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絆―棋士たち 師弟の物語(野澤亘伸)

☆もるがん☆

af
野澤亘伸
マイナビ出版(日本将棋連盟発行)
2021-03-11


「師弟 (棋士たち 魂の伝承)」の続編。ここにも数々の師弟たちの物語がある。

思いが伝わる時もあれば、すれ違う事もある。それでも互いへの信頼が根底にはあり、絆がそこにある。勿論、ここに描かれた理想的な師弟関係だけではなく、どうしてもそりがあわない場合もあるだろう。師弟制度そのものへの疑問も提示されている。

師匠と弟子の間にあった事柄だけではなく、その周辺の人々へと話は広がっていく。将棋の世界は狭い。何処かで誰かが繋がっている。兄弟弟子、一門、一族、家族で棋士である者。それらの複雑に絡みあった中で、師匠は師匠で影響を受け、弟子は弟子で先を目指す。

祖父が孫を可愛がるような関係もあれば、あえて距離を置いて見守る場合もある。弟子が自分を越えていく事に喜びを感じる師もあれば、師匠がいつまでも強くいて欲しいと願う弟子もいる。

著者には、本当はもっともっと書きたい事が、あったはずだ。断腸の思いで削ったエピソードも多々あったろう。将棋は一局だけでもひとつの物語だ。その積み重ね、棋士それぞれの人生、それらが重なり合ったものが、薄っぺらいはずはない。まだまだ、あるはずだ。

貪欲な読者は、第三弾を待ち望んでいる。

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Posted by☆もるがん☆

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