映画「関ケ原」感想

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)


平岳大の島左近が素晴らしい!!

映画の中ではあまり説明はされないので、ざっと当時の歴史などを頭に入れてから見た方が理解しやすい映画。武将やら側近も大勢登場、いちいち覚えていられないけれど、とりあえず三成と家康の動向と、邦画の悪しき定番のアイドル忍者の女の子でも追いかけていればOK。

ここはメリジュリゴリゴリ押しジャニタレ岡田准一が一番に褒められないとジュりが不機嫌になるだろうけど、こっちは見る側、作る側のドロドロなんてどーでもいい。でもそんな汚濁の中にあっても、岡田准一自身は努力の人なのだろう事は伝わって来る。低い身長を補う身体能力の高さなど。

どんなにゴリ押しをしても虎の威を借りても、中身も才能もない人間はその時だけの命。諸大名が三成を見限って、次第に疎遠になったように。気づかぬは本人のみ、自分の命令は聞いてもらえるのが当然と信じ込んでいる。秀吉の威光が失せてしまえば、誰も三成の存在など気にしないのに。

「ID4」の頃のアメリカは世界を救う矜持を確かに持っていただろうけれど、現在ではロシアと中国に骨抜きにされ、罵詈雑言と暴言の下品な大統領に振り回されているのを見ると、判断力を失った晩年の秀吉の時代に似ている気がする。家康がプーチン的な笑顔ですり寄り、中国のごとく儲け話をちらつかせて懐柔を計っている。その時に青臭い正義など振り回すだけでは、最初からダメダメなのは明白。「ぼくのかんがえたせいぎ」は、他人には通用しないのに。島左近もやんわりと諭すけれど、聞く耳を持たない三成。

それと物語の進行中で不思議なのは、淀殿と秀頼がほとんど登場しない事。彼らの意志も確かめず、三成ひとりが暴走したイメージを作ったのだろうけれど。あまりに不自然で気になった。ねねは登場するのに。小早川秀秋の裏切りではなく部下が勝手に西軍を攻撃してしまったというのも、本人が部下に良いように操られるだけの二代目ボンボン社長的な描き方。

平岳大の存在感。

父は名優平幹二朗、母は佐久間良子。今では両親の事を知らない人の方が多いだろうけれど。魅了されるのは本人の実力だとはいえ、やはり血は争えないな。

原田眞人監督は含みがあり過ぎる言動が好きではないし、この映画も面白いかと言われると微妙。けれどもこれだけの手間暇とお金をかけて作られた時代劇は評価したい。TVでは、NHK以外ほぼ全滅してしまったものね。司馬遼太郎が生きていたらどう言うかは知りたい所。


STAFF
監督 原田眞人
脚本 原田眞人
原作 司馬遼太郎「関ヶ原」
製作 市川南 佐野真之
製作総指揮 上田太地 豊島雅郎
音楽 富貴晴美
撮影 柴主高秀
編集 原田遊人
制作会社 東宝映画 ジャンゴフィルム
製作会社 「関ヶ原」製作委員会
配給 東宝 アスミック・エース

CAST
石田三成:岡田准一
初芽:有村架純
島左近:平岳大
小早川秀秋:東出昌大
徳川家康:役所広司
井伊直政:北村有起哉
蛇白:伊藤歩
赤耳:中嶋しゅう
福島正則:音尾琢真
加藤清正:松角洋平
黒田長政:和田正人
北政所:キムラ緑子
豊臣秀吉:滝藤賢一
大谷刑部:大場泰正
花野:中越典子
妙善尼:壇蜜
前田利家:西岡徳馬
直江兼続:松山ケンイチ
島津惟新入道:麿赤児
本多正信:久保酎吉
安国寺恵瓊:春海四方
八十島助左衛門:堀部圭亮
島津豊久:三浦誠己
長寿院盛淳:たかお鷹
中馬大蔵:松島圭二郎
柏木源藤:原田遊人
毛谷主水:橋本じゅん
島信勝:山村憲之介
銀亀:宮本裕子
柳生宗矩:永岡佑
柳生宗厳:辻萬長
淀殿:和田菜々
宇喜多秀家:生島翔
増田長盛:中村育二
上杉景勝:辻本晃良
本多忠勝:天乃大介
松平忠吉:吉村界人
細川忠興:関口晴雄



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