TVドラマ「陰陽師」感想

佐々木蔵之介の晴明、竹中直人の道満
テレ朝はやっぱり刑事モノのTV局かな。
幽遠や幻想の風味は、あまりにも薄すぎる。
佐々木蔵之介の顔が京を感じさせるのと、竹中直人の道満の不気味さ、登場する役者に何人か面白い人がいるのが救いかな。博雅は映画版の伊藤英明の影響か、音楽をたしなむ雅人にしては体育会系過ぎる気が。役によっては、もう少しクオリティの高い芝居が出来る人を配して欲しかった。それだけでも全然違うと思う。保憲の橋本じゅんさんは、新感線の舞台が好きだった私にはお馴染みの役者さん、ちょっと嬉しい。
それなりに力は入っていると思うのだけれど。何というか、ファンタジーは、映画でもドラマでも、この国では実写は無理なのかなと感じてしまう。
人物の説明や描写がほとんどない。それがキャラクターの薄っぺらさに繋がってしまった。
原作を知るなら、嗚呼と思う箇所がいくつもありけり。「堤中納言物語」の「蟲愛づる姫君」のエピソードとか、(露子姫の本田望結、こんな子だっけ?もう少しあっさりとしているかと思ってました)道満の蟲毒とか、将門の呪いとか、オカルト好きなら一般教養的なものでしょうか。
監督は「月とキャベツ」の篠原哲雄監督。
何だろう、たとえばもう少し光と影の塩梅を工夫するとか、風を使って雰囲気を出すだけでも違った気がする。画面が均一過ぎて。
「博雅は良い男だ」
これが野村萬斎の声で聞こえてしまうのは、やはり色々と突っ込み所が多い映画とはいえ、彼の晴明がはまっていたからでしょう。九字を切る仕草や呪を唱える時の声の張り、狂言で鍛えた人ならではの力が作り上げた晴明でありました。
あらすじ
時は天徳4年――。 陰陽師の安倍晴明(佐々木蔵之介)と友人の源博雅(市原隼人)は、“盗らずの盗賊”の話を肴に、酒を酌み交わしていた。博雅によると、夜中に小野好古(川野太郎)の屋敷に、白い被衣(かつぎ)をまとった女と黒覆面の男たちが押し入り、「雲居寺の浄蔵(寺田農)からの預かりもの」を捜し回ったあげく、何も盗まずに去っていったという。二人がその不思議な話に首をひねっていると、そこに晴明の兄弟子にあたる賀茂保憲(橋本じゅん)がやってくる。保憲は、20年前の平将門の乱の際に、手柄をあげた平貞盛(酒向芳)の顔にあるひどい瘡(かさ)は誰かに呪われたもののような気がするので、様子を見てきてほしいと頼みにきたのだ。 貞盛の屋敷を訪れ、医者の祥仙(升毅)と助手の如月(剛力彩芽)から説明を受けた晴明と博雅は、目の当たりにした貞盛の瘡に衝撃を受ける。晴明が額に手を当てると、その瘡の隙間から目玉が現れ…。晴明は博雅に、貞盛は何者かに乗っ取られ始めていると語る。 一方、再び出現した盗賊を撃退したという俵藤太(国広富之)の武勇伝を耳にした晴明は、一連の奇妙なできごとが“ある人物”につながっていることに気づく。 小野好古、平貞盛、俵藤太…みんな平将門に敵対していた者ばかり! とはいえ、将門は20年前の平将門の乱で没している…。雲居寺の浄蔵から、過去に将門の首を2カ月もの間焼き続けた灰を何者かに盗まれたという話を聞いた晴明は、白い被衣の女が探しているのがその灰で、将門を復活させるために必要なものだと確信する。 はたして、白い被衣の女の正体は…? 将門復活の目的とは…? さらに、晴明と白い被衣の女の間をフラフラと行き来し、高みの見物を決め込む陰陽師・蘆屋道満(竹中直人)のねらいとは…? 深まる謎と、哀しき親子愛の行末―― 陰謀渦巻く平安の都で、かつてない壮絶な戦いが、始まる――。
STAFF
原作 夢枕獏「陰陽師 瀧夜叉姫」(文春文庫)
脚本 山本むつみ
エンディングテーマ 『今夜は月が見えません』WAVE(Music Office SENSE)
企画 古賀誠一
チーフプロデューサー 黒田徹也(テレビ朝日)
プロデューサー 髙野 渉(テレビ朝日) 山田大作 中頭千廣
監督 篠原哲雄
制作 テレビ朝日 オスカープロモーション(なるほど、それで剛力に本田妹)
CAST
安倍晴明(あべの・せいめい)佐々木蔵之介
源 博雅(みなもとの・ひろまさ)市原隼人
如月(きさらぎ)剛力彩芽
露子姫(つゆこひめ)本田望結
蜜虫(みつむし)齋藤めぐみ
賀茂保憲(かもの・やすのり)橋本じゅん
平 貞盛(たいらの・さだもり)酒向 芳
桔梗(ききょう)笛木優子
橘 実之(たちばなの・さねゆき)金子 昇
平 維時(たいらの・これとき)秋沢健太朗
けら男(けらお)南出凌嘉
藤原忠平(ふじわらの・ただひら)九十九 一
源 経基(みなもとの・つねもと)奥田達士
小野好古(おのの・よしふる)川野太郎
賀茂忠行(かもの・ただゆき)大出 俊
平 将門(たいらの・まさかど)菅田 俊
祥仙(しょうせん)升 毅
浄蔵(じょうぞう)寺田 農
俵 藤太(たわらの・とうた)国広富之
蘆屋道満(あしや・どうまん)竹中直人

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