ドラマ「ロキ(Loki)」season1 感想

「マイティ・ソー」に登場したソーの弟ロキのスピンオフドラマ
第1話 "大いなる目的"" Glorious Purpose"
「アベンジャーズ/エンドゲーム」の中で四次元キューブでゴビ砂漠に逃亡した後、謎の集団に拉致されるロキ。彼等はタイムキーパーと神聖時間軸を守るTime Variance Authority(時間変異取締局)ことTVA。時間軸を分岐させる可能性のあるロキのような変異体の管理も役目のひとつ。この場所では魔法は使えない、インフィニティストーンですらただの石ころ。
TVAの拠点ではコミカルなやり取りが繰り広げられる。
ロキに興味を示すエージェント・メビウス、鷹揚にかまえ上から目線のロキ。逃亡を計るロキだが、定められた自分の未来を見てしまう。母が死んだ原因は自分、父も兄も自分を愛してくれていた。涙するロキ。そしてサノスに無残に殺されるのが己のさだめ。こんなみじめな姿が自分のはずがない、己を笑うロキ。
三人のタイムキーパーの像。
自分が運命を決めているはずだった。だがそれが決められたレールを進んでいるだけだった。そして人を傷つけるのは本当は楽しくないというロキ、それはロキがロキである為の偽りだと告白する。
メビウスがロキを必要としたのは、TVAの実働部隊ミニットメンが襲われ、分岐をリセットする為のリセットチャージが盗まれる事件の為。その事件の犯人が他の時間軸のロキだというのだ。
アニメで設定を説明してわかりやすくしたり、良くある役所の中にロキがいるという違和感を楽しませてくれたり、無力を思い知ったロキが本心を吐露するが、どうやらそれだけで終わらなそうだという期待もさせてくれる。メビウスも色々と裏がありそう。D.B.クーパー事件の犯人もロキだったというのも面白い。トム・ヒドルトンが楽しそう。
これは良い初回。
ロキ、お母さんの事は本当に好きだったのね。
第2話 "変異体""The Variant"
1985年のウィスコンシン州のお祭で事件は起きる。昔を懐かしむお祭、古い時代の衣裳の人々が古い行事の真似事をする。ロキの変異体がまたミニットメンを襲撃しリセットチャージが盗まれ、ハンターC-20が連れ去られた。
メビウスと”専門家”ロキも現場へ。ハンターB-15はロキへの敵意をむき出しにする。ロキのいう事も誰も聞かない。現場はリセットされる。
ロキは策略を巡らすが、相手にされない。何とかTVAの事を知ろうとするが、読む事が出来たのは、自分に関する事だけ。そしてアスガルドの悲劇とあらためて向き合う。定められた悲劇と。惑星の完全消失、滅亡。ロキは確信する、ロキの変異体は大災害の底に潜んでいると。大災害の直前なら、何をしてもすべてが消えてしまうから。
疑うメビウスを説得して、ロキは79年のポンペイの噴火の直前に行き、その仮説を証明した。以前に変異体の残したお菓子が販売されていた日時から、ロキはアラバマ州に起きた大災害の中に変異体はいるという。ショッピングアーケードで変異体を探す。変異体はB-15の身体を乗っ取り、さらに店員へと移動する。ロキは変異体にTVAを支配しようと協力を求めるが「興味ない」と一蹴される。
C-20が発見される。彼女は変異体にタイムキーパーの居場所と見つける方法を教えてしまったと告白する。仲間からの連絡で意識を取り戻したB-15は事の重大さに愕然とする。
姿を現した変異体は女性だった。彼女はロキを見下す。横柄な態度はさすがロキの変異体。彼女は集めたリゼットチャージを一度に作動させ、神聖時間軸を破壊する。多くの分岐が出来てしまう。シルヴィはタイムドアの向こうへ消えてしまう。追いすがるメビウス達を振り切るため、ロキもまたタイムドアの中へと。
メビウスもまた裏切られたと思うのか、その場に居れば自分のせいにされてしまうと思ったのか。彼女を使えると思ったのか。ロキVSロキも気になる。物語が動き出した。
第3話 "ラメンティス""Lamentis"
女性型のロキの変異体がC-20の意識を操り、タイムキーパーのいる場所には金色のエレベーターから行かれると白状させる。女性型のロキの変異体はTVAに移動、追っていったロキはB-15がロッカーに入れた武器を思い出し我がものとする。武器を入れたロッカーに施錠もしないとは、TVAもうっかりさんの集まりのようだ。
ロキは女性型ロキを説得しようとするが聞く耳を持たない。ラヴォーナに追い詰められた二人は、タイムパッドで移動、そこでタイムパッドはスタミナ切れ。そこは2077年のラメンティス1号星、今まさに惑星の衝突で滅びようとしていた。いがみあう変異体同士、女性型はシルヴィと呼べという。
タイムパッドの動力源を探す二人。
口論しながらも協力して、脱出用の列車に乗り込む。列車の中の二人の会話が面白い。同じ”ロキ”、疑り深い腹の探り合いながら、何処かで通じるものがある。酒を楽しみ歌い踊るロキ。酔っぱらったロキの失敗で二人は列車から放り出される。タイムパッドは壊れてしまう。
ロキはシルヴィから、TVAの職員はタイムキーパーが作ったわけではなく全員変異体だと聞かされる。メビウスの言葉は嘘だったのか、メビウスが偽の記憶を信じ込んでいるだけなのか。
二人は金持ち専用の脱出用の箱舟を乗っとる事にするが、目の前で箱舟は隕石に破壊されてしまう。滅亡せまる星に取り残された二人。
ロキとシルヴィを楽しむ回。頭脳派(自称?)のロキ、シャツ1枚になるとかなりマッチョなのがわかる。
第4話 "分岐イベント""The Nexus Event"
少年の姿をしたロキの変異体がミニットメンに拉致される。逮捕された少年ロキは、初回にロキがされた事を同じ体験をする。囚人服、手錠、妙な検査等。少年ロキは隙を見てタイムパッドを盗み、逃走する。
ラヴォーナはタイムキーパーのいる部屋へと入っていく。中で何を話したかはわからないが、メビウスとの会話から、C-20が死んだとわかる。変異体が野放しになっているのは危険だとラヴォーナは言う。
滅亡寸前のラメンティス1号星。シルヴィは自分が生まれてから大きな分岐出来、TVAに拉致されたという。そしてタイムパッドを盗み、逃亡。だが何処に逃げてもそこには分岐が発生する。TVANい居場所がばれてしまう。彼女は逃げ続けた、世界の終わりを渡り歩いて。
ロキがロキたらしめるのは負ける運命だからとシルヴィが言う。負ける時もあるが必ず生き延びる、それがロキだと、ロキはいう。迫り来る滅亡、手を取り合い最期を覚悟する二人。
目の前にドアが現れ、二人は拉致される。TVAで別々の牢に入れられる。入れられる寸前、ロキはメビウスに「TVAはお前に嘘をついている」というが無視される。閉じ込められたのは、嫌な記憶の牢獄。シフに殴られるロキ。ループする記憶、何度もシフに殴られるロキが面白い。シフの髪を切ったのは注目されたくてやったいたずらだと告白するロキ、ひとりになるのが怖いからだと。
ロキは自分が首謀者でシルヴィと結託してやったと嘘をいう。メビウスはシルヴィが剪定されたと嘘をいう。メビウスはあざ笑ってロキを閉じ込める。ロキは叫ぶ。TVAの職員は全員変異体で、タイムキーパーに拉致されて記憶を消されたのだと。メビウスは否定するが、ロキは薄々感じているはずだと言い残す。
B-15もC-20の件で何かがおかしいと感じているのか。B-15はシルヴィをロックスカートに連れて行く。B-15はシルヴィに操られた時に見た”記憶”に違和感を感じていた。シルヴィに何をしたと問い詰めるが、シルヴィは「私には記憶は作れない」と言う。TVAの職員は全員変異体、タイムキーパーに拉致され記憶を消されたのだと。ロキと同じ事をいう。もう一度、幸せだった過去の記憶を見せられ、混乱するB-15。
ラヴォーナと自分のタイムパッドをすり替えたメビウスはC-20の記録を見て、彼女が変異体だと気が付いてたから剪定されたと知る。ロキの言った事は本当だったと。自分のオフィスに帰るとラヴォーナがミミットメンと待っていた。メビウスは剪定されてしまう。
ラヴォーナはロキとシルヴィをタイムキーパーの元へ連れて行く。タイムキーパーは三人、どれも奇怪な姿をしている。
B-15が乱入、二人はラヴォーナ達を退け、タイムキーパーのひとりの首をはねる。タイムキーパー達は機械仕掛けの人形だった。TVAを作った黒幕は判明しないまま。ロキがシルヴィに何かを言おうとした時、ラヴォーナの剪定棒がロキを貫く。ロキは消えてしまう。シルヴィはラヴォーナに武器を突きつけ、すべて話すように迫るが。
目覚めたロキを見下ろす三人の人影。中央にいる生意気そうな少年は、少年ロキ。ロキは何処か別の場所に飛ばされたようだ。
TVAの真の姿が見えて来たようではある。騙し騙され、最後にロキは真実を掴む事が出来るのか。
EDの「愛の賛歌」は、ロキがシルヴィに言おうとした本心の代りなのか。
第5話 "未知への旅""Journey into Mystery"
ロキが飛ばされた場所は”虚無”と呼ばれる場所。どうやら剪定された変異体が飛ばれる場所らしい。そこは時間の果て、そこに変異体を飛ばせば分岐は消える。時間軸の最後はタイムキーパー達が作っている最中だとラヴォーナはシルヴィに言うが。
あの三人はロキの変異体だった。その他にもワニの姿のロキ変異体もいた。アライオスは生ける嵐、送られた分岐を喰う。変異体達はアライオスから逃げ回っている。ロキは変異体たちと地下のシェルターへ行く。ここは少年ロキの王国、彼の分岐イベントはロキを殺した事。おもちゃを飾り立てた玉座、王になりたいのは、どのロキにも共通の願いらしい。
シルヴィとラヴォーナはTVAの黒幕を見つけて倒す事で同意したかに見えたが。ミニットメンが駆けこんで来る。シルヴィは自らを剪定して消える。
ワインを飲みながら黒人ロキは自慢話をしている。年長のロキはずっとひとりでいたという。ロキはアライオスを倒そうというが、みんな笑うだけ。ロキは穴倉から外へ出ようとする、スーツ姿のロキの変異体が軍隊と穴の中をのぞき込んでいた。さすがのロキもうんざりしたようだ。
シルヴィも虚無で目覚める。アライオスに追われる。やって来た車に乗り込むとメビウスが運転していた。シルヴィはアライオスこそが黒幕の手がかりだといい、アライオスの元へ戻ろうという。戦いが始まった穴から逃れたロキたちはシルヴィと合流する。ロキたちの会話が楽しい。
あのアライオスは黒幕へ通じる入口の番人ではないかと、ロキもシルヴィも考えている。二人きりになったロキとシルヴィ、ぎこちなく互いへの好意を感じつつも否定しあう。はがゆいプライド。この世界では魔法が使える。肌寒い世界。ロキの魔法で緑の毛布に包まれる二人。黒幕を見つけTVAを破滅させる、その後に何をするか「一緒に考えるのもいいかも」、それがロキの精一杯の勇気。
メビウスはひとり、TVAへ戻っていく。ロキとメビウスも互いを信じている。
アライオスに触れ、情報を得ようとするシルヴィ、ロキと共に。年長のロキが魔力で協力が喰われてしまう。ロキとシルヴィはアライオスの向こうになる目的地に辿り着く。
第6話 "とわに時を いつでも""For All Time. Always."
アベンジャーズの様々なヒーローの声がする。
ロキとシルヴィは不思議な空間にいる。建物の前に。なんと扉は自ら開いた。ミス・ミニッツが現れる。在り続ける者が待っていると。ミス・ミニッツは二人の願いをかなえると誘惑する。彼なら可能だと。だが断る、二人はロキだから。
在り続ける者は陽気な黒人、林檎を食べながら二人を奥へと誘う。彼は普通の人間だが時間を操る。簡単には倒せない。
ラヴォーナはミス・ミニッツからファイルを受取る。”彼”がこちらの方がいいと言ったファイルを。戻って来たメビウスを見てもラヴォーナは驚かない。自分達の組織は必要なのだと。ラヴォーナは何処かへ消えてしまう。「自由意思を探しに」
B-15は追われる身。高校に逃げ込む。彼女と追って来たミニットメンの前にラヴォーナそっくりの女性が現れる。追って来たミニットメンは驚く。
人を小馬鹿にした態度で、嫌な奴。自分がいなければ世界は崩壊していたという。在り続ける者、支配者、征服者などと多くの名前で呼ばれた者は。彼の変異体が31世紀に世界が重なり合っていると気が付いた。彼の変異体は交流し、それぞれの世界の発展に協力した。だが中には邪悪な変異体もいた。自分の宇宙以外の宇宙を制服しようと。互いの宇宙が争い滅亡しかけた。そうならないようにアライオスを使い、戦争を終わらせた。そしてそうならないようにTVAを作った。
選択肢は2つ、ひとつは自分を殺して世界を混沌にする事。もうひとつは二人のロキがこの世界を支配する事。自分の後継者となれと在り続ける者は誘う。
突然、在り続ける者が不安な顔をする。
もう未来が分からないと。何かが起きたらしい。
在り続ける者を殺そうとするシルヴィ、止めるロキ。シルヴィはロキを信用しないという。二人は戦い始める。殺し合う二人を楽しそうに見る在り続ける者。信じてはもらえないロキの哀しみ、身を挺してシルヴィの刃から在り続ける者を守る。
「王座は欲しくない、お前に幸せでいて欲しい」
それがロキの辿り着いた答え。
「でも貴方とは違う」
それがシルヴィの答え。シルヴィはロキをタイムドアでロキをTVAに移動させ、在り続ける者に剣を突き立てる。時間軸が分岐していく。無数に枝分かれしていく。TVAでそれを見守るメビウスとB-15。
混乱のTVA。ロキは見つけたメビウスに話しかけるが、メビウスはロキを覚えていなかった。タイムキーパーの像のあった場所には、在り続ける者の像が立っていた。
記憶の分岐が、ロキからまたすべてを奪ったのか。なかなか面白いラスト。この手のクリフハンガーは先が未定の場合が多いので、どういうストーリー展開でシーズン2が作られるのか楽しみ。
Disney+にて視聴
Loki
STAFF
原作 スタン・リー ラリー・リーバー ジャック・カービー『ロキ』
原案 マイケル・ウォルドロン
脚本 マイケル・ウォルドロン
監督 ケイト・ヘロン
製作 マーベル・スタジオ
配給 ディズニー・メディア・ディストリビューション
CAST
ロキ トム・ヒドルストン 平川大輔
シルヴィ ソフィア・ディ・マルティーノ 佐古真弓 女性ロキの変異体
メビウス・M・メビウス オーウェン・ウィルソン 志村知幸 TVAの分析官
ラヴォーナ・レンスレイヤー ググ・バサ=ロー 鶏冠井美智子 メビウスの上司
ハンターB-15 ウンミ・モサク 斉藤貴美子 TVAの実働部隊"ミニットメン"の女性隊員
ハンターC-20 サッシャ・レイン 胡麻鶴彩 シルヴィに拉致されたミニットメン
ケイシー ユージン・コルデロ 山橋正臣 TVAの事務員
ミス・ミニッツ タラ・ストロング 松浦裕美子 TVAのAIアシスタント
キッド・ロキ ジャック・ヴィール 高村晴香 少年のロキの変異体
自慢好きロキ デオビア・オパレイ 中村和正 黒人男性のロキの変異体
クラシック・ロキ リチャード・E・グラント 宮田浩徳 初老のロキの変異体
在り続ける者 ジョナサン・メジャース 中村和正

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