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映画「七つの会議」感想

☆もるがん☆

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野村萬斎が凄い。

メリハリが効いたと思うと繊細にもなる。八角という捉えにくい人物を実に良く作り上げている。言葉も仕草もすべて闊達で、どこまで底が知れないのだろうと思う。少し前に生の舞台を見た。その時も感じた鍛え上げられた伝統芸が根底にあって、その上に様々なものが構築されているのだ。土台が堅固な分、どんなに遊んでも揺らぐことはない。サラリーマンを現代の太郎冠者と思えば、狂言の世界にも通ずるものがある。

1本のねじが語る真実、ここでもねじは重要。

原作も監督もあの「半沢直樹」絡み、期待が大きくなって当たり前の映画。正直、半沢以外は微妙で心配もあったが。次々とテンポ良く進む場面、ミッチーも女子社員に引きずられる気弱な課長を好演、一気に不遇になる愛ちゃんもいい、他も達者揃い、予想よりも楽しめた。

でも何よりも野村萬斎。

黒いスーツのダメ社員というと「美味しんぼ」の山岡を思い出す。普段はぐーたら、いざとなったら有能というのも同じだ。ただしこちらの方は元々が有能社員、とある理由で出世争いからリタイヤしたという人物。離婚して子供の養育費を払っている。隠蔽工作を親会社に訴えるが、親会社自体も隠蔽に走る。それでも諦めずにデータの改ざんの事実を世間に公表する。ラストはかなりのご都合主義だが、とりあえず見ている方としては救いがあって良かった。所詮は会社人間で心の底では会社の正義を盲信していたり、あんな大事なデータのバックアップも取ってないとか、有能なわりには抜けてたりするのが納得出来ないけれどw

最後に八角(やすみ)が語る日本の会社の体質。隠蔽に関しては、海外のドラマでも良く題材になるように、日本独自のものではないだろう。ただ、休みも取れない、効率良い仕事は悪、だらだら残業した方が評価されるなどは日本の会社の悪癖というのはわかるが・・映画として、あの語りは必要だったのか疑問が残る。

黒い萬斎を見に、もう一度行っても良いと思える映画。

【映画パンフレット】七つの会議 監督 福澤克雄 キャスト 野村萬斎、香川照之、及川光博、片岡愛之助、音尾琢真、藤森慎吾、朝倉あき、岡田浩暉、木下ほうか、吉田羊、土屋太鳳、小泉孝太郎、

STAFF
監督 福澤克雄
脚本 丑尾健太郎 李正美
原作 池井戸潤『七つの会議』
音楽 服部隆之
主題歌 ボブ・ディラン「メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ」
制作会社 マックロータス
製作会社 「七つの会議」製作委員会
配給 東宝

CAST
八角民夫:野村萬斎
北川誠:香川照之
原島万二:及川光博
坂戸宣彦:片岡愛之助
三沢逸郎:音尾琢真
新田雄介 :藤森慎吾
浜本優衣:朝倉あき
佐野健一郎:岡田浩暉
田部:木下ほうか
淑子:吉田羊
三沢奈々子:土屋太鳳
奈倉翔平:小泉孝太郎
星野:溝端淳平
飯山高実:春風亭昇太
江木恒彦 :立川談春
加茂田久司:勝村政信
村西京助:世良公則
梨田元就:鹿賀丈史
宮野和広:橋爪功
徳山郁夫:北大路欣也


711

映画の中で登場するドーナツ。セブンイレブンとのコラボ。八角はチョコレート、北川はいちごでしたね。

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Posted by☆もるがん☆
映画

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  •  劇場鑑賞「七つの会議」
  • 詳細レビューはφ(.. ) https://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201902020000/ 映画「七つの会議」オリジナル・サウンドトラック [ (オリジナル・サウンドトラック) ]
  • 2019.02.07 (Thu) 06:50 | 日々“是”精進! ver.F
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  •  『七つの会議』 2019年1月23日 よみうりホール
  • 『七つの会議』 を試写会で鑑賞しました。 人のふり見て和が降りなおせ!(と認識しましたよ) 【ストーリー】  都内の中堅メーカー、東京建電の営業一課で係長を務めている八角民夫(野村萬斎)。最低限のノルマしかこなさず、会議も出席するだけという姿勢をトップセールスマンの課長・坂戸宣彦(片岡愛之助)から責められるが、意に介することなく気ままに過ごしていた。営業部長・北川誠(香川照之)による厳格...
  • 2019.02.07 (Thu) 08:32 | 気ままな映画生活 -適当なコメントですが、よければどうぞ!-
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  • 都内にある中堅メーカー東京建電で、パワハラ騒動が起こる。 加害者はトップセールスマンの課長・坂戸(さかど)で、被害者は年上の部下で万年係長の八角(やすみ)だった。 パワハラ委員会の不可解な裁定に社員たちが揺れる中、万年二番手に甘んじてきた原島が新課長に抜擢される。 だがそこには、ある秘密と闇が隠されていた…。 ミステリー。
  • 2019.02.07 (Thu) 21:57 | 象のロケット
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