シアターコクーン「元禄港歌-千年の恋の森-」感想

元禄港歌-千年の恋の森-

初演から36年、シアターコクーン芸術監督・蜷川幸雄の傑作舞台

筋立ては明治座あたりに良くあるベタなメロドラマなのですが、それを演出と役者と伝統芸で見応えのある舞台に仕上げてあります。やはり芸の力は凄い。こういうものが”文化”ですよ。安易な人気取りや迎合や一部の搾取のために狂うじゃぱんしている人達には、永遠に理解不可能だろうけれど。

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辻村寿三郎さん操る人形が踊る幕開けだけでも、胸熱。

流れ人

劇中に使用されている美空ひばりさんの歌、圧倒的な歌唱力と吸引力が物凄い。今でもファンが多いのも頷けます。一気に昭和の香りがしてしまうのですが、単なる歌謡ショーに堕ちないのは、ベテラン勢や猿之助一門の芸が各所で楔となって舞台を支えているから。

フラグ立ちまくりで先が読めてしまうので、人生経験が浅い人には退屈かも知れない。セリフや仕草の端々に潜む想いを汲み取れないと。それと生身の人間の演ずるものの尊さを知ろうとしないと。

紅き花が落つるたび
恋は心に傷刻み

つかの間の行きずりのと
口では常に言いながら

秘めし想いは止められず
とわの旅路に憧れる

海の遠鳴り聴きながら人は流され風まかせ
開いた目にさえ見えぬのは浮世の闇の底深さ


・・・こんな感じでしょうかね。

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猿之助の瞽女、三味線も唄もいい

先日のスーパー歌舞伎のルフィと同一人物と思えません。歌舞伎役者は引き出しが多いねえ・・先代と縁の深かった藤間紫も演じたという役へのプレッシャーもあっただろうに。

段田安則さんお姫様抱っこ凄い!!!
宮沢りえが軽いとしても!!


役者は舞台の上では幾らでも嘘がつける。TVや映画と大きく違うのはそこ。一期一会だからこその嘘。それを最大限に利用出来るかどうか。段田さん、二枚目過ぎる訳ありの大店の跡取りを好演。

宮沢りえ、綺麗。頬のあたりの陰りが薄幸の美女に似合って。

スーパー歌舞伎で存在感ある演技の猿弥さん、舞台には必須の役者さんのひとり。芝居はこういう人がいないとね。文学座の大ベテランの新橋耐子さんの演じる妻の矜持と心の闇が悲劇に深みを与えています。鈴木杏ちゃんは子役から見ているけれどこういう路線になったのね。猿之助つながりか市瀬秀和君を見られたのもうれしい。



Bunkamuraシアターコクーン「元禄港歌-千年の恋の森-」

作:秋元松代 演出:蜷川幸雄

糸栄:市川猿之助
初音:宮沢りえ
万次郎:高橋一生
歌春:鈴木杏
信助:段田安則
筑前屋主人:市川猿弥
お浜:新橋耐子



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Tags: 演劇

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