映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ[IMAX3D・字幕]」感想

前作に足りなかったゴジラ成分を目一杯詰め込んだ映画でした!
何よりもゴジラの出番が多い!!!
サントラ買いました!!!
音楽も伊福部昭リスペクト、お馴染みのテーマに和風を加味してのアレンジも良かった。元々、伊福部先生の「日本組曲」にしても、何処か太古の世界で奏でられた音がその根底にあるような作風なので、古代から人類と怪獣は関係があったとするこの物語に、実にふさわしい音楽だと思うのですよ。お経まで聞こえてくるのですが。和風=威勢の良いお祭風掛け声とお経??まあ、それはそれとして。ゴジラのテーマよりもモスラの歌の方が印象が強いのもご愛敬で。東宝自衛隊よりも派手な戦闘の分、音楽も派手になってるし。そんな所を楽しむのも良しです。
怪獣の描き方、バトルの表現など、それはそれは迫力があって。
あんなに近くにいたら、絶対に踏みつぶされているし、絶対に放射能バンバン浴び放題で死んでるよね、とも思うのですが、そこは映画、騙された方が楽しいじゃないですか。怪獣のデザインもハリウッドにありがちなヘンテコリンなデカ頭やツンツン手足ではなくて、東宝のオリジナルを現代風に正しく進化させた造形でした。
ゴジラ威厳あり、ギドラ憎たらしい、モスラけなげで可愛い!!
とにかくゴジラは実に良いタイミングで登場します。ギドラはとにかく強くて憎たらしい。あっという間に首も再生しちゃうし。ギドラだけは地球由来の怪獣ではないというのが、今回の物語のミソではあるのですが、この描き方、アニメのゴジラを思い出すのですよ。
ファンには評判が良くないアニメらしいですが、あの三部作は実に良くゴジラ映画のエッセンスを取り込んでいるのですよね。その中で、ギドラが異なる世界から地球を破滅させに来る存在であるのと、この映画のギドラの立ち位置が同質なのですよ。それと対峙するゴジラの立ち位置も。地球そのもの、地球の代表としてのゴジラ。モスラの献身ぶりも。その献身はアニメの方はひなどりの双子込みですが。
もうね、傷ついて倒れたゴジラを守ろうと、自分もラドンとの激闘で傷だらけのモスラが、よろよろとゴジラの身体に這い上がって、その向こうのギドラに必死で向かっていくシーン、涙が出そうでしたよ。
ぶっちゃけ、キチママが世界を滅亡させようとして、娘が阻止する話なんです。
5年前のゴジラの出現で息子を失った母親が正気を失って、環境テロにかぶれて、怪獣で世界を変えようと怪獣をコントロールするオルカなる機械を作ってしまう。父と引き離されてキチママに洗脳された娘が、父が正しかったと途中で気付いてキ〇ガイママから逃げ出し、キチママの計画を阻止するのですが。ざっと人間側の事情はそんな感じ。人任せ、責任転嫁ばかりの学者に軍人、謎の組織も中身はスカスカ。でもそれでいいです、巨大な”神”には人間の事情なんてどうでもいい事なんですよ。
全体的に主要人物に魅力がない。娘も息子にも見える性別不明な容貌なのも、LGBT対策かと思う位。「シェイプ・オブ・ウォーター」のイライザを好演したサリー・ホーキンスもすぐ退場してしまうし、チャン・ツィイーも何か今ひとつ。その中で唯一、その役割を全うしたのが芹沢博士でした。
ゴジラと運命を共にするのが、おそらく芹沢博士の名を持つ者の宿命なのでしょう。
渡辺謙が良かったですね。ゴジラへの執着は、彼なりに地球を愛する心からなのだと、そして人間の身勝手さを嘆くのはキチママと同じなのだけれど、キチママが息子を亡くした心の闇を人類の罪にすり替えたような事はせず、人間と怪獣の共存の道を模索しようとするのが決定的に違うのですよね。ヒステリーのキチママには自分しかない、芹沢博士には何処か達観したゴジラと地球への思いがある。
だから、「さらば、友よ」なのですよね。
IMAX3Dで観るべき映画でもあります。しかし・・見るのに体力のいる映画でした。もう一度観るとしたら、少し時間を置いてからにしたいです。傷ついたゴジラが海底の”ホーム”で放射能を補充しつつ回復を待ったように。
でも、海中で回復を待つのって、ガメラを思い出してしまったのも正直な気持ち。
Godzilla: King of the Monsters
STAFF
監督 マイケル・ドハティ
脚本 マックス・ボレンスタイン マイケル・ドハティ ザック・シールズ
原作 東宝株式会社
製作 トーマス・タル ジョン・ジャシュニ メアリー・ペアレント ブライアン・ロジャーズ
音楽 ベアー・マクレアリー
主題歌 [ALEXANDROS]「Pray」(日本語吹替版)
撮影 ローレンス・シャー
編集 ロジャー・バートン リチャード・ピアソン ボブ・ダクセイ
製作会社 レジェンダリー・ピクチャーズ
配給 ワーナー・ブラザース 東宝
CAST
マーク・ラッセル カイル・チャンドラー 田中圭
エマ・ラッセル ヴェラ・ファーミガ 木村佳乃
マディソン・ラッセル ミリー・ボビー・ブラウン 芦田愛菜
リック・スタントン博士 ブラッドリー・ウィットフォード 安原義人
ヴィヴィアン・グレアム博士 サリー・ホーキンス 高橋理恵子
アラン・ジョナ チャールズ・ダンス 土師孝也
サム・コールマン トーマス・ミドルディッチ 小林親弘
ダイアン・フォスター大佐 アイシャ・ハインズ 斉藤貴美子
ジャクソン・バーンズ軍兵曹長 オシェア・ジャクソン・Jr 松尾諭
ウィリアム・ステンツ大将 デヴィッド・ストラザーン 佐々木勝彦
芹沢猪四郎博士 渡辺謙
アイリーン・チェン博士/アイリーン・リン博士 チャン・ツィイー 甲斐田裕子
ゴジラを演じた中島春雄さんのお名前もエンドロールに・・・これにも作り手の敬意を感じます。
エンドロールの後、ちゃっかり生き残っていた環境テロリストがギドラの首を入手、これが次回・・・アレになるのかなw

fc2が不調の際はお手数ですがTB用ミラーブログをご利用下さい
Comments 0
There are no comments yet.
Leave a reply
Trackbacks 2
Click to send a trackback(FC2 User)- この記事へのトラックバック
-
- 劇場鑑賞「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」
- レビューは↓ https://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201905310000/ ゴジラ キング オブ モンスターズ / Godzilla: King Of Monsters 輸入盤 【CD】価格:1888円(税込、送料別) (2019/5/25時点)
- 2019.05.31 (Fri) 20:07 | 日々“是”精進! ver.F
- この記事へのトラックバック
-
- ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
- 『GODZILLA ゴジラ』から5年後の世界。 モスラ、ラドン、キングギドラら、単なる伝説にすぎないと思われていた怪獣たちが再び目覚め、世界の覇権をかけて争いを始めた。 全人類の存在すらもが危ぶまれる中、未確認生物特務機関モナークは、世界の破滅を阻止しようとするが…。 SF怪獣アクション。 ≪王(キング)の覚醒。≫
- 2019.06.03 (Mon) 01:16 | 象のロケット