映画「クソ野郎と美しき世界」感想
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4本の短編からなるオムニバス映画。先の3話がそれぞれが主役の物語、ラストの1話はその3話まとめての大団円の形式になっている。3人の個性を生かした作り。

何故か寺山修司を思い出す。演劇風の要素が多いからだろうか。全体的には予算がたっぷりある学生の自主制作映画的な印象。泣いたりわめいたり、演技初心者が感情を爆発させるのに一番安易な手法を何度も使っているせいかも知れない。どれも半端に思えるが、それは構成上仕方ないのだろう。浅野忠信の存在感が作品を救っている。他にも個性ある役者が揃っており、商業映画として資金が潤沢であるとは言えないだろうに、邦画としてはなかなか上質で面白いものに仕上がっている。

映画 クソ野郎と美しき世界 オフィシャルブック (TJMOOK)

クソ野郎と美しき世界 THE BASTARD AND THE BEAUTIFUL WORLD.

EPISODE.01「ピアニストを撃つな!」

監督&脚本:園子温

大門(マッドドッグ):浅野忠信
ジョー:満島真之介
フジコ:馬場ふみか
でんでん
神楽坂恵
野崎萌香
冨手麻妙
スプツニ子!
稲垣吾郎

吾郎ちゃん、知的で柔らかな彼の持ち味がピアニストらしくて良かった。戦隊物の延長のような悪役陣のデザイン。今は2.5次元ミュージカルとかアニメの舞台とか増えたので、この手のファッションに違和感を持つ観客も少ないだろう。浅野忠信が支えた映画。満島真之介も悪くなかった。浅野忠信が演ずる異常な嗅覚が後の物語の伏線になっている。それと彼の手が。

EPISODE.02「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」

監督&脚本:山内ケンジ

歌喰い:中島セナ(新人)
古舘寛治
香取慎吾

アレを食べるのは気持ち悪い。キーヨは楽しかったけれど。全体的にリアルと物語の”香取慎吾”が二重写しになる構図。SMAP時代の歌を歌えなくなった現在の状況を、歌喰いに歌を食べられた状態に。揶揄なのか反骨なのか皮肉なのか、微妙だが。慎吾ちゃんの絵がいい。中島セナは「シン・ゴジラ」の市川実日子を思わせる。元おっかけの婦人警察官(?)も舞台で見たらもっと面白そうだった。

EPISODE.03「光へ、航る」

監督&脚本:太田光

裕子:尾野真千子
新井浩文
健太郎
オサム:草彅剛

3人の中でずば抜けて草彅くんの演技が上手い。「スペシャリスト」の続編が見たいな。亡き息子の右手が少女の腕に移植されたという設定に違和感があるが、少年の魂が不仲だった両親の和解をうながしたという良い話でまとめてある。

EPISODE.04「新しい詩(うた)」

監督&脚本:児玉裕一

クソ野郎★ALL STARS

白塗りの支配人の池田成志さんが怪しい。成志さんの舞台は何度も観た。歌も演技も好き。その贔屓目もあるけれど、良い締めくくり方だったと思う。

ここでも浅野忠信が仕事をしている。自分で命じておきながら、愛する女の愛する物を壊す事が出来ないなどとピュアな思いから自分が犠牲になってしまったり、嗅覚で草彅くんの事件を解決したり。真面目な演技もコミカルな演技も振り幅広く見せてくれた。

最後、誰もが良い顔をしているのがいい。

とにかく歌って踊る慎吾ちゃんがとても楽しそうで。特にファンでない私でも何となく「良かったね」と言いたくなるような明るい笑顔。吾郎ちゃんのやや高く優しい歌声と共に、あのグループの歌を作り上げていたのは、この二人の存在が大きかったのではと、今更ながら感じた。

72時間TVが面白かったので、この映画も観てみた。きっと彼らのファンなら、充足と満足と共に安堵感を得るのではないだろうか。

制作会社 ギークサイト
製作会社 新しい地図


「また逢う日まで」がなくても「ゴッドファーザーのテーマ」があるよ、キーヨ!!!


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Tag:映画

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