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新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」感想

☆もるがん☆

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これは観に行かれずにいた舞台

シネマ歌舞伎での上映も期間が短くて鑑賞かなわず。
TVでの放映は嬉しい事です。

口上でナウシカの物語の概要を説明。アニメではなく原作の全7巻の舞台化である事を語ります。これは良い趣向。

メーヴェなどの表現は賛否はあろうかとは思います。王蟲の精のようなものとか、服が青くなるシーンも。何よりも歌舞伎に見慣れない人には、ナウシカの姿が許せない不細工と映ってしまう、踊りや長台詞が退屈と感じてしまうのは、仕方がない事と思います。あくまで”歌舞伎”としてどう処理するかなので。それでも歌舞伎の持つ魅力の片鱗でも、これを見て感じてもらえると良いと。

やはりスーパー歌舞伎II「ワンピース」の成功が、歌舞伎にアニメや漫画を持ち込む敷居を一気に低くした感ありですね。邦画での実写化の原作汚しを反面教師として、ワンピの世界を如何に歌舞伎に落とし込むかと、工夫を重ねた舞台は、素晴らしいものでした。

ひとつの形が出来てしまえば、後は楽になるのは何処でも同じ。かつてコミケがそうだったように。コミケを形にする人々の苦労はいかばかりだったかと思うのですが。そして歌舞伎でいえば、スーパー歌舞伎を市川猿之助が立ち上げた時から今日までの苦労の上に、この新作歌舞伎も成り立っているわけで。まずは道を切り開くもの、伝統を作るもの、その伝統を守るもの、伝統から新たなるものを作り出そうと歩き出すもの。それはナウシカの旅に重なって来る部分もあります。

風の谷のナウシカ サウンドトラック はるかな地へ・・・ (TJJA-10009) [Analog]

音楽も久石譲さんの音楽のアレンジ。そればかりは仕方ない。あの美しい旋律なくしては、ナウシカの世界ではない位、作品と結びついているし。和風にしたり、使いどころも考えられているし、これはこれで。

見所が本水とか、キャラの作り方とか、何かワンピが作った部分から、ある意味、形が固まってしまって、そこから停滞している感が出て来てしまった気がするのです。そのうちまた他のアニメや漫画や、もしかしたらJOJO歌舞伎のようなものでも出て来るかもしれないけれど、今のままでやっていくと新感線や2.5次元にどんどん似て来るようで、差別化というか、初めてワンピ歌舞伎を見た時のような何か、新鮮な感動を見せて欲しいと、新作歌舞伎の可能性に期待しているのです。

スーパー歌舞伎IIにも、勿論期待してます。

腐海に棲む王蟲 風の谷のナウシカ

STAFF
原作 宮崎駿(徳間書店刊)
脚本 丹羽圭子、戸部和久
演出 G2
協力 スタジオジブリ
美術 中嶋正留
照明 千原悦子
音楽 杵屋巳太郎
作曲 新内多賀太夫
振付 尾上菊之丞
衣裳 松本勇
映像 上田大樹
音響 小寺仁
舞台監督 津田光正
狂言作者 竹柴潤一

CAST
前編
ナウシカ 尾上菊之助
クシャナ 中村七之助
ユパ 尾上松也
ミラルパ 坂東巳之助
アスベル/口上 尾上右近
ケチャ 中村米吉
ミト/トルメキアの将軍 市村橘太郎
クロトワ 片岡亀蔵
ジル 河原崎権十郎
城ババ 市村萬次郎
チャルカ 中村錦之助
マニ族僧正 中村又五郎
王蟲:市川中車(声)

後編
ナウシカ 尾上菊之助
クシャナ 中村七之助
ユパ 尾上松也
セルム/墓の主の精 中村歌昇
ミラルパ/ナムリス 坂東巳之助
アスベル/オーマの精 尾上右近
道化 中村種之助
ケチャ 中村米吉
第三皇子/神官 中村吉之丞
上人 嵐橘三郎
クロトワ片岡亀蔵
チャルカ中村錦之助
ヴ王 中村歌六
墓の主 中村吉右衛門(声)

新橋演舞場


王蟲というか虫の声が香川照之というのが笑える。これも分かっていての演出ですね。

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