映画「半世界」感想

幼馴染の三人の中年男が数年ぶりに再会する。そして始まり、続く物語。
元自衛官の長谷川博己の直線的な演技、地元の典型的あんちゃんの渋川清彦の丸みのある演技、そしてイケメン過ぎる炭焼きの稲垣吾郎がゆったりと漂いながら、友情の三角形を成している。
伊勢の海が見える町。この国の始まりにゆかりの海。
人との距離が近い、田舎の生活。近いのに遠い人生。家族も友人も近くて遠い。互いを理解するには、少し離れた視線が必要。家族なら家族の外にいる人の、仲間ならそれを俯瞰出来る人の。潤滑油となる触れ合いや会話。修復される関係、だが出来ない場合もある。誰にでも固有の世界があり、誰もがすべての世界を見る事は出来ない。そんな個々の世界の境界がほんの少しでも重なり合うなら、それは優しさになる。
唐突過ぎる展開だが、人の死はいきなりやって来る場合も多々ある。最初にあの二人で山を歩いていたのはこういう事だったのかと。
こういう長谷川博己が好き。吾郎さんは舞台向きなのだろうか。映像だと印象がやや軽い。でも遺影の笑顔がまぶしくて、それだけでも価値はある。いい顔になりましたね。
紘の弁当のご飯に桜でんぶで「バカ」と書いた初乃。「もうやるな」と言われ、初乃が「やらないわよ、面倒だもん」と答えた時に起きた場内の淑女達の笑い声。それは共感の笑い。彼女たちはきっとお弁当作りの経験者だと思いますよ。本当、毎日のお弁当作りって大変なんです。
タイトルで損をしている映画。良い映画なのに、意味が解らずに敬遠した層もあると思う。
Another World
STAFF
脚本・監督:阪本順治
製作総指揮:木下直哉
エグゼクティブプロデューサー:武部由実子
プロデューサー:椎井友紀子
音楽:安川午朗
音楽プロデューサー:津島玄一
撮影:儀間眞悟
照明:宗賢次郎
録音:藤本賢一
美術:原田満生
編集:普嶋信一
スクリプター:今村治子
装飾:石上淳一
衣装:岩﨑文男
ヘアメイク:宮崎智子
助監督:小野寺昭洋
製作担当:松田憲一良
擬斗:二家本辰巳
製作・配給:キノフィルムズ
製作:「半世界」FILM PARTNERS
CAST
高村紘:稲垣吾郎
沖山瑛介:長谷川博己
高村初乃:池脇千鶴
岩井光彦:渋川清彦
岩井麻里:竹内都子
高村明:杉田雷麟
奈月:菅原あき
藤吉郎:牧口元美
池田:信太昌之
津山:堀部圭亮
大谷吉晴:小野武彦
岩井為夫:石橋蓮司

ファミマで売られていた新しい地図のチーズケーキ「 CHI-ZU CAKE」。3種類のチーズを使ったコクのある味わい。コンビニと馬鹿に出来ないですよ。

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