スーパー歌舞伎II ワンピース(再演)感想 (2017)

この作品について、言いたい事のほとんどは前回で書いてしまったので・・どうかこちらをご覧下さい。
スーパー歌舞伎II「ワンピース」感想
それ以外に再演で気がついた事など。


劇場の看板になっていたり、グッズに使用されている絵は初演と同じもの。

上演前に飾られている人形も麦わらの一味を織り込んだ定式幕も同じ。この人形、同じポーズをして記念写真を撮る人が多くて微笑ましい。

場内の各所にあった猿之助さんの直筆のメッセージの複製
猿之助さんの左腕骨折というアクシデントで尾上右近さんの代役となった芝居。中止にならなかっただけ良かったとも思うのですよ。今回は張り込んで良い席を取ってしまったのが悔しくないと言えば嘘になるけれど。尾上右近さんを盛り上げようと、他の皆さんの頑張りもあって、舞台そのものはとても楽しめる出来になっていました。回数を重ねた舞台の慣れ、それぞれに小芝居を挟んだりして。
賛否両論のファーファータイムのタンバリンにしても、ご高齢の男女も立ち上がって笑顔でタンバリンを叩くのを見ると、こういう場もサービスとしてあっても良いのかなと思います。それはクラブなどでぶいぶい踊るのに慣れた経験のある方はともかく、一般的には人前で身体を動かすという事は、とてもとても勇気がいる事で、それ以上にそんな機会はないに等しいのですもの。高齢者の方だけではなく、人生現役で真面目を絵に描いたような紳士が、不器用にタンバリンを手にして照れながらも満更でもない雰囲気なのをみるに。基本的にお祭り騒ぎはみんな大好きなのですよ。役者の皆さんも客席のお客様との触れあいの中で、何か感じるものもあると思うのです。

それにしてもスーパータンバリン、売り方がかなり必死www
舞台は映像頼りにシフト、舞台上の装置が減ったような。それもひとつの流れで、あのウルトラマンフェスティバルのライブステージもどんどん舞台上から道具が消えて映像の効果を使ったものばかりになったように。巡業を考えれば、機材を運ぶ手間を含めてそうなるのも必須でしょうが。
前回に比べて、様々なキャラの出番が増えたような。
そして消えていった場面もあって。
その取捨選択が、更なるグレードアップへの試行錯誤の末の事で、確かに、猿之助さんがいない舞台でも心躍らせる仕掛けが増えていたように思えます。でもやっぱり猿之助さんの台詞と間と所作があったら、もっと楽しかったかも知れないなと思う正直な私もいて。
何か何処か芝居の間というか、運びのメリハリが崩れて。それも大切な所、エースが刺される所とか、白ひげの最期とか、微妙な所で何か惜しいと思う所があって。台詞の緩急とか活舌とか声の質とか、それは色々とありましょうが、受け取りたいのに受け取れない、もどかしい時が何度かあって。
ケイミーちゃんの容器とかハンコックの刺青の見せ方とか、良くなった工夫は色々あるし、でも白ひげは皆を去らせて最後の力を振り絞ってのグラグラの実の能力で・・という展開が良かったなとか。だんだんと血に染まっていく右團次さんの姿は、スーパー歌舞伎を支えて来た太い柱である存在感も相まって、白ひげの大きさと悲壮さが伝わって来て良かったし。長老も若手も、誰もが猿之助さんのいないこの舞台を支える柱として精一杯頑張っている気持ちが本水の勢いに負けないほど舞台にあふれていたし。
或る意味、非常事態の舞台なのです。
異常事態といって良いのかな。
猿之助さんがいない舞台・・・・
巳之助さんのボンちゃんはパワーアップしてたし、サンジの中村隼人も良かったけれど、ボンちゃんとイナズマの本水も凄かった!前の方の席は水をかぶって大変だったと思うけれど、それも観劇の思い出になったかも。

7列目まではビニールシートが配布されていたけれど、実はもっと後ろまで水しぶきが来てましたよw

それと金色のリボンとか、紙吹雪とかあまりにも大量で、帰り道で髪についてるのを指摘されたり、鞄の底にたまっているのを発見したり。そんな小さな紙切れでも、舞台と客席を繋ぐ良い小道具になっていて。紙切れを見て、楽しかったなと思い、その思いが次も観ようという思いになっていくのですよね。
役が増えたまま、ずっと演じ続けなければならない役者さんの体力も心配です。それをフォローする周囲の方々もご苦労がおありでしょう。最後までご無事で演じられますように。

新橋演舞場「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」
平成29年10月6日(金)初日~11月25日(土)千穐楽
現行
ルフィ/ハンコック 尾上 右近
サディちゃん 坂東 新悟
マルコ 中村右團次
元々
ルフィ/ハンコック 市川 猿之助
白ひげ 市川 右團次
ゾロ/ボン・クレー/スクアード 坂東 巳之助
サンジ/イナズマ 中村 隼人
サディちゃん/マルコ 尾上 右近
ナミ/サンダーソニア 坂東 新悟
アバロ・ピサロ 市川 寿猿
チョッパー 市川 右近
はっちゃん/戦桃丸 市川 弘太郎
ベラドンナ 坂東 竹三郎
ニョン婆 市川 笑三郎
ジンベエ/黒ひげ(ティーチ) 市川 猿弥
ニコ・ロビン/マリーゴールド 市川 笑也
マゼラン 市川 男女蔵
つる 市川 門之助
エース/シャンクス 平 岳大
ブルック/赤犬サカズキ 嘉島 典俊
イワンコフ/センゴク 浅野 和之
前回はこちら↓
ルフィ/ハンコック/シャンクス 市川 猿之助
白ひげ 市川 右近(現右團次)
ゾロ/ボン・クレー/スクアード 坂東 巳之助
サンジ/イナズマ 中村 隼人
ナミ/サンダーソニア 市川 春猿
はっちゃん/戦桃丸 市川 弘太郎
アバロ・ピサロ 市川 寿猿
ベラドンナ 坂東 竹三郎
ニョン婆 市川 笑三郎
ジンベエ/黒ひげ(ティーチ) 市川 猿弥
ニコ・ロビン/マリーゴールド 市川 笑也
マゼラン 市川 男女蔵
つる 市川 門之助
エース 福士 誠治
ブルック/赤犬サカズキ 嘉島 典俊
レイリー/イワンコフ/センゴク 浅野 和之
右近さんは顎が気になる。平さんは殺陣は得意ではないのかな。エースは福士さんの方が好み、シャンクスは良いかも。平さんは漫画的な役より、先日の映画の島左近のようなオーソドックスな役の方が似合うのかも。それから紙吹雪まき散らした青雉の市瀬秀和さん、獄寺くん以前から密かに応援してるので、舞台でお見掛けするのが楽しみで。

十月公演限定ワンピース歌舞伎御膳
八寸
演舞場特製玉子焼き 海老と柑橘のマリネ 燻製秋刀魚と焼き茄子 福沙焼 ラムチョップ塩焼き 骨付き鶏唐揚げ
肉料理 牛たんとビーンズの柔らか煮
御造り 鯛、鮪
御飯 帆立の炊き込みご飯

吸い物 結び焼き鱧 三つ葉 松茸 柚子
雪月花でいただいたお弁当。これは前回の方が良かった!

骨付き肉もから揚げよりもソーセージの方が迫力あったし。まあ、新橋演舞場で骨付き肉など、観客の平均年齢を考えれば入れてくれるだけで恩の字という事はありますが。

予約ではないお弁当は即売り切れになっていました。

ワンピ公式グッズは2階での販売。色々ありました。

やはりスーパータンバリンでしょうか。

猿之助さんの応援に、猿之助さんおススメのお土産を買うのも良いかもしれません。

再々演して欲しい!
やっぱり猿之助さんで見たい!
つらつらと書き連ねて・・疲れ果てているので乱文、そのうちまた書き直すかも。「くい」のないように。

帰りは劇場のお向かいの「カフェ エリカ」でひと休み。宮本亜門さんのお父様が経営されているというお店。場所柄、観劇を終えた人、これから観る人が多そうでした。昔ながらの銀座らしい気さくな接客も心地良く。

ウィンナコーヒー、美味しゅうございました。

どーーーーーん!!

fc2が不調の際はお手数ですがTB用ミラーブログをご利用下さい