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映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」感想

☆もるがん☆

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この世で最も黒く、最も邪悪な絵とは・・

TVドラマから映画へ、露伴先生の世界が広がっていくのです。

まだデビュー前、17歳の露伴少年は祖母の家に下宿してデビュー作を描きあげようとする。そこは古い宿を下宿として改造した家。下宿人の黒髪の美しい女性、奈々瀬との出会いが、後の露伴と黒い絵を巡る事件へと繋がって行く。

祖母の白石加代子さん、なかなかの存在感。独特な人であるのが伝わって来て、さすが露伴先生のお祖母様という感じです。黒い丸眼鏡をかけています。大人になった露伴先生がかけていたのはお祖母様の眼鏡でしょうか。

現在→過去→現代→遠い過去→現代

話の流れとしてはこんな感じです。

パリのルーヴル美術館のモナリザやニケの前に立つ露伴先生がシュールです。毎回思うのですが、高橋一生さんは全身全霊で露伴先生を演じているのが素晴らしい。露伴先生の目の焦点の合わせ方ひとつでも荒木先生の絵を再現しようとしているのが感じられるのです。荒木先生の絵を髣髴とさせるようなポーズなど、リアルの世界に露伴先生が降臨したようで。

スタッフの並々ならぬ露伴先生への愛も相変わらず。露伴先生の服装、部屋、持ち物、世界観にも。菊地成孔さんと新音楽制作工房の音楽もTVドラマに引き続き素敵です。効果音と音楽が効果的に使われている映画でもあります。ミステリーでありホラーでもある今作では、音はかなり重要な要素となっています。人々に”何か”の存在を感じさせる旋律や、土砂りの雨でかき消される言葉など。

岸辺露伴 ルーヴルへ行く VISUAL BOOK

見捨てられたルーヴルの地下倉庫「Z-13倉庫」。

黒い絵はそこにあり、そこで黒い絵の正体と倉庫に隠された陰謀を知る露伴先生。ヘブンズ・ドアーで読み取った黒い絵を描いた絵師・山村仁左衛門と妻の悲劇。そして彼らと露伴先生の時を越えた絆。

最初に仁左衛門の幻が現れた時は顔を見せず、回想の中であの方が演じておられたので、妻の方の子孫というのはやや肩透かしでした。あの絵が祖母の家に伝わっていた説明にはなりますが、露伴先生の絵の才能が仁左衛門の血筋という流れの方が良かったかな。いや、実は作中には出て来なかったけれど、二人には子供がいて岸辺家に引き取られてという事もあったのかも知れませんが。

エマ野口のぶっきらぼうな日本語が、いかにも外国住みの日本人という雰囲気がして良かったです。どういうわけか、現地で出会うガイドや通訳の方というのは、日本語が堅いというか。普段は異なる言語に囲まれているせいでしょうか。

泉京香の過去も少し。今回は誰もが過去をふり返ざるを得ない話ではありました。

祖母の家として登場する東山温泉の向瀧は何度か行きました。中庭が見える百合の間のあたりの部屋が好きでした。さるの湯と呼ばれるかけ流しのお風呂も良かったですね。老舗なのに早々にネット環境を導入していて、宿の方にメールでお部屋の見所の説明などをしていただいたりしました。将棋の羽生善治のライバルで夭折した村山聖の生涯を描いた「聖の青春」でもタイトル戦の舞台となっていましたね。

漫画の実写化のお手本のような映画。

やはり愛なのですよね。原作への愛と敬意があれば、実写=駄作にはならないのですね。

岸辺露伴 ルーヴルへ行く (愛蔵版コミックス)

CAST
監督 渡辺一貴
原作 荒木飛呂彦『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』集英社ウルトラジャンプ愛蔵版コミックス
脚本 小林靖子
音楽 菊地成孔 新音楽制作工房
配給 アスミック・エース
制作プロダクション アスミック・エース、NHKエンタープライズ、P.I.C.S.
製作 「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会

STAFF
岸辺露伴 高橋一生
泉京香 飯豊まりえ
岸辺露伴(青年期)長尾謙杜
辰巳隆之介 安藤政信
エマ・野口 美波
奈々瀬 木村文乃


奈々瀬の本が和綴じなのが良いですね。初々しい露伴少年も魅力的でした。

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来場者特典のステッカーを貰いました。

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