映画「64-ロクヨン- 前編」感想

この国にも、まだ”映画”を作れる力が、残っていた?
カメラの廻し方からして、TVではなくて映画なのですよね。2Dでも遠近が感じられる。スクリーンの隅々まで気を使った絵作り。無暗矢鱈な台詞で説明するのではなく、絵に語らせる。紙芝居ではなく、映画なのですよ。
そういう事もわざわざ言わないとならない程、低質の酷い映画モドキが蔓延する邦画。そんな邦画に期待しなくなった私でも「これは」と思ったのですから。現状の映画界への痛烈な皮肉でもあり、反抗の狼煙でもあるのでは・・そんな風にすら感じましたよ。本気で映画にたずさわる人間なら誰だって、良い映画が作りたい、それが本音ですよね。上から何を言われようと、自分の利益第一の人間にかき回されようと。
後編を観ないと本当の評価は出来ないとはいえ。
役者の力量を引き出すのも、作り手の手腕ありき。それを感じましたよ。佐藤浩市さんはじめ、役者としてどうかなと思っていた人々まで、存在感を出して来る。これは地味に凄い。登場人物は多いけれど、三上中心に描かれる脚本がいいから、気にならない。
昭和64年と平成14年の対比も良く作りこんである。
ひとつの山を越えた所で、次の事件発生。その事件と14年前の事件とが繋がって・・結末まで、どう持っていくのか、気になって仕方ない。後半は来月、観に行きますよ!!!!
STAFF
監督 瀬々敬久
脚本 久松真一 瀬々敬久
配給 東宝
原作 横山秀夫「64(ロクヨン)」(文春文庫刊)
音楽 村松崇継
主題歌 小田和正「風は止んだ」
企画協力 文藝春秋
CAST
三上 義信 佐藤浩市
諏訪 綾野剛
美雲 榮倉奈々
三上 美那子 夏川結衣
目崎 正人 緒形直人
日吉 浩一郎 窪田正孝
手嶋 坂口健太郎
柿沼 筒井道隆
村串 みずき 鶴田真由
望月 赤井英和
漆原 菅田俊
蔵前 金井勇太
御倉 小澤征悦
石井 菅原大吉
落合 柄本佑
三上 あゆみ 芳根京子
日吉 雅恵 烏丸せつこ
辻内 欣司 椎名桔平
赤間 滝藤賢一
荒木田 奥田瑛二
二渡 真治 仲村トオル
幸田 一樹 吉岡秀隆
秋川 瑛太
雨宮 芳男 永瀬正敏
松岡 勝俊 三浦友和
雨宮 敏子 小橋めぐみ
滝藤賢一さんの下劣なエリート、上手い。地位的にはエリートでも人間性では底辺の人間、こういう下種な役が上手い役者さんですよね。綾野剛も単なる二枚目ではなく、広報という事でちょっと「空飛ぶ広報室」を思い出してしまいましたが。あの時よりいいな。吉岡秀隆さん、流れの中で焦点のひとつになる役どころ、程好い塩梅。三浦友和さん、良い貫禄。
「シン・ゴジラ」の予告、やはり電線にこだわりを感じました。

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