映画「アリータ:バトル・エンジェル[IMAX3D・字幕]」感想

日本よ、これが実写化だ!
チープなコスプレにチーパッパ学芸会を恥ずかしく思え!ゴリ押しタレントありきの配役で質を落とす事前提では良い映画など出来はしない。最初から作る価値のないものを作るのは資源の無駄使いでしかない。
大まかなストーリーは原作通り。それを映画という見せ方に合わせるように再構成している。細かい設定が異なるのも、漫画と実写との作り方の差を思えば許容範囲。何よりも原作へのリスペクトがあるのがいい。観ているといたる所にそれが感じられる。クズ鉄町の様子、町を行きかう人々、その頭上に君臨する空中都市ザレム、迫力のモーターボール・・
アリータ(ガリィ)が違和感なく存在する世界
邦画に良くある「原作は知らない」と豪語する監督が「ぼくのかんがえたさいきょうのえいが」を作るような暴挙は微塵もない。あの「銃夢」の世界を如何にしてスクリーンに再現するか、ただ再現するのではなく如何に魅力的な映画にするか、実に良く考えられているのです。お金をかけたからという事ではないんですよ。いくらお金があっても使い方を間違えたら駄目なんです。
特にイドが私にはイメージ通り。
これはクリストフ・ワルツをキャスティングしたのも正解だし、彼自身がイドという人物を手元に引き寄せ、表面的なコスプレではなく、イドの内面も作り上げているから。
いやあ、実に満足度の高い映画。
実写化の贅沢なフルコースを味わった気分。それに比べて、残り物のお茶漬けみたいな、わびしい実写化ばかり量産される邦画の現状が辛い。
原作はこの後、色々とgdgdになっていくので、良い所で終わったなという印象。それでもガリィと仲間達には魅力があってずっと愛読していました。そういえば「銃夢」はデル・トロがキャメロンにその存在を教えたというのが本当だとしたら、良い話ではありませんか。
STAFF
監督 ロバート・ロドリゲス
製作 ジェームズ・キャメロン ジョン・ランドー
製作総指揮 デビッド・バルデス
原作 木城ゆきと「銃夢」
脚本 ジェームズ・キャメロン レータ・カログリディス ロバート・ロドリゲス
撮影 ビル・ポープ
編集 スティーブン・リフキン アイアン・シルバースタイン
音楽 トム・ホルケンボルフ
主題歌 デュア・リパ
CAST
アリータ ローサ・サラザール 上白石萌音
イド クリストフ・ワルツ 森川智之
チレン ジェニファー・コネリー
ベクター マハーシャラ・アリ 鶴岡聡
ヒューゴ キーアン・ジョンソン 島崎信長
ザパン エド・スクレイン 神谷浩史
グリュシュカ ジャッキー・アール・ヘイリー
ニシアナ エイザ・ゴンザレス
ところで・・・
有能な女ほどダメ男に引き寄せられるという原則は、ここでも当てはまりますね。アリータとヒューゴの事ですが。ベクターに騙されて、浅はかな部品泥棒を繰り返すヒューゴ。そしてアリータを陥れる手伝いまでしてしまう。その手の組織の下っ端が「ビッグになれる」とおだてられ、鉄砲玉に使い捨てられるのと変わらない。
そして賞金首になって、アリータに助けられるも逃げ出して、ザレムに続くチューブを登っていく。下の世界の犯罪者が上に行かれたとしても、都市の中に入れてもらえないだろうに。ここでもアリータを危険な目に合わせ、「愛してる」なんて言葉だけ残されて、アリータが可哀そう過ぎる。

IMAX限定 原作者木城ゆきと先生書下ろしステッカー
カード大のステッカー。こういう物やポストカードは嬉しい。ポスターは持って帰る間につぶれてしまったりするし。

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- 2019.02.27 (Wed) 06:34 | 日々“是”精進! ver.F
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