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映画「ランボー ラスト・ブラッド[2D・字幕]」感想

☆もるがん☆

LastBlood

国家の為でも組織の為でもイデオロギーの為でもない
ランボーのランボーによるランボーの為だけの戦い


イキったチンピラが舐めてかかったら、実はすごくヤバイおじさんで、見事返り討ちされました的な。

ベトナムから帰還したものの、祖国の冷酷さに絶望したランボーが、故郷のアリゾナでようやっと得た平穏な日々。それは10年しか続かなかった。「根っから悪い人なんていない」と脳内お花畑の少女ガブリエラは、祖母マリアやランボーが止めるのも聞かず、母親にDV三昧だった父親に会いにメキシコへ行ってしまう。「お父さんだって可愛いアタシを見たら歓迎してくれるに決まってる!テヘペロ☆」とでも思っていたのでしょうが。

だが、元妻の事も娘の事も何とも思っていない父親の本心を思い知らされ、そして知り合いに人身売買の組織に売られてしまうガブリエラ。甘かった自分を後悔しても遅い。毎晩男の相手をさせられ、あげくのはてに薬漬けで瀕死状態。アメリカにいれば良かったのにね。同じ頭軽い仲間とお酒飲んで戯れる位で満足しておけば良かったのにね。

マリアの懇願でガブリエラを探しに行ったランボーは地元のヤ〇ザにボロボロにされてしまう。本気だったら負けなかっただろうに。そこは10年のブランクのせいでしょうか。まあ、一度やられたからこそ、後の場面が盛り上がるとはいえ。

出直して、救いだしたガブリエラは、帰宅途中で弱り切った身体がもたずに死んでしまう。

孫を失って悲嘆にくれるマリアを送り出し、再び孤独になったランボーが最期の戦場に選んだのは、己の故郷、父の牧場。これが凄いのですよね。10年の平穏と言いましたが、心に巣くう修羅が消えたわけではなく、この10年の間、牧場の地下に縦横無尽に穴を掘って要塞化する事で、荒ぶる心にふたをしていたわけですよ。そこが主戦場となるのです。この穴からランボーの背負って来た業の深さが思いやられるのですよ。これは良い作り。

復讐に燃えるランボー、もう何も躊躇しません。敵のアジトに乗り込んで、出会う人間を悉くグッサリバッサリ。この迷いのなさがランボーがランボーたる所。戦場で迷うのは死と同じ、そうやって生き延びて来たのですから。あえてあからさまに遺体を晒す事で、誰が来たか解らせるのもいい。

見所は何といっても後半の戦い。

戦いの準備をするランボーがいい。戦場は筋肉だけでは生き残れないのですよ。緻密に立てられた計画、周到に張り巡らされたトラップ、武器も各所に隠しておくという。ちょっと怖そうなだけのオジサンが、どんどん戦士の顔になっていく。これがスタローンの真骨頂ですよ。

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バシバシガンガン、バンバン!うわーー!!!

それでいいんです。走るランボー、倒れる敵。そして弓、最後の武器は弓。ギリギリと引き絞って敵を貫くんですよ。その姿にこれまでのランボーの姿が重なってみえるわけですよ。

国家だの警察だの何だの一切を切り捨てて、ランボーの戦いのみを切り抜いた映画。

それでいいのです、これがランボー。陰謀だの戦争だの何だの見たいなら別の映画が沢山ありますから。CGでない炎と煙と汗とランボーの叫びをお楽しみ下さいの映画ですから。


Rambo: Last Blood (Original Motion Picture Soundtrack)

Rambo: Last Blood

STAFF
監督 エイドリアン・グランバーグ
脚本 シルヴェスター・スタローン マシュー・シラルニック
原案 シルヴェスター・スタローン
製作 アヴィ・ラーナー スティーヴン・ポール ケヴィン・キング・テンプルトン ヤリフ・ラーナー レス・ウェルドン
製作総指揮 ジェフリー・グリーンスタイン ジョナサン・ヤンガー クリスタ・キャンベル ラティ・グロブマン アリエル・ブロメン ジェフ・ガム
音楽 ブライアン・タイラー
撮影 ブレンダン・ガルヴィン
編集 トッド・E・ミラー カーステン・カーパネック
製作会社 ライオンズゲート
配給 ライオンズゲート  ギャガ

CAST
ジョン・ランボー シルヴェスター・スタローン ささきいさお
カルメン パス・ベガ 井上喜久子
ウーゴ・マルティネス セルヒオ・ペリス=メンチェータ 武田真治
ビクトル・マルティネス オスカル・ハエナーダ ケンドーコバヤシ
マリア・ベルトラン アドリアナ・バラッザ 小宮和枝
ガブリエラ イヴェット・モンリール 花澤香菜
マヌエル ホアキン・コシオ 丸山壮史
ジゼル フェネッサ・ピネダ 加藤美佐
エル・フラコ パスカシオ・ロペス 森宮隆
ドン・ミゲル リック・ジンゲール 魚建


エンドロールは、これまでの名場面集。見事な上半身を見せて撃ちまくるランボー、あの背中は芸術品ですよ。ミケランジェロの彫刻もかくや、文化財に指定しても良いと思う位に。映像に残してくれてありがとうですよ。最後の戦いの後、父が好きだったロッキングチェアに傷ついた身体をあずけ、かすかに揺れるランボー。本当に心から「お疲れさまでした!」と言いたくなる姿。

ランボー (字幕版)

第一作のランボーの原題が「First Blood」なのは有名な話。だからこその「Last Blood」なのでしょうが。

まあ、最後の馬上のシーンは、現実なのか、薄れゆく意識の中で彼が観た幻想なのか、やっと戦場から解放された象徴的なシーンなのか・・解釈は色々でしょう。こういう、ちょっと悪あがき的な所も、スタローンらしくていいです。


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Posted by☆もるがん☆
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