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帰ってきた二次元に愛をこめて☆

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「スーパー歌舞伎II 新版オグリ」鑑賞

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先代の「ヤマトタケル」が、初めてのスーパー歌舞伎との出会い。その時に感じたものと同じ何かを舞台の端々に感じた。舞台も照明も仕掛けも進化したというのに。それが継承というものなのかも知れない。

今回は中村隼人さんのオグリの初日。「ワンピース」のサンジ、「NARUTO」のサスケと来て堂々の主役。舞台映えするのは、萬屋錦之助を大叔父に持つだけではない。やはり生来の器量に自信の裏打ちがなされたのだろう。

家柄も良く文武両道に秀でた美男子、小栗判官の波乱万丈の物語。筋立ては定番、それを煌びやかな衣裳に踊りに立ち回り等で作り出す世界を楽しむという。

背景全面の鏡仕立てを上手く使っての演出も面白い。場面によって、遠近感も出る、幽玄な雰囲気も出る。観客に背を向けても鏡で役者の表情が分かる。それだけに演じる方は大変だったと思う。ブラックライトを使ったり、光の演出も凝っていた。本水もあり、一列に並んだ噴水も迫力。前から3列まではビニールシートが貰えたけれど、かなり水が飛んで。それに花びらもひらひら。嗚呼、夢の世界。

でも最後は役者、それが舞台。

小栗が隼人さんなので、遊行上人は市川猿之助さん。この人が出ると当たり前だが舞台が締まる。笑也さんや猿弥さん達お馴染みの顔が安心感を与えてくれる。

今回の売りの両サイド同時宙乗りは、復活した小栗判官と遊行上人が白い天馬に乗って飛ぶ。ちょっと馬がファンシー過ぎたかな、メリーゴーランドのお馬さんのようで。役者さんの身体的には少し楽かも知れない。宙乗りは、2階や3階席の方が良く見えていい。

馬といえば、小栗を蹴り殺させようと横山親子の仕掛けた暴れ馬、こちらはメタリックな作りで、怒ると青い目が赤くなる。今度歌舞伎になる「風の谷のナウシカ」の王蟲をちらりと思い出した。

藤原正清後に小栗判官/遊行上人 市川 猿之助(交互出演)
藤原正清後に小栗判官/遊行上人 中村 隼人(交互出演)
照手姫 市村 竹松
小栗一郎 坂東 新悟
小栗二郎 市川 男寅
小栗三郎/山賊 市川 笑也
小栗四郎 中村 福之助
小栗五郎/山賊 市川 猿弥
小栗六郎 中村 玉太郎
鬼次/銀鬼少将/商人 市川 弘太郎
カメ婆 市川 寿猿
金坊 市川 右近(交互出演)
大納言の妻/閻魔夫人 市川 笑三郎
横山修理太夫/長殿 市川 男女蔵
鷹乃/薬師如来 市川 門之助

翁 石橋 正次
フグ婆/女郎屋女将 下村 青
鬼王/赤鬼大将/女郎千早 石黒 英雄
横山家継/鬼頭長官 髙橋 洋
高倉久麿/黒姫/女郎蒲公英 嘉島 典俊
閻魔大王 浅野 和之


隼人さん良かった!

鳴りやまない拍手、アンコールの後のスタンディングオーベーションで異例の再アンコール。隼人さんが素晴らしく、それも期待以上だったのが伝わります。

颯爽と美しい小栗。餓鬼病となって、何もかも恵まれて知らずに傲慢となっていた己に気づき、後悔の念にかられる小栗。両方良かったです。新版オグリ自体もだれる所なく飽きる所なく、テンポ良く常に目先を変えての楽しい舞台。猿之助さんの方も観たくなりました。

「ウルトラマンオーブ」のガイ、石黒英雄さん。歌舞伎の力お借りしての舞台もなかなか良いではないですか。妖艶な花魁姿も見せてくれました。ウルトラマンといえば「ウルトラマンコスモス」のフブキ隊員の市瀬秀和さんもスーパー歌舞伎IIの常連。

「アイアンキング」のアイアンキングでない方の石橋正次さんが翁を好演。新国劇出身だけに歌舞伎の舞台にもすんなり溶け込んで。この翁の好々爺ぶりがあるから、小栗の無念が際立つのですよね。

嘉島典俊さんの黒姫、最初気が付かなかった、でも良かった!浅野和之さんがいると舞台が良く回る。下村青さんもいい。いい舞台を成立させるのは、いい役者さんがいてこそ。

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ワンピースの時のスーパータンバリンに続き、今度はスーパーリストバンド。ラストの大団円で使います。光るので夜のジョギングの時などにも使えそうです。

ワンピの時は女形がオカマを演じるという趣向、今回は笑也さんが女だが男のなりが本人はしっくりくるというLGBTQな時事ネタ、消費税ネタもあり。こういうのを見ると、新感線の舞台との差がどんどんなくなっていく感が強い。こちらは下地に本物の歌舞伎があるというのが強みとはいえ。踊りもワンピのニューカマーのダンス以来の洋風な振り付けが増えていて。歌舞伎自体がインドや異国やアニメ漫画と手をのばしていく中で、これからのスーパー歌舞伎IIはどう進んでいくのだろう。

インドといえば、インド映画。ヒーローとヒロインの恋愛あり、試練ありの事件あり、冒険ありのアクションあり、涙ありの笑いあり、唐突に歌あり、踊りあり、長いので休憩が入る。観客はカレー食べたり・・なんて奇妙なんだと「踊るマハラジャ」公開の時は言われたものですが・・あれ?これって歌舞伎はずっとそうでしたよね?と今更ながら思ってもみたり。カレーは食べないけど、お弁当は食べる。

・・・というわけで、新橋演舞場「雪月花」でいただいたお食事など。

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スーパー歌舞伎II新版オグリ限定 10月公演限定特製御膳

八寸 演舞場特製玉子焼き 栗とさつま芋の白和え 鮭塩麹焼き 鱧の天婦羅 海老芝煮 一口昆布 酢蓮根
刺身 三種盛(蛸 帆立 甘海老)
煮物 里芋 銀杏茶巾 椎茸 オクラ 焼湯葉 花人参
御飯 木ノ子御飯 芝しゃく
吸い物 鱧の吸い物


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開演前の舞台には衣装が飾られていました。





(追記)

猿之助さんの判官も観て来ました。前回は1階の5列目、間近で見る役者さんの芝居を楽しめましたが、今回は3階なので花道は見えないものの、舞台全体が見渡せて、前回気がつけなかった仕掛けの数々も見る事が出来て面白かったです。何よりも舞台で見せる形の美しさを堪能出来ました。宙乗りの時の上で綱を操る人達の掛け声も聞こえました。

猿之助さん、前半は抑えた芝居でペース抑え目、後半のオグリが己の非を悟ったあたりから、ぐわっと迫力全開になりました。やはり主役を張るとはこういう事なのだなと。

最初に比べると、浅野和之さんが演じるというだけではなく、閻魔大王がオグリをいつも見守っているのが良くわかるような作りに変わっていました。笑いのネタも色々と増えていました。役者さんも楽しんでいるのでしょう。

舞台の冒頭で「スーパーバイザー 市川猿翁」と表示されるのに、創始者への敬意を感じます。

話の内容的には、真の主役は照手姫だなと。だっていきなりの告白で「えっ俺?」的なオグリ、典型的な巻き込まれですよ。もし照手姫に逢わなければ、オグリはあのまま豪快磊落な日々を送っていた事でしょう。箱入り娘だったのに下働きも苦にしない、生命力にあふれた姫が、知らずに周囲の運命を変えていく物語でもあるのですよね。

毘沙門天、歓喜天は、浅草を思い出したり。

本水凄い。わざと客席に水を蹴上げる猿之助さん。笑いの要素が多めなのは猿之助さんの方が余裕があるからでしょう。ガイ、水槽から出る時転びそうだった。間一髪。二郎もちょっとまだ固いかな。これは「空ヲ刻ム者」あたりの福士誠治さんの立ち位置なのかなと思います。

BBA Twitter炎上とか、新感線的なネタ作り。踊りや音楽も含めて、本当に普通の舞台に近づきすぎて、差別化が難しくなってきたような気がします。斬新な事をやる=現代劇になってしまっては、歌舞伎の看板が霞んでしまう。そのあたりのさじ加減が今後の課題になってくるのかも知れません。ワンピで超えたラインをどこまで良い方向へ進めて行かれるのか。

薬師如来、恥ずかしい全身金色タイツじゃなくなっていました。あれはさすがに薬師さんの役者さんが可哀そうでしたよね。

エレクトリカルパレードに薔薇の花びら、この盛り上がりのフィナーレ。

立ち姿の美しい隼人さん、情念ほとばしる迫力の猿之助さん。

両方見られて良かった。前半のオグリは隼人さん、後半のオグリは猿之助さんが好みかな。

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Category - 演劇☆絵画☆イベント

歌舞伎 感想 新版オグリ

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