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帰ってきた二次元に愛をこめて☆

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映画「祈りの幕が下りる時」感想

祈りの幕が下りる時

「マザコンだからな」

ひとつの殺人事件が、失踪した加賀の母へと繋がった。二組の親子の長い悲劇の幕を下ろす真実とは・・?

「新参者」の集大成、加賀が日本橋に執着する理由、加賀の過去が明らかになるのはファンとして興味深いと同時に、これで終わりかと思うと寂しい気持ちで一杯に。沢山のピースをつなぎ合わせる過程も面白い。

母と息子、父と娘というのは、親子の中でも特別な絆があると思うのですよ。

加賀さんが父親を恨む理由、それは妻が苦しんでいるのに見ないふりをしてうつ病になるまで追い詰めた事。仕事を口実に、親戚にいじめられている妻を助けようとしなかった。有能な刑事ではあったけれど、人間としては屑ですよね。モラハラ、パラハラ満載。だから最期を看取った金森が何を言おうと、加賀さんが受け入れなかったのはわかる。最期に息子を見守りたいなどと善人ぶって言われても、長い年月で傷つけられ続けた心はそんなに簡単には納得出来ない。それでも親子なのですよね。加賀さんも死んだ親父を少しでも許す気になれたのは、母がまったくの孤独の内に死んでいったのではなかったと知ったからでしょう。

もう一組の親子の母親も最低だけれど、一番許せないのは加賀の父親。妻も守れずに市民を守った気になっていた正義面が笑えます。仕事にかまけて面倒事から逃げ続けた代償をもっと背負ってもいい位。最初から家庭を持つ資格がなかった人間。だから何も知らないくせに「本当はいい人」を連発する金森にはイラつく。加賀さんもそうだったのでしょう。

達者な子役で泣かせに来るけれど、受ける小日向文世さんの上手さあっての芝居。最低の妻のせいで追い詰められ、その先に起きた悲劇がすべてのはじまり。借金に追われた父と娘はここで生き別れになる。泣きながら「お父さん!」と叫ぶ娘をいったんは置き去りにして走り去ったものの、娘可愛さに引き返して男泣きに抱きしめるのがいいのですよね。

加賀が16年も日本橋から動かなかった理由、母と暮らしていた男を探すため。

松宮を通して加賀の輪郭を描いていくのは効果的な手法。最初に比べたら松宮も大人になったな。それでもまだまだ加賀さんには追い付けないけれど。DNA鑑定に関しての指摘など。それでも他の刑事が結論を急ぐあまりに切り捨てた事実から真実につながる証拠を見つけようとする姿勢は、加賀の父親に教わったというけれど、”恭さん”と過ごした時間に受けた影響も大きかったのではないでしょうか。

浅居博美の松嶋菜々子も悪くなかった。

悲惨な過去の境遇から有名演出家へとのぼりつめた彼女の努力は相当なもの。その影にあった犠牲もまた大きかったとはいえ。生き別れの親が愛した人の子同士、そこにある哀しい連帯感が彼女の悲劇の最後にわずかながらも救いになっていたと思うのですよ。彼女に引導を渡したのが加賀さんであった事が。単なる断罪ではなく、それに至る道筋を理解してくれた加賀さんだからこその。

日本橋、彦根、仙台など、映画ならではの景色の広がりも良かった。タイアップ的なものも鼻につくギリギリセーフで織り込まれていたし。琵琶湖と松宮の不安を重ねる絵も良かった。橋を巡る船でのお江戸巡りも。パトレイバーの実写では、川からの風景が腐敗して崩壊する社会の写し絵として使われていたけれど、こちらでは事実と真実を繋げる橋を探す旅になっていました。

また売り切れで買えなかった加賀さんw

これは「新参者」の伝統芸。加賀さんのコミカルな面が見られるのが楽しい。そういえば阿部寛がこの方面に目覚めたのは「発狂する唇」が大きかったのではないかと思うのですよ。

エンドロールには、これまでの事件で出会った人々が・・そして加賀さんが捜査一課に戻る事を告げられる。エンドロールは日本橋への、新参者への、別れの儀式。本当はいつまでも加賀さんを見ていたかった・・

良い映画でした。


祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)

STAFF
監督 福澤克雄
脚本 李正美
原作 東野圭吾
製作総指揮 那須田淳 平野隆
音楽 菅野祐悟
主題歌 JUJU「東京」
撮影 須田昌弘
編集 朝原正志
制作会社 マックロータス
製作会社 映画「祈りの幕が下りる時」製作委員会
配給 東宝

CAST
加賀恭一郎 阿部寛
浅居博美 松嶋菜々子
松宮脩平(加賀の従弟)溝端淳平 
金森登紀子 田中麗奈
浅居厚子 キムラ緑子
宮本康代 烏丸せつこ
大林(警視庁捜査一課刑事)春風亭昇太
浅居博美(20歳)飯豊まりえ
浅居博美(14歳)桜田ひより
苗村誠三 及川光博 
田島百合子 伊藤蘭
浅居忠雄 小日向文世
加賀隆正 山崎努


伊藤蘭は水谷豊といっしょでない時の方がいい演技するなぁ。

ミッチーは今ひとつでかわいそう。あんなに更ける理由も曖昧、それにクレジットカードを監視している奥さん、クリスチャンだそうだけれど、一見良い人に見せて性格が悪い宗教かぶれの典型の気配。苗村も息苦しかったのではないでしょうか。

明治座というと、先代の勘三郎を思い出す。舞台挨拶で「明治座の美味しいお弁当を食べて」と言った時の粋な語り口。確かに歌舞伎座より明治座の方が美味しかったものね、お弁当。その美味しさに色を添えたが勘三郎の口上でした。


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  •  劇場鑑賞「祈りの幕が下りる時」
  • 詳細レビューはφ(.. ) https://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201801270001/ 映画 祈りの幕が下りる時 オリジナル・サウンドトラック [ (オリジナル・サウンドトラック) ]
  • 2018.01.31 (Wed) 19:59 | 日々“是”精進! ver.F
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  •  祈りの幕が下りる時
  • 日本橋署に異動してきた新参者の刑事・加賀恭一郎の活躍を描く東野圭吾原作、阿部寛主演の“新参者”シリーズの劇場版第2弾にして“新参者”シリーズとしては完結編となるミステリー・ドラマ。同じ頃に発生した2つの殺人事件の捜査に乗り出した主人公・加賀恭一郎が、事件の真相に迫る中で自らの過去とも向き合っていくさまを、親子の絆を巡る人間ドラマを織り交ぜ描き出す。共演は溝端淳平、田中麗奈、山崎努らレギュラー...
  • 2018.01.31 (Wed) 20:35 | 映画に夢中
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  • 2018.02.01 (Thu) 08:22 | 気ままな映画生活 -適当なコメントですが、よければどうぞ!-