蔵座敷と新撰組と明治天皇

東北の玄関口の白河の駅から少し歩いた所にある、旧脇本陣柳家旅館建造物群蔵座敷。

2年半の修復を経て、最近公開されたようです。普通の町の中にポツンとあります。地元ではあまり関心がないというか、宣伝もされていないようです。そのあたりお役所仕事的な残念さ。

道路に面した入り口から入り、通路を進んでいくと、蔵の入り口が見えます。中へ入るのはその横にある出入口から。

入ってすぐに係員の方がいて、パンフレットをくれました。入場は無料。中は大きな座敷が三つ連なっています。その周囲に座敷廊下が取り囲む作り。

矢羽根天井。平面なのに立体的に見える不思議な天井。

押し入れの中にある隠し階段。用途は不明だとか。

一番奥の書院造の部屋が玉座の間。

明治天皇が東北巡幸の際にお泊りになった部屋。

綺麗に修復されています。玉座の間には、新撰組の斉藤一が泊まった記録も残されています。白河口の戦いの時、先の戦いで怪我をした土方に代わって新撰組106名を率いて来た時の事。その後、明治も14年になり、同じ部屋に明治天皇が宿泊するとは。歴史の皮肉というべきか、それこそが諸行無常というべきか。

壁には和紙が貼られています。

畳廊下。ここは寒い地方、板の間よりも温かい。

屋根の近くの梁が炭化しているのが見えます。これが何故、本陣ではなく脇本陣に天皇がお泊りになったのかの答え。市内に大火があり、本陣が被害を受けたため。この建物にも火が来たけれど、本陣ほどの被害ではなかった模様。

現在は市に寄付されたけれど、全部ではなく、この建物だけ。庭も以前はもっと広かったのでしょう。

屋根は蔵の上に置かれたような作り。

表にある明治天皇行幸の石碑、東郷平八郎の書。

同じ新撰組の遺跡として有名な壬生の八木邸に似た雰囲気と広さ。でも良くわからないオバサンの長話を聞かされたりしないし、見学は自由で写真も撮り放題。のんびりと過去の出来事に思いをはせるには良い場所。
れきしの町として観光に力を入れるなら、隣の空き地に小さなカフェでも作れば、休憩も出来て良いのに。他にも近くに歴史的な名所もあるし、そのあたりも・・・観光バスが入れない場所に作った道の駅のなりそこないみたいな場所も閑古鳥で閉店店舗ばかりだし、何処かのコンサル会社にでも市が騙されたような悲惨さ。もったいないな。

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