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映画「エノーラ・ホームズの事件簿」感想

☆もるがん☆

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ナンシー・スプリンガー原作のミステリ小説「エノーラ・ホームズの事件簿シリーズ」の映画化

推理力と行動力を発揮して、兄シャーロックを出し抜き、行方をくらました母親を捜す16歳のエノーラ・ホームズは、若き侯爵をめぐる陰謀に巻き込まれていく。

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」で、キチママに育てられ途中で洗脳が解けた娘マディソンを演じたミリー・ボビー・ブラウンが、シャーロックの妹エノーラに。髪型や服装で女の子はこれだけ変わるのかと驚くほど、ゴジラの時とは違う魅力的な少女となっています。

家出した若き侯爵は気品ある美男子。体格がやや良すぎる気はするけれど、スーパーマンだから仕方ないシャーロックも絵になります。変人の母親がヘレナ・ボナム=カーター、これも定番のはまり役。みんな大好きパシリムの変人博士バーン・ゴーマンが侯爵を狙う殺し屋に。

元々ネトフリ映画ではなく、コロナのせいで劇場公開を断念してネトフリ配給となったとか。そう言われて納得の役者も作りも贅沢な映画。

時代は、女は家事をして子供を産む家畜、人間扱いされていなかった頃。その伝統を守ろうする人々と新しい世界を望む人々の争いは激化、そして社会が動き出す新しい法案が可決されようとしていた、まさにその時。

自由に生きる事をエノーラに教えた母親が失踪。自分の体面しか考えず、妹は邪魔者、屑以下としか考えない兄マイクロフトがエノーラの後見人に。寄宿学校に入れて厄介払いをしようとするマイクロフトの元から逃げ出したエノーラは、汽車の中で殺し屋に襲われていた若き侯爵を助けた事から・・

高貴な人の鷹揚さと世間知らずを持ち合わせるテュークスベリー侯爵。賢く強いものの、やはり世間知らずのエノーラ。途中でケンカ別れしてしまうものの、侯爵を狙う殺し屋が「顔を見られたから」とエノーラを殺そうとする。何とか逃げ延びたエノーラは自分は強い、だから侯爵を守らなくてはと思うのです。

このあたりが面白いのですよね。

男女の意識の改革が、ひとつのテーマとして物語の根底にあるのですよね。女性の地位が低い時代であるのに、「一人でも生きられるように」という母親の教育方針で、その影響を受けなかったエノーラは「女だから男に守ってもらう」という考えはないのです。「強きが弱きを守るべき」と考えるのです。だから最後のエノーラと侯爵の会話は、少しがっかり。ちょっとエノーラが女を出し過ぎ。

徹底的に妹を邪魔者にするマイクロフトが憎まれ役として際立ち、その分、兄には逆らえないものの、密かに妹の味方になるシャーロックが得をする役回りになっています。シャーロックの出る場面は、美しい絵になる場面も多いのです。

侯爵家の事件の黒幕は、2時間サスペンス並に予想がつきますが。時折、エノーラが観る側に話しかける演出は、好き嫌いが出そう。一応、母親の失踪の謎解きの要素もあるので、古畑任三郎のようなものだと思えば、私的にはありで。

まあ、母親の失踪理由や、いくらお金があるからと身元不明の少女が部屋を貸りられるのか等、突っ込み所はありますが、エノーラの頑張りを観ているのが楽しい映画。

Netflixより2020年9月23日に全世界で配信

ポスター/スチール写真 アクリルフォトスタンド入り A4 パターン9 エノーラ・ホームズの事件簿 光沢プリント

Enola Holmes

STAFF
監督 ハリー・ブラッドビア
脚本 ジャック・ソーン
原作 ナンシー・スプリンガー(「エノーラ・ホームズの事件簿シリーズ」より)
製作 メアリー・ペアレント アレックス・ガルシア ミリー・ボビー・ブラウン ペイジ・ブラウン
音楽 ダニエル・ペンバートン
撮影 ジャイルズ・ナットジェンズ
編集 アダム・ボスマン
製作会社 ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ レジェンダリー・ピクチャーズ
配給 Netflix

CAST
エノーラ・ホームズ ミリー・ボビー・ブラウン 白石晴香
シャーロック・ホームズ ヘンリー・カヴィル 星野貴紀
マイクロフト・ホームズ:サム・クラフリン 花輪英司
ユードリア・ホームズ:ヘレナ・ボナム=カーター 高乃麗
レストレード警部 アディール・アクタル
ミス・ハリソン フィオナ・ショウ
テュークスベリー子爵 ルイス・パートリッジ 上村祐翔
テュークスベリーの祖母 フランシス・デ・ラ・トゥーア
リントホーン バーン・ゴーマン
エディス スージー・ウォコマ
ウィムブレム卿 デイヴィッド・バンバー
テュークスベリー夫人 ハティ・モラハン


エノーラ・ホームズの事件簿―消えた公爵家の子息 (ルルル文庫)

原題だとMarquess、侯爵ですが、侯爵とか伯爵とか色々訳がありますね。爵位の解釈は難しい。

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Posted by☆もるがん☆
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