映画「リメンバー・ミー(吹替)」感想

毒家族に人生をつぶされかけた少年が救われる話。
もっとも本当の毒親はこんな風に簡単に改心はしない。
そこはディズニー、「家族は素晴らしい」で終わる。
音楽家を目指すミゲル少年を全否定する靴職人の一族、孤立感に苛まれながら子供ゆえの無力でどうする事も出来ないミゲル、そして事件は起き、死者の国に紛れ込むミゲル。ここでも”生きた子供”として忌み嫌われ、現世と同様の孤立感と言われない排斥にあうミゲル。だが・・

音楽がミゲルを救う。
舞台がメキシコというのも、商売上手のディズニーだから、メキシコ嫌いの大統領への当てつけでやったのではないだろう。多少は皮肉もあるのかも知れないが。アメリカにない、あるいは失われた家族愛と団結を描くのにふさわしい舞台として選んだのだろう。
日本のお盆のような風習。写真を飾られた死者は「死者の日」にあの世から戻って来られるという。そして誰もに忘れ去られた者は、死後の世界で第二の死を迎える。
ピクシーらしい綿密で丁寧に作られたアニメーション。一家のヒミツ、一族の長老のママ・ココ(原題がCocoの意味が解る)の父親の死の真実など、流れも脚本もいい。子供の集中力の限界を考えた、歌や音楽の使い方、場面転換のタイミングなど、さすが。
吹き替えにタレントも使っているが、ちゃんと歌えて芝居も出来る人選、ボロを出させない工夫もあり。そこがジブリやポケモンなどとの違い。もっともディズニーもマーベル系の実写だと下手くそパンダてんこ盛りでやらかす事はあるが。子供向けではクオリティを考えるのか、日本の側のスタッフにまだ良心があるのか。
エンドロールの日本版の「リメンバー・ミー」も賑やかに仕上がっていて良かった。マリアッチと呼ばれる人々の歌とギターをもっと聞きたくなる作品。
同時上映「アナと雪の女王/家族の思い出」
子供連れも多く賑やかだった場内。それがアナ雪が始まったとたん、ぐずっていた子供までもがぴたっと静かになってスクリーンに集中。さすがアナ雪。
Coco
STAFF
監督 リー・アンクリッチ
脚本 エイドリアン・モリーナ
製作 ダーラ・K・アンダーソン
製作総指揮 ジョン・ラセター
音楽 マイケル・ジアッチーノ
主題歌 シシド・カフカ feat. 東京スカパラダイスオーケストラ「リメンバー・ミー」(日本版エンドソング)
編集 スティーブ・ブルーム リー・アンクリッチ
製作会社 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ ピクサー・アニメーション・スタジオ
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
CAST
ミゲル・リヴェラ アンソニー・ゴンザレス 石橋陽彩
ヘクター ガエル・ガルシア・ベルナル 藤木直人
エルネスト・デラクルス ベンジャミン・ブラット 橋本さとし
ママ・イメルダ アラナ・ユーバック 松雪泰子
エレナ・リヴェラ レニー・ヴィクター 磯辺万沙子
エンリケ・リヴェラ ハイメ・カミーユ 横山だいすけ
パパ・フリオ アルフォンソ・アラウ 多田野曜平
オスカル/フェリペ ハーバート・シグエンサ 佐々木睦
事務官 ガブリエル・イグレシアス チョー
広場のマリアッチ/グスタヴォ ロンバルド・ボイヤー 坂口候一
ママ・ココ アナ・オフェリア・ムルギア 大方斐紗子
幼いココ リベルタ・ガルシア・フォンシ 中村優月
フリーダ・カーロ ナタリア・コルドバ=バックリー 渡辺直美
ロシータ セレーネ・ルナ 雨蘭咲木子
チチャロン エドワード・ジェームズ・オルモス 宝亀克寿
ルイサ・リヴェラ ソフィア・エスピノーサ 恒松あゆみ
出国係官 カーラ・メディナ 森千晃
ヴィクトリア ディアナ・オルテリ 冠野智美
ベルト・リヴェラ/ドン・イダルゴ ルイス・バルディーズ 西村太佑
司会者 ブランカ・アラセリ 魏涼子
セキュリティ サルバドール・レイエス 松田健一郎
矯正官 チーチ・マリン 丸山壮史
入国係官 オクタビオ・ソリス 佐々木啓夫
ファン・ハノキョーセー ジョン・ラッツェンバーガー 立木文彦
ロス・チャチャラコス女性メンバー シシド・カフカ
ロス・チャチャラコス男性メンバー 茂木欣一(東京スカパラダイスオーケストラ)
ダンテ フランク・ウェルカー

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- 詳細レビューはφ(.. ) https://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201803080001/ リメンバー・ミー オリジナル・サウンドトラック [ (V.A.) ]
- 2018.04.12 (Thu) 15:39 | 日々“是”精進! ver.F
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