映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」感想

イルミナティのパチもんヒーロー感が凄い
モルド、キャプテン・カーター、インヒューマンズのブラックボルト、マリア・ランボーバージョンのキャプテン・マーベル、ファンタスティック4のミスター・ファンタスティック、そしてプロフェッサーXなのですが、全員悪者っぽいのですよ。かろうじてプロフェッサーXのみが中道という感じで。さすがにエグゼヴィア教授を悪人にするわけにはいかなかったのでしょう。パトリック・スチュワート、お元気そうで何より!何でもありのディズニーらしい力技。モルドは最初から悪人の匂いがぷんぷんしてるし、他のヒーローも邪悪さをにじませた顔をしてたし。ストレンジを中心に描くと、どうしても敵対する側になるので仕方ないとはいえ。
でもワンダには全然歯が立たないで終わってしまいました。男性2人があっさり倒され、女性2人が健闘したのは、いつものポリコレっぽい。アメリカの両親がママが2人という時点でポリコレ棒対策なのでしょうけれど。そのうち、マイノリティ以外は登場しない映画になるかもしれません。観たいかどうかは別にして。差別はいけないけれど、行き過ぎたポリコレは逆差別の悲劇となりそう。
サム・ライミっぽい、ホラー風味の描写も楽しかったです。
貞子のように、うにょうにょと壁から登場するワンダ。地中からボコっと手が出て、復活するソンビストレンジとか。飛び回る悪霊やら、笑えるほどにホラー味。魔術そのものが題材としてホラー的な絵にしやすいというのもあるでしょう。
ウォンの活躍も目立ちましたね。ストレンジという上から目線の人物と温厚なウォンとで良いバランス。魔術師としても、ストレンジの不在の間に、カマー・タージの至高の魔術師(ソーサラー・スプリーム)となったウォン。実力も十分、他の魔術師からの信頼も篤いようです。
ワンダの凄まじい強さ。母としての心の闇に囚われて。
ワンダヴィジョンからの続きと思えば、すべてを失ったワンダの嘆きの深さが思いやられます。しかし息子達を取り戻したい一心から、禁書ダークホールドに手を出し精神を蝕まれてしまった。それが今回の姿。エグゼヴィア教授は、ワンダの心の中に理性的なワンダが閉じ込められて邪悪なワンダに支配されている状態なのを発見しますが、助けられず。
しかしアメリカ・チャペスの力で再会した息子達に、怪物として恐れられて理性を取り戻します。そうですよね、他の世界ではその世界のワンダがいるわけで、自分達の母親を目の前で吹き飛ばして怪我をさせた女が「ママですよ」と言った所で、子供達としては怖がるしかないでしょう。
理性を取り戻したワンダは、すべてのマルチバースのダークホールドを消滅させると言いますが。その後、ワンダはどうなったのでしょう。生き延びていると良いのですが。それでもワンダヴィジョンの時といい、今回のカマー・タージの件といい、多くの惨劇を引き起こしてしまった事実は消えないのが辛い所です。
ドクター・ストレンジが複数登場するのも楽しい。
ディフェンダー・ストレンジ
アメリカ・チャベスを守っていたディフェンダー・ストレンジ、後にそのご遺体がドリーム・ウォークで活用されて、悪霊を逆に利用した強いゾンビとしてワンダと戦ったのも印象深い。身体がかなり崩れてましたが頑張ってましたね。
スプリーム・ストレンジ
銅像になっていたストレンジ。サノスとの戦いで名誉の死を遂げた。だが真相はイルミナリティに処刑されていた。マルチバース絡みで危険な存在となってしまった為に。どうやら「インカージョン」というユニバース同士の衝突を起こしひとつの宇宙を消してしまったらしい。本人も覚悟していたようですが。ストレンジが大嫌いな嫉妬マンのモルドが処刑を主張したのかも。ストレンジがいたらサンクタムを牛耳れないですからね。
シニスター・ストレンジ
三つ目のストレンジ。ダークホールドを使用した代償として闇堕ちしたストレンジ。ここはストレンジ同士の戦いを楽しむ場面。ドリームウォークで他の世界のストレンジを高所から突き落として殺してらしい。最期は自分がそうなる所が皮肉。トッカータとフーガなどの音符で攻撃しあうのも楽しかったですね♪
それと私達のストレンジ
エンドロールの途中でシニスター同様の三つ目に覚醒、これは魔力が上がった証なのでしょうか。クリスティーンにもらった時計を修理してようやっとストレンジの時が動き出し、クリスティーンへの想いも整理出来た後、エンドロールの後に登場したクレアと共にインカージョンを修復する事に。クレアが次のお相手かな。
ストレンジ、ワンダ、チャベス、マルチバースと詰め込み過ぎで忙しい気もしましたが、ストレンジが登場するだけでどの場面も見所になるし、カンバーバッジの声も素晴らしいので耳にも良し。ワンダの強さの描き方も見応えあり。ヴィジョンの存在がほとんどなかった事に違和感もあるけれど、母と子に焦点を当てる邪魔になったからかな。
「ワンダヴィジョン」を観ていないとわかり辛い内容ではありますが、時間の長さを感じさせない良い映画でした!
Doctor Strange in the Multiverse of Madness
STAFF
監督 サム・ライミ
脚本 ジェイド・バートレット マイケル・ウォルドロン
原作 スタン・リー スティーヴ・ディッコ 『ドクター・ストレンジ』
製作 ケヴィン・ファイギ
製作総指揮 スコット・デリクソン
音楽 ダニー・エルフマン
撮影 ジョン・マシソン
編集 ボブ・ムラウスキー
製作会社 マーベル・スタジオ
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
CAST
スティーヴン・ストレンジ / ドクター・ストレンジ ベネディクト・カンバーバッチ 三上哲
ワンダ・マキシモフ / スカーレット・ウィッチ エリザベス・オルセン 行成とあ
ウォン ベネディクト・ウォン 田中美央
クリスティーン・パーマー レイチェル・マクアダムス 松下奈緒
バロン・モルド キウェテル・イジョフォー 小野大輔
アメリカ・チャベス ソーチー・ゴメス 鬼頭明里
ニコデマス・ウェスト マイケル・スタールバーグ 志村知幸
トミー・マキシモフ ジェット・クライン 上野黎也
ビリー・マキシモフ ジュリアン・ヒルヤード 宮岸泰成
サラ シェイラ・アティム 弘松芹香
リントラ アダム・ヒューギル 越後屋コースケ
クレア シャーリーズ・セロン

二子玉川の蔦屋家電のシェアラウンジへ。時間制で、ドリンク、ナッツやチョコレート、パンなどがフリー。マッサージチェアなどもあり。

植栽が頭に当たりそうな配置の場所もありますが、様々なタイプの席が用意されています。目的に応じて使い分け可能です。

マンゴージュース、カプチーノとクロワッサン、いちごミルクのポップコーンなどをいただきました。カップもパンも小ぶりです。さっと飲んで行く時に便利だし、色々とドリンクを試してみるのも良し。その時の気分に応じて。

fc2が不調の際はお手数ですがミラーブログをご利用下さい
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