映画「ザ・フラッシュ」感想

母を救うため、父を助けるため、フラッシュは時空を超えた・・
「ジャスティス・リーグ」で問題解決の鍵となったフラッシュの能力。母の命を救い、父の無実を晴らそうと過去へと向かったフラッシュ。そこにはまだ生きている母と18才の自分がいた。18才フラッシュは悩みを知らず陽気な奴。もしあの事件がなければ、バリーはこんな陽キャでいられたのだろうか。
二人のバリーの演じ分けがいい。
バットマンのマイケル・キートンもいい。彼のバットマンが好きだった。「バードマン」を経て再びバットマンを演じているのも感慨深い。ベン・アフレックが本来のバリーの世界のバットマン、18才バリーの世界ではマイケル、長年のファンへのサービスとマルチバースの仕組みをさりげなく演出する良い方法。
薬品と雷で能力を得たバリー。18才のバリーも能力が得られるようにバリーは計画するが、そこでアクシデント、18才バリーが能力を得た代わりにバリー本人が力を失ってしまう。バリーは18才バリーに力の使い方を教えようとするが、能力の有頂天になった18才バリーのやんちゃに手こずる。
この世界にも現れたゾッド将軍を倒すために、囚われているスーパーマンを助けに行くバリー達。だがそこにいたのはスーパーガール。それもまたマルチバースという事で。なかなか魅力的なスーパーガール。世界は救われ、バリーは父がトマトソースを買いに行って母をひとりにしないように、母の買い物かごにトマトソースを入れるが・・・それがすべての混乱の要因になってしまう。
2人のフラッシュの共闘、あらゆる武器を駆使するバットマン、圧倒的なスーパーガールなど、戦闘シーンは見所が多い。幾つもの悲劇に見舞われながらも、バリーは母を救おうと時空を駆け巡る。そして母を救うと多くの世界が大変なことになってしまうと知るバリー。結局は母を救う事を断念するが、ウエイン財閥の協力で父の無実は証明出来る。
元の世界に戻ったバリー、しかし世界はまったくの元通りではなかった。
バットマンはジョージ・クルーニーになってしまうし、スーパーマンもワンダーウーマンも別人。アクアマンだけがバリーの知るアーサーのままとはいえ、バリーはこれからどうなるのかという幕切れ。新たなるDC映画の暗示という事で良いのだろうか。
病院のシーンがクイックシルバーの二番煎じに見えたり、時空のはざまで出会う敵の正体に既視感があったりはしたものの、テンポ良く観られる映画だった。もしエズラ・ミラーが事件を起こさねば、もっと評価されたのかも知れない。昨今は映画以外の所で嵐が巻き起こり、映画そのものがダメージを受けてしまう。映画が本来の姿を失いそうで怖い。
The Flash
STAFF
監督 アンディ・ムスキエティ
脚本 クリスティーナ・ホドソン
原作 ロバート・カニガー カーマイン・インファンティーノ『ザ・フラッシュ』
製作 マイケル・ディスコ バーバラ・ムスキエティ
音楽 ベンジャミン・ウォルフィッシュ
撮影 ヘンリー・ブラハム
編集 ポール・マシュリス
製作会社 DCフィルムズ ザ・ディスコ・ファクトリー ダブル・ドリーム
配給 ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ
CAST
バリー・アレン / フラッシュ エズラ・ミラー 細谷佳正
若い頃のバリー・アレン イアン・ロー
カーラ・ゾー=エル / スーパーガール サッシャ・カジェ 橋本愛
ゾッド将軍 マイケル・シャノン 広瀬彰勇
ヘンリー・アレン ロン・リビングストン 志村知幸
ノラ・アレン マリベル・ベルドゥ 藤本喜久子
アイリス・ウェスト キアシー・クレモンズ 潘めぐみ
ブルース・ウェイン / バットマン マイケル・キートン 山寺宏一 アース89のブルース
ブルース・ウェイン / バットマン ベン・アフレック 小原雅人
トーマス・カリー テムエラ・モリソン アーサー・カリー / アクアマンの父親
アルフレッド・ペニーワース ジェレミー・アイアンズ 金尾哲夫
カル=エル / クラーク・ケント / スーパーマン ニコラス・ケイジ
ニコラス・ケイジのスーパーマンは実際に映画化を観たかったような観なくて良かったような微妙な気持ちになった。

fc2が不調の際はお手数ですがミラーブログをご利用下さい