ミュシャ展

国立新美術館開館10周年・チェコ文化年事業ミュシャ展へ行って来ました。

六本木の国立新美術館は大行列。入場まで1時間ほど。平日でこれなので、土日はさらに待ちそうです。ちなみにグッズ売り場だけはチケットなしでも出入りが出来ます。

今回の目玉は「スラヴ叙事詩(1912-26年)」
50歳で故郷に戻り、晩年の約16年間を捧げた画家渾身の作品。およそ縦6メートル、横8メートルに及ぶ巨大なカンヴァスに描かれた20点の油彩画は、古代から近代に至るスラヴ民族の苦難と栄光の歴史を映し出す壮大なスペクタクル。チェコ国外では世界で初めて全20点まとめて公開とあって、世間の関心も高いようです。

ここは撮影可能なコーナー。この混雑具合を見ても、人気の程がわかるというもの。
ミュシャというと、この手のポスターやデザインなどが有名。
今回も有名なポスター類も展示されています。けれどもリトグラフを見るのに時間を割くよりも、壮大な叙事詩を少しでも長く眺めたい。見ているとミュシャ(ミュシャはフランス語読み、チェコ語ではムハ)の影響を受けた人々の絵も思い浮かぶ。商業デザイナーやイラストレーターの走りでもあった事を思えば、その影響の大きさは今日まで続いていると言って良いでしょう。

ポスター等は輪郭を強調した絵ですが、油絵はむしろ人物と風景は互いに溶け込もうとするかのように同質の色彩の中に描かれています。人と風土と歴史は離れがたく結びついているのだと言うがごとくに。
彼の故郷のモラヴィアを含むスラヴの激動の歴史。異国で名声を得ても、彼の心はいつも故郷への愛と誇りに満ちていたのでしょう。ナチの拷問が原因で亡くなったのも、その愛国心ゆえ。そして独立した故郷は共産政権だったために、彼は無視された。ですが政治や社会が彼を抹殺しようとしても、彼の絵を人々は忘れず、ここに彼の思いに満ちた壮大な絵の数々は残っているわけで。
もっとゆっくりと絵を見たかったけれど。

この人の波では・・・絵に近づくのも容易でありません。嗚呼、遥かなる聖ワシリー聖堂。

赤の広場の本物の聖ワシリー聖堂。ここもまた大いなる歴史の舞台に何度もなった場所。

図録も購入。会場で見られなかった分、ゆっくりと見直します。

国立新美術館開館10周年・チェコ文化年事業ミュシャ展
会期 2017年3月8日(水)ー 6月5日(月)
会場 国立新美術館 企画展示室2E

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