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映画「スパイの妻 劇場版」感想

☆もるがん☆

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「私と夫が世界を救うのよ(はあと)」からの超展開

2020年にNHK制作、2020年6月6日NHKで放送されたテレビドラマ。スクリーンサイズや色調を新たにして映画として劇場公開。第77回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞。

脳内お花畑状態の蒼井優の笑顔が怖い。

夫考案の「俺たちの正義実現計画」がガバガバ過ぎて酷い。

突っ込み所は満載ではありますが。結局はどんな高邁な理想を言った所で、カネや権力の前には無力な場合が多々ある事を、お金持ちのお坊ちゃんお嬢ちゃん達には理解出来なかった。彼らは自分達だけが正義と平和の為に動いていると信じ込み、自分達の栄光と成功を疑わず、足元を見ていなかった。

だが、妻よりは夫の方が少しは頭が働いた、というか狡猾だった。

こんな世間知らずの妻を連れて海外へなど行ったら、絶対に成功するものもしなくなる。足手まといだと分かっていた。そして妻を生き延びさせたい情もあった。あれはきっと妻に惚れている幼馴染の憲兵と結託して、妻が売国奴として処刑されないように仕組んだのでしょう。

なるほど、欧州で受けそうな作り方。
でもちょっとやりすぎて、たまに鼻をつく時もあるのがこの監督。

自主製作の映画(それも主演は自分の妻)を社員に強制的に見せて悦に入るとか、社員に一番嫌がられるタイプの社長じゃないですか。

河内山宗俊

あえて落とした彩度と光度、古い邦画、フランス映画風味。フィルムを思わせる感触の画面作り。それらが、世界観を作り出す事には大成功しています。このあたりの手法や技巧については、偉い評論家さんやマニアの方々が詳しく説明してくれるものと思われます。

映画以前の実写化や恋愛若者映画とはまったく異なる映画。

それだけでも一見の価値あり。

STAFF
監督 黒沢清
脚本 濱口竜介 野原位 黒沢清
製作 山本晃久
製作総指揮 篠原圭 土橋圭介 澤田隆司 岡本英之 高田聡 久保田修
音楽 長岡亮介
撮影 佐々木達之介
編集 李英美
製作会社 NHK NHKエンタープライズ Incline C&Iエンタテインメント
配給 ビターズ・エンド

CAST
福原聡子 蒼井優
福原優作 高橋一生
竹下文雄 坂東龍汰
駒子 恒松祐里
金村 みのすけ
草壁弘子 玄理
津森泰治 東出昌大
野崎医師 笹野高史


東出昌大がどうして重用されるのか、よくわかる映画。余計な自己主張やギラつきがない。存在が機能して欲しい分だけ機能して、その場を邪魔しない。

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Posted by☆もるがん☆
映画

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