映画「ソー:ラブ&サンダー[IMAXレーザー3D・字幕]」感想

あそこまで、お笑いに走らなくても・・
それも監督の特徴だからと言われればそれまでですが。せっかくのジェーンの癌末期エピソードとか、アスガルド人へのソーの演説とか、シリアスな部分まで嘘臭くなってしまって残念でしたよ。そのあたりのメリハリがもうちょっと欲しかったです。
ジェーンがマイティ・ソーとなったのも、今時のポリコレっぽい、強い女性とヘタレ男子的なある意味ステレオタイプ。ソーのジェーンを守って欲しいという願いをかなえたムジョルニアによって、ソーの力を手にしたものの、それで癌が治ったわけではなく、結局は命をおとしたものの、ヴェルハラに転生したという、ハッピーエンド。
というか、最近の傾向で男女のハッピーエンドは極力避けるべきという逆ギレ的なアレが貫かれていて、これは別にあえてそうしなくても思うほど。ヴァルキリーのスーツは、MIBのパロディともギャグとも受取れますが。ストームブレイカーがムジョルニアにやきもち焼いたり、もう男女の恋愛でなければ何でもありのカオス。これがお笑いの世界を徹底させたいという意志の現れなのかも知れませんが。
というわけで、ソーが妙に軽くなってます。
全裸ソーは、クリス・ヘムズワースの肉体を映像に残しておきたいという記録的なものかも。背中のロキへのメッセージの刺青は、ロキのドラマシリーズの宣伝も兼ねてでしょうかね。クリス・ヘムズワースといえば、今回の映画は家族が多数出演、子供時代のソーは息子、演劇のソーは兄弟、ゴアの娘は実の娘なのですね。
ラブ&サンダーとは、ゴアに託された娘と父親代理となったソーのコンビが、悪を退治しまくるというラストで「ああ、だからこのタイトルなのか」と種明かしされるわけですが。疑似親子のやりとりの自然さは、やはり実の親子だからという感じですね。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々はちょこっとしか出ません。
ゴアのクリスチャン・ベールはさすがの演技ですが、お笑いが多過ぎて、彼の悲劇が薄まってしまっているのも残念な所。娘をソーに渡すのがメインになってしまっているような。もっと深い役かと思ったのに。それはクリスチャン・ベールのせいではなく、脚本や演出のせいでしょう。
ロキがアスガルドを支配していた時の例の演劇の面々の再登場が一番面白かったかも。しかしマット・ディモンとかサム・ニールとか、こんなチョイ役で出てもらっていいの?と思う位の俳優さん。こういう豪華な無駄使いも、MCUだから出来るのでしょうが。
さらっと観るには良い映画。
いつものエンドロールの途中のアレは、ゼウスは生きていて、息子のヘラクレスにソーへのお仕置きを命じる。ヘラクレスといえばマッチョの代名詞、ソーとのマッチョ対決が今後観られるのでしょうか。
エンドロールの後には、キラキラの粉となって消えたジェーンがヴァルハラへ転生、ヘイムダルに出迎えられるという。戦いの中で命を落すと行かれるというヴァルハラ。オーディンなどの亡くなった人々の再登場もあるのでしょうか。
そして・・ソーは帰って来るという定型文。
理屈はどーでもいい、楽しめればという向きには良い映画。
Thor: Love and Thunder
STAFF
監督 タイカ・ワイティティ
脚本 タイカ・ワイティティ ジェニファー・ケイティン・ロビンソン
原作 スタン・リー ラリー・リーバー ジャック・カービー『マイティ・ソー』
製作 ケヴィン・ファイギ
撮影 ショーン・マウラー
編集 メリアン・ブランドン
製作会社 マーベル・スタジオ
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
CAST
ソー クリス・ヘムズワース 三宅健太
幼少期のソー サシャ・ヘムズワース トリスタン・ヘムズワース
ブリュンヒルデ / ヴァルキリー テッサ・トンプソン 沢城みゆき
ジェーン・フォスター / マイティ・ソー ナタリー・ポートマン 坂本真綾
少女時代のジェーン・フォスター アヴァ・カリョフィリス 岡田日花里
コーグ タイカ・ワイティティ 金谷ヒデユキ
シフ ジェイミー・アレクサンダー 北西純子
“神殺し”ゴア(英語版) クリスチャン・ベール 子安武人
ピーター・クイル / スター・ロード クリス・プラット 山寺宏一
ドラックス デイヴ・バウティスタ 楠見尚己
グルート ヴィン・ディーゼル 遠藤憲一
ロケット ブラッドリー・クーパー 加藤浩次
ネビュラ カレン・ギラン 森夏姫
マンティス ポム・クレメンティエフ 秋元才加
クラグリン・オブフォンテリ ショーン・ガン土田大
ゼウス ラッセル・クロウ 千葉繁
ラブ インディア・ローズ 安藤紬
エリック・セルヴィグ ステラン・スカルスガルド 金子由之
ダーシー・ルイス カット・デニングス 田村睦心
ロキを演じる役者 マット・デイモン 中村章吾
ソーを演じる役者 ルーク・ヘムズワース 宮本淳
オーディンを演じる役者 サム・ニール 宮崎敦吉
ヘラを演じる役者 メリッサ・マッカーシー 美々
吹替、ゼウスの千葉繁さんなどそれだけで観たくなります。ゴアの子安さんもそう。配信は絶対吹替で観ます。
久しぶりに3Dメガネをかけました。ほぼ中央の席でしたが、どうしても人物の輪郭が歪になったりするのが残念。

fc2が不調の際はお手数ですがミラーブログをご利用下さい
Comments 0
There are no comments yet.