のために人を殺しても正当化出来る。そう、すべては愛のためならば。
被害者は加害者、だが一番の被害者でもある。
もしあの日拉致されなかったら・・今でも平凡な人生の中にいられたのに。
答えのない空しさが後に残る。モーガンの表情にもそれがある。

Criminal Minds
アーロン・ホッチナー /トーマス・ギブソン 森田順平
デヴィッド・ロッシ /ジョー・マンテーニャ 小川真司→菅生隆之
デレク・モーガン /シェマー・ムーア 咲野俊介
Dr.スペンサー・リード /マシュー・グレイ・ギュブラー 森久保祥太郎
ジェニファー・ジャロウ(JJ) /A・J・クック 園崎未恵
ペネロープ・ガルシア /カーステン・ヴァングスネス 斉藤貴美子
アレックス・ブレイク /ジーン・トリプルホーン 安藤麻吹
エリン・ストラウス /ジェイン・アトキンソン 野沢由香里
エミリー・プレンティス /パジェット・ブリュースター 深見梨加
ウィリアム・ラモンテーン・ジュニア /ジョシュ・スチュワート 加瀬康之
エリザベス“ベス”クレモンズ /ベラミー・ヤング
アシュレイ・シーヴァー /レイチェル・ニコルズ 竹田まどか
ジョーダン・トッド /ミータ・ゴールディング 林真里花
エル・グリーナウェイ /ローラ・グラウディーニ 山像かおり
ジェイソン・ギデオン /マンディ・パティンキン 有本欽隆
マテオ”マット”クルーズ /イーサイ・モラレス 金光宣明

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