映画「劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ」感想

アニメとは、声優とはこういうもの。
声と音と動く絵が作り上げる世界。
さすがに昔のギャグは辛いものはあったけれど、ストーリーの流れも良い意味で昔のままで、キャラも戦闘もメカ関連も作り込んでいるし、それに命を吹き込む”声”が本物。これが全部が良い意味で存在する。
神谷明さん、2枚目も3枚目も軽やかに演じる。そこにいるのは冴羽獠。かつてベテラン声優が言った「声を聴いた時に先にその人の顔や名前が浮かぶようでは駄目だ」と。そこにいるのはあくまでもそのキャラクターなのだ。それはアニメしかり、吹き替えしかり。
今はトークだ、ライブだなんだと、声の芸より付属の営業で稼ぐのが前提、肝心の声の仕事がおざなりか、パターンで終わっているのが多い。だからタレントや芸人が入って来るのだ、そこに差がないから。少し前なら宣伝のためですんだだろうが、もう本来の声優自体の技術がないのだ、素人との差が。声優の世間での認知度が上がったのと相対的に。
どんどん築き上げて来た技術がなくなってしまう事にベテランが嘆いて久しい。若い世代は”声優”という肩書だけが欲しくて、後は何でもありだ。声の芸がないから色気でも何でも売っても当たり前。それを良しとするファンが群がっているわけだ。そう、そういう売り方なのだから。
後戻りは出来ないだろうが、何か方法はないのかと思う人間もいるだろう。
そんな中で、神谷さんの声が、本来の声優の技を思い出させてくれる。一時期、活躍の場が少なかったのは、ジャニほどではないにしても青二をやめた忖度なのか、声優の賃金争いで貧乏くじを引いてしまったのか、噂は色々あるだろうが、この声をこのまま腐らせてしまうは勿体ない。そこらの技術もない忖度タレントまがいのアイドル声優を使うなら、もっとこういう”声優”の声が聴きたい。TVでも映画でも。色気は必要だ、だから若い男も女も需要がある。夢を見るのは人生に必要な事だ。でも・・
腐った耳ばかりが世の中にあるわけじゃないんだよ。
STAFF
原作 北条司
総監督 こだま兼嗣
脚本 加藤陽一
キャラクターデザイン 高橋久美子、菱沼義仁
メカニックデザイン 石垣純哉、植田大貴
音楽 岩崎琢
制作 サンライズ
配給 アニプレックス
CAST
冴羽 獠 神谷 明
槇村 香 伊倉一恵
進藤亜衣 飯豊まりえ
御国真司 山寺宏一
野上冴子 一龍斎春水
海坊主 玄田哲章
美樹 小山茉美
ヴィンス・イングラード 大塚芳忠
来生瞳・泪 戸田恵子
来生愛 坂本千夏
コニータ 徳井義実(チュートリアル)
泪役の藤田淑子さんがお亡くなりになって、戸田さんが二役、お疲れさまでした。

劇場公開記念 来場者特典 原作・北条 司描き下ろしイラストカード
こちらの2種類。気の利く劇場だと、二人で行くと2種類手元に行くように配慮してくれるようです。

fc2が不調の際はお手数ですがTB用ミラーブログをご利用下さい
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