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ミュージカル舞台「GRIEF7」感想

☆もるがん☆

g7

2.5次元ミュージカルの会社が作った舞台。
だが原作は漫画でもアニメでも映画でもないオリジナル。


手法はそのまま。芝居から歌への移行や立ち位置や所作など、テニミュあたりを髣髴とさせる。見やすいし分かりやすい。推しメンの一挙手一投足、セリフも歌も聞き漏らさじと熱心に舞台を見つめる女子達の熱気が凄い。

アメリカのとある監獄の話。

そこに収監された青年達のそれぞれの現在と過去が入れ替わりで登場する。そして彼らの影には共通の人物が・・・その運命の糸が絡み合う様子が徐々に見えて来る流れがいい。これは原作の良さなのか。何かが劇的に解決する類の話ではない。彼らの幾つかの瞬間を切り取って見せていく。過程だけがそこにある。実際に、人生はそういうものだ。初めも終わりも曖昧模糊として。そこで生きる、生きていくしかないのだ。属する世界という見えない檻の中で。

しかしどうして7なのだろう?

囚人は4人、それに看守、彼らに関わる男、彼らメインに登場するのは6人。チョイ役の2人を入れると8人。主要の6人の他に観客を7人目に見立てる趣向かとも思ったが、物語が7つあるという事らしい。

主人公は元日本の芸能人、操り人形の芸能生活に嫌気がさして事務所を辞めてアメリカへとやって来る。事務所の先輩も女性社長とのトラブルを起こし、グループを脱退してアメリカへ渡った。その女性社長に気に入られたとか気に入られないとか、何か何処かの事務所を思わせる。そこはグレーゾーン、何処かの事務所の関係者や元関係者が舞台に関わっているので、お目こぼしなのだろうか。もっとも抗議などしたら、逆にそれが事実だと認めるようなもの。そこまで愚かではないという事なのか。アメリカのアジア人差別の問題もやんわりソフト。

主人公リュウのカラムは日本人という設定なのに、韓国なまりで話す。仕方ないのだがたまに気になった。だが歌も踊りも抜群に上手い。これは人気があるのもうなずける。舞台を締めるのはエディ・フクダの米原幸佑。存在感も歌も芝居もいい。SHUNのラッパーらしい歌とダンスも良いアクセント。それ以外の面々からも頑張りが伝わって来る。最後まで好感の持てる舞台。

程好い大きさの俳優座劇場に程好い規模の芝居。


STAFF
演出 錦織 一清
脚本 三浦 香
音楽 金子隆博・ながしまみのり
原作 野村桔梗
企画 CLIE
製作 CLIE/TOKYO MX

CAST
リュウ カラム
グニョン 碕 理人
サム SHUN(Beat Buddy Boi)
ムラセ 三浦 海里
ライタ・カワイ 加藤 良輔
エディ・フクダ 米原 幸佑
Justcrew 今井 稜 矢内康洋


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