映画「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」感想

王女のお忍びの冒険というと「ローマの休日」を思い出してしまうけれど。あれよりもロマンスの度合いは薄く、初めての外出で浮き立つ王女の心と、国民とのふれあいの中で女王の自覚に目覚めて行く(同時に夢と決別していく)姿を、飽きさせないテンポの良さで見せてくれる映画。
パブのラジオから流れる国王の演説にケチをつけ、他の客に追い出されてしまった空軍兵のジャック。彼を最後に国王夫妻との朝食のテーブルにつかせるのも、彼女なりの臣民への思いなのですよね。それに理解を示すジョージ6世もさすが国王。
凄い勢いで楽しそうに車を運転するエリザベス王女。女王陛下が運転がお好きだというエピソードを生かした演出なのでしょう。
こういう物語は、王女と庶民の感覚のギャップが面白さをかもしだすものが多いのですがやりすぎると鼻につく。そのあたりをエリザベスとマーガレットの二人の王女に役割を割り振る事で、上手く品良くまとめた印象。
ノーブルな印象と年頃の女の子の可愛さの折り合いも良い感じ。
酒と女に捕まって、王女達を見失ってしまう護衛の兵士二人が面白い。処刑覚悟の彼らの破れかぶれの行動もユーモラス。その傍流を本流に絡ませるやり方も上手い。物分かりの良い侍従も、らしくていい。
1945年5月8日、ヨーロッパ戦勝記念日に沸き立つ街の描写も見応えがあります。
エリザベス王女のサラ・ガドン、見た事あるなと思ったら、デヴィッド・クローネンバーグ監督の作品で見かけた女優さん。ベル・パウリーのマーガレット王女の奔放さとのコントラストも良い感じ。国王の威厳の中に年頃の娘を持つ父親の心情をそれとなく感じさせるルパート・エヴァレットも好演。
ジャック役のジャック・レイナー、「トランスフォーマー ロストエイジ」の娘の恋人役の人。今回も父親ににらまれる役wwこの彼の抱えた戦争で挫折した兵士の心境については、どうしても王女中心に話が動くのでやや伝わりにくかったかな。

英国王室の映画を観た後、スペイン王室御用達のお店でパンを買うのも一興かなw
A ROYAL NIGHT OUT
監督 ジュリアン・ジャロルド
エリザベス王女 サラ・ガドン
マーガレット王女 ベル・パウリー
国王ジョージ6世 ルパート・エヴェレット
王妃エリザベス エミリー・ワトソン
ジャック ジャック・レイナー
パリの並木道をお散歩して、カフェでのんびりクリーム入りココアを飲みたい、それが夢・・王女も普通の女の子なのですよね。

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