ドラマ「ムーンナイト」第5話 感想

マークの隠して来た過去とは・・
医師はマークがシカゴのパトナム病院に入院中の患者だと語る。それが現実、スーパーヒーローである姿はすべて彼の脳が作り出した妄想だと。アーサー・ハロウそっくりの医師は、マークの記憶がすべて嘘だと誘導するような話し方。
鎮静剤を打たれたマークはまたスティーブンとカバ頭の女神と出会った場面へと戻って来る。カバ頭の女神はマークとスティーブンは死んでいるのだと告げる。そしてここ魂が通るのは久しぶりだとはしゃいでいる。ここは冥府ドゥアトだとカバ頭は教えてくれる。ドゥアトとはエジプトの冥府、カバ頭の女神はタウエレト、母と子供を司る女神、死者を来世へと旅立たせる案内人だと、スティーブンは感激している。
死後の世界は色々、その人のわかりやすい姿になる。精神病院なのは、自分が病んでいるから。ハロウ先生は正しかったと言い出すマーク。ハロウ先生?だかマークが扉を開けるとそこは砂漠の中を進む船だった。葦の楽園、善悪の均衡が取れていれば永遠に楽に暮らせる。善悪の均衡、天秤の刺青を思い出す。
やはり天秤、タウエレトは2人の心臓を抜き出して天秤に乗せる。マアトの羽根と釣り合わねば、船から落とされて永遠に砂漠で凍りつかねばならない。天秤は妙な動きを見せる。タウエレトも戸惑っている。タウエレトは心臓が不完全だという。何かが足りない。2人は何かを隠していると。
マークは女神をころして船を奪おうと提案、だがスティーブンは真実を探したいと、再び戻った精神科病棟を彷徨う。2人の不完全な記憶、残りの記憶は何処にあるのか。病室のドアのガラスから中を覗くと過去の記憶の数々が見られるらしい。
助けを呼ぶ少年の声。
ひとつの部屋に入る。そこには先程の天秤とコンスの命令で手をかけた人々がいた。マークは全部覚えていた。返り討ちにされて死にたいと願っても治癒力がそれを許さなかった。
天秤が安定して来た。そこにひとりの少年が現れる。少年を追うスティーブンをマークは止めようとする。少年の正体をマークは知っているようだ。少年はひとつの部屋に飛び込む。スティーブンも中に入り、マークが入れないように鍵を閉める。
そこは裏庭、スティーブンは見る。バーベキューの炉の前にいる女性はマークの母親?女性は少年をランドールと呼ぶ。マークの弟なのか。弟が描いているのはひとつしかヒレのない金魚。スティーブンが飼っていたのと同じ。森の中で少年マークと弟はグラント博士ゴッコを始める。洞窟の中には雨の日は入るなと母親に止められているらしい。だがマークは尻込みする弟を鼻で笑い、進んで行く。
部屋から閉め出されたマークは廊下を彷徨っている。別の入口を探しているのか。
入口にコンスを思わせる小さな骨、スティーブンも洞窟の奥へと子供達を追っていく。雨で洞窟の中に水が流れ込む。水嵩が増していく。助けを求める少年の声、スティーブンの身体も水に沈んでいく。
マークはひとつの部屋に入る。そこはセピア色の世界。弟の葬儀。何故かスティーブンもいる。お前のせいだと母親は少年マークを罵倒する。少年マークは2階へと逃げていく。追うスティーブン、止めるマーク。
スティーブンはその先で見る。母親は病んでしまい、少年マークを嫌悪している。少年マークが誕生日なのに祝う事もしない。父親は少年マークを気遣うが、少年マークは諦めている気配。母親は少年マークが弟を妬んで殺したと罵る。少年マークは自分の部屋に逃げ込む。スティーブンが部屋に入ろうとするとマークが阻止する。余程見せたくない記憶があるらしい。
2人は現代に近いアメリカらしき路上に転がり出る。そこでは大きくなったマークが家を出ようとして父親に止められていた。母親に治療を受けさせるという父親、もう遅いと叫ぶマーク。今まで見て見ぬふりをして来た父親への怒りなのか。
揉み合う2人は、マークの運命的な場所に出る。傭兵だったマーク、上官が金の為に墓の発掘作業員を殺せと命じた。(殺された中にはレイラの父親エル=フーリー博士もいた)それを拒んだマークも撃たれた。瀕死のマークは自ら死のうとした時、コンスの声が聞こえた。コンスは極悪人に制裁を与える戦士になれと言う。生き永らえる為にマークはコンスと契約を結んだ。ムーンナイトのスーツを纏うマーク。
スティーブンは天秤を見る。スティーブンはマークを促して駆け出す。扉を抜けるとタウエレトが「現世が恐怖で覆われている」と言う。魂が寿命になる前に裁かれているという。邪悪に満ちていると。ハロウの仕業。
現世に戻らねばというスティーブン。だが戻った所で銃弾で穴が開いた身体に戻るだけだとタウエレトは言う。スティーブンはレイラに頼んでコンスを蘇らせればいいと言うが。現世に戻る方法はオシリスの門をくぐる事。だが彼が許さないだろうとタウエレトは言いつつも船の進路を変えてくれる。だが時間がない、天秤を釣り合わせるように2人にいう。スティーブンはマークに阻止された部屋にこそ、天秤を釣り合わせる記憶があるはずだと言うが、マークはあくまでも拒もうとする。錯乱するマーク。
場面が変わる。“ハロウ先生”になだめられるマーク。鎮静剤は打たれていなかったとハロウ先生はいう。トラウマの原因の追体験をしていただけだと。マークがスティーブンを作り出したのか、スティーブンがマークを作り出したのか、それを知る為にはスティーブンに心を開かねばならないとハロウ先生はいう。コップの水に映るのはどちらの影か。
少年マークは部屋の中にいる。母親が激しくドアを叩く。怒鳴る声がする。少年マークは怯えている。「母親じゃない」と。スティーブンにはそこが自分の部屋だとわかっても、その怯える少年の姿の記憶がない。
その時、少年に異変が起きる、別人になる。冷静に散らかった部屋を片付け始める。母親に叱られないように。スティーブンは壁のポスターを見る。「トゥーム・バスター(墓荒らし)」のポスター、主人公の名前はスティーブン・グラント。
母親は少年を鞭で打ち据える。マークは母親に虐待され地獄の日々を送っていた。
マークはスティーブンを部屋から引き摺り出す。マークがオリジナルで自分がマークが生み出した空想の産物だと知ったスティーブンはショックを受ける。スティーブンは普通で素朴な人生を送っていた。だがそれは偽りだった。母親に憎まれた人生、それが真実。毎日「母さん」と電話する人生は偽り、母親はとっくに死んでいた。今度はスティーブンが混乱する。またハロウ先生の所に戻って来る。だが白い服を着ているが意識はスティーブン。ハロウ先生もそれに気づく。
母親の死後すぐに入院したのはスティーブンだったとハロウ先生はいう。母さんは生きている!と激怒するスティーブン。彼を落ち着かせる為に、母親と電話するようにいうハロウ先生。スティーブンの気持ちに寄り添った行動という事?グラント夫人に電話し、スティーブンに受話器を渡そうとする。スティーブンは耳に当てて母親の声を聞こうとはしない。
思い出す、母親の葬儀の時の事を。
家の外、父親が窓から手招きしても中には入らなかった。道に座り込み「ごめんなさい」と繰り返す。ユダヤ教の帽子を握りしめて。スティーブンがそれを見ている。異変が起きる。マークが“スティーブン”になる。母親と楽しそうに電話する。それをスティーブンが見ている。自分の役回りを思い知る。マークもそこにいる。マークは言う、2ヶ月前に母親が死んでから、マークとスティーブンが混在し始めたと。マークは過去に苦しんでいた。
「君のせいじゃない」
とスティーブンは言う。弟の死も母親が狂った事も。まだほんの子供だったのだと。
船が止まった。オシリスの門の手前で。だが天秤は釣り合わなかった。もうじゃたちが魂を求めて乗り込んで来る。かつてマークが制裁を加えた亡者達。マークはスティーブンに隠れるようにいい、彼らと戦う。マークが倒れてしまう。
「君が僕なら僕にも出来るはず」
スティーブンが亡者に向かっていく。何とか亡者を倒し、上手く行くかに思われたが、別の亡者からマークを救おうとして砂漠に落ちてしまう。凍りつくスティーブン。その時、天秤が釣り合った。
見渡す限りの葦の原にひとり立ち尽くすマーク。
マークは現世に戻れるのか?オシリスはそれを許すのか?コンスは復活するのか?次回がシーズン1の最終回。全部投げっぱなしで次シーズンとか?
ここまで2人の世界で時間を使うとは。精神の世界を描くのは難しいけれど、それなりに楽しめた。やはりマークとスティーブンを演じ分ける関さんの力は大きい。そうでないと混乱しそうなストーリー展開でした。弟の死、母親の虐待というのは、ネタとしてはありきたりではあるけれど、マークとスティーブンのやりとりで盛り上げた回。
シーズン通しての感想は、最終回を観てからという事で。
Disney+にて視聴
Moon Knight
STAFF
原作 ダグ・モエンチ ドン・パーリン『ムーンナイト』
監督 アーロン・ムーアヘッド、ジャスティン・ベンソン
製作総指揮 ケヴィン・ファイギ ルイス・デスポジート ヴィクトリア・アロンソ ブラッド・ウィンダーバウム オスカー・アイザック モハメド・ディアブ ジェレミー・スレイター
製作 マーベル・スタジオ
配給 ディズニー・メディア・ディストリビューション
CAST
スティーヴン・グラント / マーク・スペクター / ムーンナイト オスカー・アイザック 関智一
レイラ メイ・カラマウィ 小松未可子
アーサー・ハロウ イーサン・ホーク 咲野俊介
コンス F・マーリー・エイブラハム 金尾哲夫
アントン・モガート / ミッドナイトマン ギャスパー・ウリエル 北田理道

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