映画「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」感想

マッツ・ミケルセンとジュード・ロウを楽しむ映画
ジョニー・デップのグリンデルバルドは狂気と異常性が突出していて「ヤバい奴」感が凄かった。でも魔術師世界の指導者となるべく手段を選ばない、そして熱烈な信奉者や熱狂的な人気を持つという、この映画での立ち位置的には、冷酷さとカリスマ性を感じさせるマッツの方が適任でした。
ダンブルドア先生とグリンデルバルドの関係は、ゲイが当たり前になった現在では秘密というほどのインパクトはなかったし、クリーデンスの出自についても、アバーフォース・ダンブルドア(魔術師であるのに安宿の親父)という、ダンブルドア先生の弟として唐突に出て来た感のある人物が絡んで来るのが何だかなという感じ。そして兄弟ゲンカで妹を死なせてしまったという過去など、何か色々と詰め込み過ぎて。
そう、クリーデンスの扱いがあまりにも酷くて(スネイプヘアも含めて)。前作のラストの雰囲気ではグリンデルバルドの右腕として今作はバリバリ暗躍するのかと思いきや、病気なのか突然に魔術に目覚めた後遺症なのか、オブスキュリアルの宿命か、死にかけており、余命のない者の側に現れる不死鳥につきまとわれ、グリンデルバルドに無能よばわり。冒頭のキリン確保以外はほとんど活躍はなし。公開直前のエズラー・ミラーの逮捕は関係ないとは思いますが。
結果的にクリーデンスの出自とダンブルドア家の話の影が薄くなってしまった。アバーフォースの宿屋の鏡に何故クリーデンスの魔法で文字が浮かび上がるのかも説明不足だし。アバーフォースですが、後半の選挙の場面では宿屋の親父ではなく魔術師に見える風格ある外見になっていたのは、ダンブルドア家の血を感じさせて良かったです。それだけに、クリーデンスがグリンデルバルドに騙されて彼の右腕として悪の限りを尽くして、ラストは父子の戦いになったとしたら盛り上がったと思うのですよ。そうしたらダンブルドア先生とグリンデルバルドの戦いに華を添える事にもなったのではと。
ホグワーツの建物があのBGMと共に浮かび上がった時が一番の興奮。
学内の様子が登場したのも良いファンサービス。基本的に安全なホグワーツから出ないと言われるダンブルドア先生。他にも色々とやらかしていそうですよね。そう思えるのもジュード・ロウの功績のひとつかと。
キリンの話も唐突過ぎたかな。魔法生物としての貴重さがもう少しわかるようにして欲しかったかな。バンビっぽかった。ドイツ魔法省のうさん臭さはいかにもでしたね。やはりそういう役回りなのでしょうね。どうしてラリーとジェイコブが晩餐会やらお茶会に当然の顔して参加しているのかとか、他にも思う所は沢山あるのですが。
とはいえ、作りこんだ少し昔の魔法のある世界が心地良く・・・
グリンデルバルドについていったものの開心術を利用されるだけで、グリンデルバルドの手下に厳重に見張られていたクイニーが、ジェイコブと結婚するのは嬉しい。冒頭のジェイコブの店先のウェディングケーキの新郎の人形が倒れていたのがちゃんと直っているのも良いですね。ティナは最後だけチラっと登場。
ハッピーエンドで良しという事で。
Fantastic Beasts:
The Secrets of Dumbledore
STAFF
監督 デヴィッド・イェーツ
脚本 スティーヴ・クローヴス J・K・ローリング
原案 J・K・ローリング
原作 J・K・ローリング
製作 デヴィッド・ハイマン J・K・ローリング スティーヴ・クローヴス ライオネル・ウィグラム
ティム・ルイス
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード
撮影 ジョージ・リッチモンド
編集 マーク・デイ
製作会社 ヘイデイ・フィルムズ
配給 ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ
CAST
ニュート・スキャマンダー エディ・レッドメイン 宮野真守
ティナ・ゴールドスタイン キャサリン・ウォーターストン 伊藤静
ジェイコブ・コワルスキー ダン・フォグラー 間宮康弘
クイニー・ゴールドスタイン アリソン・スドル 遠藤綾
テセウス・スキャマンダー カラム・ターナー 江口拓也
ユスフ・カーマ ウィリアム・ナディラム 田村真
バンティ ヴィクトリア・イェイツ 新谷真弓
ユーラリー・“ラリー”・ヒックス ジェシカ・ウィリアムズ きそひろこ
アルバス・ダンブルドア ジュード・ロウ 森川智之
アバーフォース・ダンブルドア リチャード・コイル 中井和哉
アリアナ・ダンブルドア ヒービー・ベアードサル
クリーデンス・ベアボーン / アウレリウス・ダンブルドア エズラ・ミラー 武藤正史
ゲラート・グリンデルバルド マッツ・ミケルセン 井上和彦
ヴィンダ・ロジエール ポピー・コービー=チューチ 喜多村英梨
アントン・ヴォーゲル オリヴァー・マスッチ 田原アルノ
吹替もダンブルドア先生が森川智之さん、グリンデルバルドが井上和彦さん。これだけで安心設計なのがわかりますよ。そのうち吹替も観るでしょう。
全5作らしいので、まだまだマッツのグリンデルバルドが観られるはず。若きミネルバ・マクゴナガル先生は、ハリポタのマクゴナガル先生の曾祖母らしい?

fc2が不調の際はお手数ですがTB用ミラーブログをご利用下さい
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