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シネマ歌舞伎「廓文章 吉田屋」感想

☆もるがん☆

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上方と江戸の粋、その両方を体現する仁左衛門に酔う

放蕩の末に、勘当された藤屋の若旦那伊左衛門は、恋人の夕霧が病に伏せっていると聞き、 落ちぶれた身も省みず大坂新町の吉田屋へやって来ます。 主人喜左衛門夫婦の好意で夕霧には会えたものの、伊左衛門は嫉妬のあまり、すねてつらく当たり二人は痴話喧嘩を始める始末。 ようやく仲直りをした二人のもとに届けられる知らせは...

冒頭に仁左衛門と玉三郎のインタビュー映像あり。

名優を父に持ち、2人の兄も役者、自分もまた役者になるのが当然と思った人生。当然であってもそれだけは役者にはなれない。当人の努力も相当なものであったろう。半世紀にわたる玉三郎のコンビでの印象も深い。

そんな能書きよりも、すらりとした立ち姿を一目見れば、稀有な役者とすぐにわかる。(長身であった事が、女形としては長身の玉三郎とのコンビの成功の秘訣だったとインタビューの中で玉三郎も語っている)。実際の芝居を観た時、その着流しの姿の良さに惚れました。品もあるのに愛嬌もあるのに惚れました。

映像に残されたのは十数年前の仁左衛門。

伊左衛門は私の中では坂田藤十郎の印象が強い。大店の甘やかされた若旦那の鷹揚さや稚気がにじみ出るのに憎めない様子が好ましかった。仁左衛門はどちらかというとカッコいい方を観た記憶が多い。だがこの伊左衛門も良かった。ずっと休み暇なく柔らかく演じ続ける、この凄み。

人間国宝は伊達じゃない。

配役
藤屋伊左衛門 片岡 仁左衛門
扇屋夕霧 坂東 玉三郎
太鼓持豊作 坂東 巳之助
番頭清七 大谷 桂三
阿波の大尽 澤村 由次郎
吉田屋女房おきさ 片岡 秀太郎
吉田屋喜左衛門 片岡 我當

上演月:2009(平成21)年4月
上演劇場 歌舞伎座

シネマ歌舞伎公開日:2020年1月3日
上映時間 97分


玉三郎の美しさは、いつも通り。眼福とはこの事。

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